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「自分の周囲で最も境遇がアーサーに近い人物とジョーカーを見に行った話」10月1日~10日

 少し特殊な形でのジョーカーの感想です。最初にザ・ノンフィクションの話から入りますが、実は後に繋がってくるので雑に読んでください。

■10月6日

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 「ザ・ノンフィクション」が放送されました。ニートたちが集まるシェアハウスの様子や彼らの生活、将来の夢などを放送するという内容ですが、僕含めて元住人の半数はテレビ嫌いで一切映っておりません。

 ですので、この映像に出てくるのは既に構成の中核を担う著名人か、テレビに映るのが楽しいタイプの方々です。写真は、当時僕が「二次元ドリームマガジンを100号分レビューを書く」という狂気の仕事の執筆途中であったため、机の上に放置していたニジマガが思いっきり映っていた瞬間です。

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 これは、ザ・ノのスタッフが撮影にくる前日に、壁に大量の版権絵やアダルトなイラストを貼ることで、撮影を非常に難しくさせる処置を行ったあとの僕です。目のクマの深さから社会への怨念が伝わってきますね。

 実際の放送も、できるかぎり壁を避けて撮影していた様子が伺えて大満足。

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 閑話休題。今回のザ・ノの実質主役は似非原さん。彼がオリジナルのボードゲームを作ろうと、無職たちで集まりデザインなり試行なりをしていくことで、ダメな彼らなりにも才能や夢があるという構成にしたかったのでしょうが、似非原さんはプレッシャーに負けて逃げ出すオチに。

 これを観た一般視聴者たちは非難轟々。これはこれで無職っぽさが伝わりリアルな映像だと思いますが、やはりインターネットと関わりが薄い人たちからは、ダメ人間の集まりは生理的に受け付けないそうです。

 そもそも、似非原さん自体はインテリかつ慎重にことを進める事ができる人物で、今回はテレビの取材など含めた「社会的な重圧」が問題であり、「好きなこと」でなく、実質仕事のような空気に周りがしたことが良くないし、そこは描写して欲しかったなと。

 あと「好きなことで生きていく」というテーマ自体、発端のYoutuberたちが全員身を削り続けながら活動している今だと、もう古い考えでしかない。ヒカキンが本当に好きなことしかしていないとは、ちょっと追っている方なら誰も思わないはず。

 なにはともあれ、全国で何もできない無職として笑われる結果になった似非原さんは、偶然ながら絶賛上映中のジョーカーに近い存在になってしまいます。普通に生きて知人が突然ジョーカーに近くなることなどあり得ないし、本人も観たいとツイートしていたことから、インターネットの感想よりも先ず似非原さんの感想が訊きたいと映画に誘ってみた次第。

 狂人ゆえの話しかけやすさや愛嬌というのは必ずある。特に、社会に馴染めないからこそ、それでも付き合ってくれる周囲には素直でいる人は好きです。漫画のキャラみたいで。

■10月7日

 ここからは当然ジョーカーのネタバレも含むので、未視聴の方はブラウザを閉じましょう。

 劇場で待ち合わせした似非原さんは、存外楽しそう。あまり上映中にじっとしていられないことから、映画自体が数年ぶりでワクワクしているとのこと。

 「ジョーカー観に行く」とツイートしたものの、発達ゆえに一人では絶対行かなかったし、そもそも今も発券したチケットをポケットの中で失くして、店員さんを困らせたりと、早速いろんなミスを乗り越えながら、どうにか席へ。僕らは、こういう細かい生きづらさを一生抱えていくのでしょう。

 似非原さんは上映中にじっとしていられない多動対策として、観ながら考えることをメモに書く作戦を実行。真剣にアーサーを睨みながら紙の切れ端に走り書きしていく様は、まさに漫才を勉強するアーサーそのもの。

 上映後に二人で日高屋へ。似非原さんは久々に映画を観たともあってか、色々と語りたくてウズウズしている様子。ここまで分かりやすく喜んでくれると誘ったかいもあります。

 ザ・ノの感想も訊きながら感想を語り合う。ザ・ノの一般視聴者の厳しい感想に対しては、「そういうものだから仕方ない。言われて当然でもあるから、それは気にしていない」とのことで、強がりでなく本心であることも語調から伝わり、見た目の印象通り仙人っぽさが溢れる。

 彼が漏らす本心の中で、最も印象深かったのが「俺はジョーカーに比べたら恵まれてるな」でした。たしかに、こうして映画に連れ出し一緒に食事をする友人も居るわけだし、ネットの活動を応援してくれるファンも居る。病院にも通える。アーサーの不遇な境遇に勇気づけられる人も居るわけだ。

 どこまで実際の出来事なのかという前提は置いておくとして、アーサーが狂っていく切っ掛けの中には、精神薬がもらえなくなったことがある。しかし、現代の日本は福祉が充実しているので、お金がなくとも生活保護などで適切な処方を受けることができる。

 統合失調症用の薬をもらい、医者にちゃんと話を訊いてもらうことで、アーサーのように犯罪に走る確率をだいぶ下げられるし、現代はインターネットがあるので、社会に疲れた者同士で支え合うことだって難しくない。

 自分とアーサーを比べる観点すら僕は持っていなかったので、似非原さんの独自の発想を聴いた時、誘ってよかったと心の底から感謝した。

 因みに、僕がまっさきに思い浮かんだことがコレでした。といっても、どこまで実際に起きた出来事かわからない、しかし精神異常者の内面に切り込んでいく感触が確かにあった脚本には、圧巻されましたし、作品としてはかなり好きです。ジョーカーの出自は「可愛そう」でなく単純な狂人の方が好きですけど。これはこれでアリと。

 記事用に纏めるなら、ジョーカーにも壮絶な過去があるように、無職たちもただダメだっただけでなく、そのダメの過程にも必ず葛藤や努力がある訳で、今回の間延びした構成の中に、そこをもう少し組み込んで欲しかった(主題とはズレる部分もあるが)なぁと。

 あと最後にこれだけは言いたいことを一つ。どうしても「現代社会では誰もがジョーカーになる可能性があり~」という感想には、あまり共感できないです。先述した通り、色んな助け舟はでている上に、もしそんな簡単になれるものなら、世界はもっとジョーカーだらけでしょう。世の中には狂人になることができない人が9割なんです。

以下、他の日の日記。

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