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「オタク代表としてテレビ出演したせいで大炎上し人生がメチャクチャになった野間口律さんに、当時の心境と今を訊いてみよう!」9月21日〜25日

にゃるら

・9月23日

 みなさんは、5年前に「ビートたけしのTVタックル」にて、オタク代表として紹介された野間口律さんを覚えているでしょうか。今でも一年に一度程度の頻度では当時のキャプ(下記参照)が拡散されるので、記憶の片隅に残っている方も多いでしょう。

 ※今回の記事は彼へのインタビューな訳ですが、詳細や過程まで気にならない方は、本文部分まで読み飛ばしてもらって構いません。

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 オタク代表として、そしてロリコンとして紹介され、意気揚々とそのオタクらしさを遺憾なく発揮してしまった彼は、瞬く間にインターネットのオモチャへ。一部からはオタクへの偏見を与えたこと恨みや仕込み疑惑を掛けられ、住所や過去を特定されるまでに発展。

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 すぐさま「野間口律」名義のアカウントを消去した彼は、そのまま身内用のアカウントに引きこもり、インターネットの表舞台から降りました。出る杭は打たれるならぬ、目立つオタクは叩かれる時代の悲劇。

 余談ですが、「勉強しろ」というツッコミに対し、テストの点数自慢で返答したあたりに、彼の生き辛さが詰まっている気がします。

 リアルタイムで騒動は眺めていたものの、時の流れが然らしめ僕もすっかり事件について失念していた今、このようなメールが届きました。

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 僕のnoteの読者で一度話を聞いて欲しい旨から始まったそのメールは、送り主の自己紹介から急展開に。全体が冗長で簡潔でない文章、わざわざzipを添付するお節介具合、そしてなにより太字の使い方。このクドさは間違いなく彼のようなオタクでしか出せません。図らずも文章のクドさから本人確認ができてしまう迫力。

 別に僕はグリムアロエを好きと言ったことは一度もないのですが、グリムアロエが好きという前提で話が進んでいる。まあ大好きなんですけど。

 要約すると「知識のあるオタクたちで集まりQMAに勤しむコミュニティがあるので、にゃるらさんも一度見て欲しい」という内容。一通目のメールから伝わる濃いオタクゆえの生き辛さから、これは良くも悪くも面白くなると直感し、彼とQMAをプレイするためウェアハウス川崎へ向かうことを承諾。

 代わりに野間口さんに当時の心境や現在についてインタビューする約束を。

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 連絡手段がメールからLINEへ以降すると、当日まで毎日このような連絡が。自分の好きなモノの話を自慢交えてするのは楽しいですからね。

 そして、待ち合わせ当日の川崎駅。野間口さんは時間に20分遅れた上にその間まったく連絡がありませんでしたが、既にそういうことができないタイプだとわかっていたので、深く触れずに二人でファミレスへ。僕もできないので大丈夫です。

 実物の野間口さんは、外見はTVタックル時から多少痩せて落ち着いた様子に。いざ口を開けると止まらないマシンガントークが炸裂しますが、ずっと喋ってくれるオタクは結構好きです。何でも話す分、裏表がなく文章と同じく率直な意見がでる印象。

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 因みに、目的地であるゲームセンター「ウェアハウス川崎」は、見ての通り九龍城をモチーフに作られておりまして、今ではすっかりインスタ映えを狙ったカップルたちで入り口が溢れかえっている。

 個人的に九龍城について調べていた時期があり(主にクーロンズ・ゲートの影響)、既に何度か足を運んだことがあります。中もゴチャゴチャとした九龍城の風景が再現されているのですが、狭い世界で必死に暮らすスラムの生活感に、インスタ映えのためにやってきた平和な日本人カップルが混じるカオスさは皮肉が効いていて素晴らしい。

「九龍城探訪」、名著です。

■オタク代表としてテレビ出演したせいで大炎上し人生がメチャクチャになった野間口律さんに、当時の心境と今を訊いてみよう!

 ファミレスに到着すると、野間口さんから開口一番に「にゃるらさんが押上付近を散歩した記事ありましたよね? あれに書かれている電車の情報間違えているので修正した方がいいですよ。自分も結構鉄オタなんで、他の面倒が鉄オタが絶対怒ってくることわかるんで」とnoteに対してお叱りが。申し訳ない。

 気を取り直して、早速あのTVタックルオタク事件について訊いていきましょう。

にゃるら:早速ですが、どういった経緯でTVタックルにオタク代表として出演したのでしょうか?

野間口:散歩中、駅前にテレビの取材班が目に入って、珍しいなと思って話しかけたんです。それから流れで「こんどオタクに対しての特集をするので出演しないか?」と訊かれて。

にゃるら:失礼な言い方ですが、自業自得な流れだったんですね。あの時代にオタク代表を名乗るのは、虎の尾を踏むような真似ですし。そこはテレビの編集でそのようになったんでしょうけれど。

野間口:だね。恐らくあと二人はしっかりVTRなど用意されていたので、テレビ側から誘った知名人だと思う。自分だけ一般人で、話すことも決まっていないから艦これの話とかしちゃって。それで痛い感じに。

にゃるら:放送時に環境は変わりましたか。

野間口:すごかったよ。いかにも仕込みのオタクだって思われたから、特定騒ぎとか怒りをぶつけられたりとか、ネットの標的に。出演料が5000円だったんだけど、周りからは「5000円で人生を売った男」って呼ばれてた笑

にゃるら:等身大のオタクとして話したら、逆にオタクっぽすぎて仕込みと疑われた……悲劇ですね。

野間口:卒アルとか住所まで晒されて。実際に嫌がらせとかはなかったんだけどね。親にも「なんであんなものに出たんだ!」って怒られたよ。息子がオタク代表になったからか、しばらく欝気味にまでなった。あと、当時所属していたアニメ同好会に行けなくなったね。

にゃるら:今だと住所割れると直接嫌がらせされる可能性までありますからね。

野間口:ネットの電話帳サービスとか駆使すると簡単にわかっちゃうからね、住所。会社に内定していたけど、それもテレビ出演を機に切られて。そこから一年半はニートしてましたよ。弁護士に辞退届け書かされたなぁ。まあ内定先が体育会系なところだったんで、そこまで気にはしませんでした。

にゃるら:視聴者側からは、Twitterのアカウント消しちゃったな程度までしか観測していなかったので、現実世界にまで尻が来る騒ぎになっていたとは知りませんでした。どうやって立ち直りました?

野間口:三ヶ月くらいしたら誰も話題にしなくなったからね。自然とおさまった。身内のQMA界隈はずっとネタにしてきたけど笑。

にゃるら:人の噂も七十五日。ネットの良いところと悪いところですね。今は当時についてどう感じています?

野間口:バカやったなぁと。たまに自分のキャプ画像が流れてくるから、その度に懐かしくなるね。今では良い思い出だよ。

にゃるら:話していて、今どき珍しくオタク故のつらさを一身に背負っているなぁと感じました。この時代って、オタクも一般人に適合していく術を学んで臭みを消すようになってきたと思いますし。

野間口:でも、QMA界隈ってこんなんだらけだから。みんな性格悪くて陰湿だし笑。そもそもQMAを通して高校時代には既に掲示板に本名とか晒されてたし。

にゃるら:QMA界隈にはどのようか方が?

野間口:60近い夫婦でプレイしている人とかいるよ。後はドルオタや声オタも兼ねているタイプとかも。相手の本名をバラしてダメージ与える戦法使うやつとかもいる。

にゃるら:歴史ある作品ですから、その分濃い方が多そうです。新規があまり入ってこなさそうですし。

野間口:そうだね。だからグリムアロエで話題になるのは単純に嬉しい。界隈以外でQMAの話題にならないから。ぜひ、にゃるらさんにも限界集落と化したQMAの地獄っぷりを堪能して欲しい。

にゃるら:わかりました。お話ありがとうございます。それでは、細かいこと考えずに遊びましょう。

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 そして二人仲良くウェアハウス川崎へ。神奈川県でもトップクラスの台数を誇り、平日昼間でもそれなりに埋まっております。

 十年プレイしてきただけはあり、野間口さんの指の動きは化物としか形容し難い速度に。アニメ・ゲームのジャンルで多少役に立ったりしながら、まったり遊びました。

 しかし、部外者視点だとオタクが一瞬ネットのオモチャにされてネタ画像が流行したという認識だったものが、当事者からすると人生が大きく変わるレベルで大事になっており、更にはそこまでメチャクチャにされたのに数ヶ月で飽きられたとなってはなんとも残酷なお話。

 因みに、それからも野間口さんは毎日LINEでQMAの話をしてくるので、今は数週間の連絡禁止で距離をおいている状態です。取材、ありがとうございました!

以下、感想と日記。

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