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仕組みづくりの名著―『生きのびるための事務』が面白かった

坂口恭平さんの『生きのびるための事務』という本がとてもとても面白かった。


書評記事も書いたので、詳しい内容はそちらでお伝えしたいのだが、今回のnoteではもう少し個人的な感想を書いてみたい。

それにしても、内容の感想に入る前に『生きのびるための事務』という本が売れていること自体、すごいなあ、いいことだなあ、と読み終わってからなんだかグッときてしまった。もちろん、『生きのびるための事務』がなんで売れているのか、どういうつくりが良かったのか、自分なりに考えることはある(といってもそれが正当かどうかはわからないので有料部分で語る琴にする……)。しかし書店を見渡してみれば、千葉雅也さんの『センスの哲学』とか、坂口恭平さんの『生きのびるための事務』とか、宮島未奈さんの『成瀬は天下をとりに行く』とか、あとは文庫化された『百年の孤独』とか、なんというか、一見よくわからないけどしっかりしたものが詰まっている本が売れててすごい、という気分になってしまう。うーん、ほんと、読者を舐めてはいけないということを書き手として最近しみじみ思う。キャッチーなだけで売れる時代じゃないんだよ……! 

で、『生きのびるための事務』である。

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