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熱量, 7, 割の男はナビ搭載膝枕の夢を見るか

膝枕リレー1周年おめでとうございます。
コロナ災、自宅待機中に楽しい時間をくれた今井先生とゆかいな膝仲間たちに海より
も深くかんしゃです。


「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」という70年代の有名なSF作品があります。
何年か前に読んだのですが、内容を全然覚えていません。ただ、人間みたいなアンド
ロイドが出てくるのに、カタログは紙媒体なのか」という妙な突っ込みをした印象だ
け残っています。

ちなみに「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のアニメは見ていません
でした。

ちなみに私はさしずめ中年ネコ野郎というところでしょうか。なまねこなまねこ


あまたある綺羅星のような2時捜索も朗読したいのですが、準備が見える人の何倍も
かかるので、全然読めていません(涙)
その中で、唯一読ませていただいたのが、サトjunさんの「熱量7割の男」。
それもあって、いつか彼をメインにした話を書きたいと思っていました。

相変わらず著しく拡張が低い上、誤字脱字もあるとは思いますが、そこらへんは生暖
かく見逃してくださいませ。

あちこちパクリまくってしまって、もうどこに向かって頭を下げていいかわからん状
態です。

不調法ものですが、今後ともどうかよろしくお願いいたします。


以下膝枕リレーに関するあれこれのコピペです。

2021年5月31日からClubhouseで朗読リレー(#膝枕リレー)が続いている短編小説「
膝枕」(通称「正調膝枕」)の派生作品となっております。

二次創作noteまとめは短編小説「膝枕」と派生作品を、朗読リレーの経緯、膝番号、
Hizapedia(膝語辞典)などの舞台裏noteまとめは「膝枕リレー」楽屋をどうぞ。

こちらはマメな彼が作ってくれたリットリンクのアドレスです。ところでリットリン
クって何だ?
https://t.co/1zQv8iWsUK



熱量7割の男はナビ搭載膝枕の夢を見るか

休日の朝。打ち込める趣味もなく、その日の予定も特になかった遠距離恋愛中の男は
、チャイムの音で目を覚ました。

ドアを開けると、宅配便の配達員がダンボール箱を抱えて立っていた。オーブンレン
ジでも入っていそうな大きさだが、受け取りのサインを求められた伝票には「枕」と
書かれていた。

「枕」

男の声が喜びに打ち震えた。

「受け取ってもらって、いいっすか?」

配達員に急かされ、男は「取扱注意」のラベルが貼られた箱を両腕で受け止めると、
お姫様だっこの格好で室内へ運び込んだ。

はやる気持ちを抑え、爪でガムテープをはがす。カッターで傷をつけるようなことが
あってはいけない。箱を開けると、女の腰から下が正座の姿勢で納められていた。届
いたのは「膝枕」だった。ピチピチのショートパンツから膝頭が二つ、顔を出してい
る。


それは数か月前のこと。男が町のソバ屋でカレーうどんのぼっちメシを食べていた時
、漫然と流れていたラジオの音からある5音節が耳に飛び込んできた。

「ひざまくら」。男はこのワードを選択的に聞き分ける耳を持っているのだ。

「えっ?!hizamakura.com」ヒザマクラドットコム、膝枕ドッと混む?!

箸を止めた男は、今話題のディストピア世界を描いた近未来SFの金次郎・・、いや、
金字塔、今井雅子女史の「膝枕図書館」のラストシーンを思い出していた。
諸悪の根源として回収された膝枕たちが一部屋にあつめられる。
膝枕過密状態。膝枕でドッと混む。

いやいや、そんなアホな事を考えているばやいではない!膝枕カンパニーの開発者と
しては聞き捨てならないゆゆしき事態である。もしかして、ライバル会社?!

男は更にその先に耳を傾ける。

「なにー?!ナビ搭載膝枕だとー?!」

男は箸を投げ捨てると、さっさと会計を済ませ、脱兎の勢いで帰宅した。


hizamakura.comは、昨今の膝枕ブームに乗っかった後追い会社。新製品、ナビ搭載膝
枕はナビコという商品名らしい。

そこそこの高値ではあったが、好奇心を抑えられなかった男は、買わないで後悔する
より買って反省とばかり、勢いのままナビコをポチった。


そして今、一日千秋の思いで待ちわびていたナビコが男の家にやってきた。

男が商品を恭しく取り出す。見た目は自社製品とほとんど変わらない。
「何だ?ウチの丸パクりか?!」

男は、箱から取り出した膝枕を興味深げに触ってみる、ふと見ると段ボールの底にQR
コードがついたパンフレットが入っていた。。自社製品にはないものだ。

男はパンフレットに印字されていたQRコードを読み取り、アプリをインストールする
と…それは、起動した。

どこかで聞いたことのある起動音と共に、膝枕が喋りだしたのである。

「OS起動、音声ソフト起動、ロードします…システム起動しました。私は製造番号51
13。膝枕ナビコです。どぞよろしくお願いいたします。」

人間で言う下腹部辺りに、スピーカーがあると思われる。

「私は、膝枕ナビコ。初期設定スタートします。ユーザー設定に入ります。マスター
の名前を教えて下さい」
「おお、マジしゃべった!」
思わず口から飛び出す。
「おお、マジしゃべった様でよろしいでしょうか?」
「いやいや、違う、違う」
「おお、マジしゃべった様で登録いたします」
「おい、修正は聞かんのかい」おもちゃに対してむきになってしまった。

「じゃあ早速、膝枕させてもらおうかな」
しゃべろうがしゃべるまいが、頭の載せ心地が膝枕の肝である。
男が横になろうとしたとき、唐突にナビコが喋った。

「膝枕以外の機能をお試しになりますか?
ナビコです。ナビ機能搭載膝枕、ナビコです」
「家の中でナビ必要ないしなー」
体を起こした男がぼそりとつぶやく。
「1メートル先、玄関です」
「うん。知ってる」
「ナビコです。ナビ機能搭載膝枕、ナビコです」
「わかったわかった。とにかく、いきなり膝枕はイヤなんだね? じゃあおしゃべり
でもする? 最近ちょっと元気がなくて」

男は先日の開発会議を思い出した。
満を持して提案したVR膝枕が予算オーバーという事で、無情にもバッサリ却下された
のである。
「ああ、社長賞も狙えるとおもったのにな・・。」

「ありがとうございます。ナビコは元気です」
ナビコの声が男の回想をぶち破る

「いや、俺の元気が」
「おお、マジしゃべったさんの元気がない。それは異常です」
「え?」

男はあっけにとられる。もう膝枕どころではない。

「おお、マジしゃべったさんは異常です」
「ちょっとーナビ子ちゃん、元気ない人追い込んでどうすんの?」
「ナビ子、追い込みに成功しました」
「ほめてないよー」

男ははたと冷静さを取り戻した。
膝枕とマジで何会話してるんだ、自分?!第一膝枕って癒しグッズだろ?!ユーザー追い
込んでどうするよ!!それよりなにより膝枕してくれないなんてもはや膝枕じゃないじ
ゃないか!!

甘すぎる、作りが甘すぎる!ユーザーのニーズを把握していない!やはり二番煎じは二
番煎じだ。しゃべる膝枕というアイデアは評価に値するが、hizamakura.com、まだま
だわれらの敵ではない!

喋る膝がなんぼのもんしゃい、膝枕は膝枕できて初めて膝枕なのだ!!
膝枕多すぎww

男はVR膝枕のアイデアの練り直しを決意した。今度こそ社長賞GETだ!!


熱量7割だった男の熱量はすでに10割を超えようとしていた。

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