#24 『岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 』を読んでみて
こんにちは。なびです。
今回紹介する本は任天堂の元代表取締役社長のあの方に関する本です!
【読んだ本】『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』
【著者】ほぼ日刊イトイ新聞
【発行所】株式会社ほぼ日
【初版】2019年7月30日
ーーなぜ読もうと思ったか
「任天堂」→「岩田さん」→「すごい」といった、界隈の人から怒られそうな雑な意識しかなく、「あれ、岩田さんってどんな人なんだろう」と思った際に、まさにこの本が目に飛び込んできましたw
これはもう読むべくして読まねばと思い、その場でポチり。
ちなみにITエンジニア本のビジネス部門のベスト10に本書が選ばれています。
ーーどんなことが書いてある?
タイトルの通り、本書は任天堂の元代表取締役社長である岩田聡さんに関してまとめられた本です。本の最初にこう書かれています。
この本は、ほぼ日刊イトイ新聞に掲載された岩田聡さんのことばを再構成したものです。また、ことばの一部は任天堂のウェブサイトに掲載された「社長が訊く」からも抜粋しました。
様々なエピソードを交えながら、岩田さんが残した言葉を紹介しています。本書の中にある言葉の多くは、すでにインターネット上で検索して出てくることばかり(岩田さんがあまりに有名なので)ですが、こうして一つの本にまとめられることに意味があると説いています。
本書で書かれている語り口はあまりにも柔らかく、岩田さんのキャラクター性が伝わってきます。文章を読むことで、「文字だけでは伝わらない」岩田さんのスタイルがひしひしと感じることができる、そんな本です。
ーー印象に残ったこと
この本は任天堂で有名なエピソードが多数収録されているので、ファンの人には非常に盛り上がれると思います。知らなかったエピソードを知ることで岩田さんだけでなく、HAL研究所や任天堂に親近感を抱くことができます。
たとえば、ニンテンドーDSやWiiの開発秘話や、「スマブラ」の特殊性、「メイドインワリオ」が果たした重要な役割、など誰もが知っているハードやソフトの裏話が出てきます。ゲームに込められた制作者の意思を感じ、いつもよりもゲームを楽しめるかもしれません。
しかし、この本が特出していることは、こういった「エピソード」ではなく岩田さんの「考え方」なのではと思います。エピソードから読み取れる岩田さんの「考え方」こそが本書で読むべきコンテンツだと感じました(なぜITエンジニア本の「ビジネス部門」にランクインしたかを考えると当たり前か。。w)
例えばこんな話。
不満を持っている相手は、不満がたまっていればたまっているほど、まずその不満をこちらが聞かないと、こちらの言うことは耳に入らないですよね。なにかを言おうとしたのに、口をさえぎられて「それはこうだよ」と言われたら、「あぁ、この人はなんにもわかってくれない」と思って当たり前ですよね。ですから、言いたいことは言ってもらいますし、言いたいことを言ったあとだったら、ある程度、入るんですよ、人間って。(中略)人が相手の言うことを受け入れてみようと思うかどうかの判断は、「相手が自分の得になるからそう言っているか」、「相手がこころからそれをいいと思ってそう言っているか」のどちらに感じられるかがすべてだとわたしは思うんですね。ですから、「私心というものを、どれだけちゃんとなくせるのかが、マネジメントではすごく大事だ」と、わたしは思っている
まさに岩田流のマネジメント論と言えるような重みのある話です。この辺りを理解している人はそんなにいないのではと思います。。。この話は組織形成に重要であると言われている「心理的安全性」に通じるところがあるように感じました。
他にもこんな話をしています。
世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、そうするとすごくアンハッピーになる人もたくさんいると思うんです。だって現状をつくりあげるために、たくさんの人が善意と誠実な熱意でやってきたわけでしょう? 不誠実なものについて現状否定をするのはいいと思うんですけど、誠実にやってきたアウトプットに対して現状否定をすることは、やってはいけないと思うんです。
これは社内に限らず日常やプライベートにも展開できる至言だと思います。エンジニアだからこそアウトプットには自分の誇りを持っている、持っているからこそ、そのアウトプットに対して敬意を払う必要がある、と。
敬意という言葉に関して、別の段落ではこう述べています。
誰かとつながりながら、何事かを成し遂げようとするとき、自分以外の人たち、別の意思と価値観を持って動いている人たちに、「敬意を持てるかどうか」っていうのが、ものすごく大事になってくるとわたしは思ってるんです。(中略)自分にはないものをその人が持っていて、自分にはできないことをやっているということに対して、敬意を持つこと。この敬意が持てるかどうかで、働くことに対するたのしさやおもしろみが、大きく変わってくるような気がするんです。
岩田さんという方がどんなに「人を大事にしているのか」ということがよく伝わってきました。HAL研究所や任天堂がどのようにして様々な成果を残し、この世にすばらしいプロダクトを生み出すことができたのか、その片鱗が分かったような気がしました。こんな上司や社長の元であればのびのびと働くことができるでしょう!
ーー本書を読んで
任天堂は素晴らしいプロダクトを世の中に提供し続けています。そのようなことができる原動力や根幹は一体何なのかが分かるかなあという淡い期待を元に読んでみましたが、なるほどと思わせることが多々ありました。岩田さんというお方、名前を知っているだけというニワカにも程遠い自分でしたが、早速ファンになりそうですw
そんな任天堂は顧客を大事にすることでも有名ですよね。
従業員を大切にしてきた岩田さんの意思は従業員に伝わり、「お客さん」を大切にする。そうやって成長してきた組織は本当に素敵だなと思います。組織が成長する上で「お金」的な側面はあったとしてもそこを全く感じさせないところ、岩田さんはさすがだなあと思いました。
ゆくゆくは自分も部下を持ったり人の上に立つ立場になるかもしれません。その時は岩田さんの言葉を思い出しながら、「楽しんで」仕事をやってみようかなと思いました。久しぶりに「いい話を聞いたなー」と思える本でした!
いつも読んでくださりありがとうございます。
それでは!
TOP画像はAlexas_FotosによるPixabayから引用
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