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サークルと部活って何が違うの?(名古屋の大学編)

春から愛知県の大学生になる方、合格おめでとうございます。

今回は、当会に寄せられた質問のうち「サークルと部活って何が違うのか、各種大学の制度、両者のいいところ・悪いところなど」をデータ、規則、個人的な主観も交えてお話しします。なお、関東の大学編は後日記事にする予定です。また、インカレサークルについても後日記事にします。

(今回の達成目標)サークル、部活の違いが理解できるようになる。

●まず、サークルって?

サークルという言葉を辞書で調べてみると…


文化・芸術・スポーツなどの同好者が集まって活動すること。特に、大学の同好会活動。               大辞林 第三版より出典

なので、人が集まって何かをすれば、それはサークル活動といえます。「何」をしても集まって活動すれば、OK。例えば、「全員で帰宅が活動」でも(例:名大帰宅部)いいんです。また、サークル活動の中心になるメンバーの属性から、会社サークル、社会人サークル、学生サークルという風に、○○サークルと呼ぶのが普通です。また、インカレサークルというのもあります(intercollege:インターカレッジ、略してインカレ。1つの大学だけでなく、複数の大学生が所属する団体)。ここでは学生サークル(以下、単にサークルと言います)を中心に説明していきます。

●大学の部活はサークルの進化形

日本では部活について明確な定義があります。以下の定義に基づき、大学などの教育機関は内部規定を定めています。

「部活動は、学校教育活動の一環として、スポーツや文化、学問等に興味と関心をもつ同好の生徒が、教職員の指導の下に、主に放課後などにおいて自発的・自主的に活動するもの」      中学校学習指導要領より抜粋

ここで注目してほしいのは、部活は単に学生が集まっただけでは「名乗ることができない」ということです。単に人が集まったサークルが、部活になるためには、①人が集まっている、②教職員の指導がある、③自発的に学校教育活動の一環となりえる活動をする、という条件がフルコンプリートされていなければなりません。現実に②の教職員の指導があるということは、大学からの何らかの関与があるということを表しています。

今日の目標、サークルと部活は、サークルには②と③がなく、部活には②と③があるという点が違うのです。

そこで、皆様にはこんな疑問が出てくると思います「なんでサークルは、部活になるの?、どうしたらなれるの?」。これについて次に説明します。

●団体運営側から見た利益(余談)

※この記事をご覧になられる多くの方が、サークルや部活に入り、ゆくゆくは、後輩を指導する立場になると思います。ここと次の部分は、入学前はよくわからないと思いますので、軽く読んでもらえればと思います。

団体を運営していくということは、楽しいこともありますが、同時に高い壁が立ちはだかる事があります。特に運営計画者が最初悩むこととして、①どこで活動しようか、②機材はどうしようか、③どれくらいの人に活動に参加してもらうか、④お金の工面をどうするか、⑤週何回活動しようか…です。バイトも学業も忙しい学生にとって、①から⑤までの悩みをすべて一人で解決することはかなり難しいです。これを解決するために大学が出てきます。

大学は学生の活動を支援するために、①活動場所を提供し、②機材を準備し、③広報活動に協力し、④お金を支援し、⑤計画に助言をすることがあります。大学側が支援する理由は、団体の活動が活発になれば、学生が大会で優勝し又は取材され、大学の知名度(ブランド戦略)が上がり、結果、入学者が増え、授業料で儲かる利益があるからです。しかも学生が勝手に行うことなので、大学の方は何か戦略を立てる必要もない。まさに「濡れ手で粟」なのです。反面、もし大学が支援している団体が、問題行動を起こし、テレビに報道されたら…入学者は、目も当てられないことになるでしょう。

そこで大学は、団体を作りたい学生に対して、①~⑤を提供する代わりに、管理監督のために様々な条件を設定し、条件を満たした団体を部活動として認定しています。また部活動にも、大学側の支援の内容に差を設けるため(例えば、部室が使用できる、支援金がいくら貰えるか)、ランクを2~3つ程度に分け、ピラミッド状に配置するのが通常です。よくあるのが、指定強化団体、強化団体、体育会・文化会所属のみの団体、の3つランクがあるパターン(名城大学等)、公認・準公認団体など、2つのランクがあるパターン(南山大学、名古屋学院等)です。ここで体育会や文化会というのが出てきましたが、これらは部活動同士が連絡するための協議会と思っておけばよいでしょう。要するに、部活動に認定されれば、①~⑤の悩みは大方解決されてしまうのです。

●部活動になる要件は厳しいものも…

支援金がもらえ、活動場所にも困らない。部活動に認定してもらえれば、いいことばかりに思えるかもしれません。しかし、そう簡単には部活動に認定してもらえません。以下、各大学で差があるものの、愛知県内大学で部活動に認定されるために必要な条件の代表的なものを記載しておきます。

1、教育目的に沿う内容であって、学生の学業の支障にならない。2、部員が当該大学の学生だけで10名以上いる、3、営利性がない、4、活動開始から5年以上である、5、部長、会計、監査の3役が配置されている。6、顧問として当大学の教員が指定されている。7、他大学を中心に活動するものではない、8、年間の活動計画について年初に提出する。9、部室棟の掃除当番についてシフトを組む、10、年間に登録料を支払うなどです。

代表的な問題となるのは、「創部から5年は部活動になれない」部分で、新規のサークルは部活動要件を満たさず弾かれます※2。また、学生が計画している活動が、チケットを売るような活動であったり、たまにしか活動せず、トイレ掃除「NG」と考える団体は、そもそも部活動が適合しない。ということになります。すると、そういった部活動にならない団体は、一切大学の支援を受けれないということになります。

●部活動=安全という認識は間違い

部活動に登録されている団体は、大学から支援を受けるために、先に挙げた条件に適合する必要性があるため、なるべく問題行動を起こさないようにするインセンティブが働きやすいといえます。ですが、部活動の団体でも、スポーツ系(広告、ミスコン系を含む)の団体では、先ほどの条件はどれも達成するのが容易なので、そこまで意識しなくても条件が達成され、問題行動に対する抑制効果があまりない事があります。関東編でも取り上げる予定ですが、愛知県においても、アルハラ(飲酒強要)が発生した団体は多くは「運動系」のサークルであるという事実があり、鶴舞公園で搬送される学生のほとんどは体育会系の団体であるということは指摘しておきます(興味のある方は、中日新聞の記事などを検索してみるといろいろ出てきます。)なので、部活動は安全という認識は間違いで、全ての団体で、危険に対処して自分の身は自分で守っていかなければならないということです。

(補論)サークルは、大学で活動できるのか?

部活動にならなかったサークルですが、どれくらいの量があるのでしょうか?その数は、愛知県内の総合大学では正規の部活動団体の3倍程度の量があるとされます。なぜ、ここまで数が多いのか。結論を言うと「別に部活動にならなくても普通に活動できる」からです。NUVAもそうですが、部活動になると、声優やアニメイベントの開催などの活動が制約されるためにあえて部活動にはなっていないのです。他にも、部室について管理が面倒だったり、多くの大学では部室に空きがなく、仮に部活になっても部室がもらえないのでメリットがない、顧問がいないという点が、部活動にならない理由に挙げられます。また、最近では大学がサークルの行為も管理したいため、サークルにも部屋の貸し出しを認めるところがあります(南山、中部、中京など)。教室が使用でき、付属機器も使用できるので、部活動になる理由が薄いのです。

(補論2)サークルの見つけ方

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。最後にサークルの見つけ方を教えます。部活動は、大学のHPに掲載されており、検索が楽ですが、サークルは一部の大学(名学等)を除いて掲載されていません。やはり、Twitterやインスタグラムで検索するのが良い手だと思います。


※2 中部大等一部の大学では、年数要件に加えて「準公認団体で~年間継続し」というような進級要件を賦課するところもある。

※3 本件では、話の都合上、部活はサークルの進化形と記載しているが、実際には大学の発足時に大学が主体となって発足した部活動もある。

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