第1回公認心理師試験 問題5と解説

問題5

オペラント行動の研究の基礎を築いたのは誰か。正しいものを1つ選べ。
① A.Adler
② B.F.Skinner
③ E.C.Tolman
④ I.P.Pavlov
⑤ J.B.Watson

解説5

条件づけは、パブロフが明らかにした古典的条件づけと、スキナーが明らかにしたオペラント条件づけに分けられる。

古典的条件づけは、環境への反応の仕方を調節するものであり、犬に餌を与えると同時にブザーを鳴らすと、ブザーを聞いただけで唾液が出るようになるというのがその例である。その一方、オペラント条件づけは、環境に働きかける行動を調節するものであり、ラットが餌を得るためにレバーを押す、という動作を強化するような条件づけが例として挙げられる。「いい行動を褒めると、その行動は増える。」、「悪い行動を叱ると、その行動は減る。」というのもこれに当たる。

ちなみに、実験によって明らかにされたこれらの理論を治療法として発展させたのは、アメリカのウォルピラザルス、イギリスのアイゼンクなどである。過剰な条件づけに起因する不適応行動には、系統的脱感作法(逆制止法)、フラッディング法、嫌悪療法など負の強化法を行い、その一方で、条件づけの不足や欠如に起因する不適応行動には、主張訓練法、漸次的接近法(シェイピング法)、トークンエコノミー法、バイオフィードバック法、モデリング法などの正の強化法を行う。

よって、オペラント研究に一番関係のある②のスキナーが正解となる。

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