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学びを続ける、旅と人生

それは散々な旅だった。

二十代の頃、当時の恋人と、休みを合わせて初めての旅へ出た。
行き先は京都。「大人の旅っぽいね」なんてはしゃぎながら、目的地に到着したところまでは、何の問題もなかったのに。

一日目。京大生の御用達、進々堂は、祝日による定休日のずれ込みで閉まっていた。
二日目。嵐山の暑さと混雑によって気分が悪くなった私は、彼の膝枕で介抱される羽目に。
三日目。私の寝坊が原因で彼が行きたかった清水寺に行けなくなった。代わりに立ち寄った銀閣寺では、新幹線の時間が迫り、美しい新緑の中を二人で競歩。

「ねえ、楽しかった?」

京都駅のホームで、我慢しきれずに聞いた。そんなわけないよね、と心で呟きながら。
すると彼は、憮然とした表情で言った。

「勉強になったよ」
「は?」
「あなたとの旅行ってこんな感じなんだね」
「……」

……

今、夫と行く旅は楽しい。
始まりの旅からはや十年。私も彼も、互いにこつこつ勉強を重ねた結果だろう。

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