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看護師の新しい働き方を目指す!30代からのチャレンジ

看護師と聞くと安定した職業と思う人は多いのではないでしょうか?
しかし夜勤や休日出勤、そのうえ子育てとの両立は容易ではありません。そのような働き方に私はずっと悩み、疲弊していました。ある日、子どもから言われた

「何でお母さんは家で仕事できないの?家にいてくれたらいいのに」

という言葉に考えさせられ、「笑顔で子育てしたい!」と働き方に一念発起。
心と体に余裕のある働き方を目指して、私のチャレンジは始まりました。


両立の不安で葛藤する日々

私は、一歳から子どもを保育園に預け総合病院でずっと常勤で働いてきました。病院では子どもが就学するまでは夜勤免除。それでも残業や土日勤務はありました。夜勤はなくとも子どもを育てながら常勤として働くことは難しく、辛い日々でした。子どもが就学し夜勤が始まった時、子育てと仕事の両立に不安が強く、自信もありませんでした。次第に、夜勤のない職場への転職を考えるようになりました。

病院でキャリアを積みたい気持ちはありましたが、子どもが就学する前に夜勤のない高齢者施設へ転職。夜勤はなく定時で退勤でき、子育てと仕事の両立はしやすい環境でした。しかし、介護業務中心で、看護師としてのやりがいを感じることができず。このまま施設の看護師としてなんとなく働き続けるのは嫌だと感じるようになりました。せっかく在宅の現場に身を置く以上、介護保険制度についてもっと勉強し、在宅で暮らす人の支援ができるよう知識を得たいと考えました。そして、介護支援専門員の資格を取ろうと決意し、受験、資格取得を機に在宅看護への関心が高まり訪問看護への転職を決めました。

 
転職経験から得た「働き方を変える」考え


子育てと仕事を両立するために、私はライフスタイルに合わせ何度か転職を経験してきました。
訪問看護は休日出勤とオンコールはありましたが、夜勤はないため病院勤務よりも子育てとの両立はしやすいとはじめは思っていました。入職当初は面接時に聞いていた通りの条件で、比較的働きやすい環境でした。しかし徐々に患者数増加。さらに医療依存度の高い患者も増えたことで、休日出勤やオンコールの頻度が多くなり疲労を感じる日々。やはりここでも子育てと仕事の両立の難しさに悩みました。
総合病院から高齢者施設、そして訪問看護へと転職を経験するもなかなか私自身の中にある問題は解決せず。このまま続けていくかどうか悩んでいました。

 

働き方を変えるきっかけとなった子どものひとこと

新型コロナウイルスの流行により、私の周りは続々と在宅勤務になりました。緊急事態宣言の発出とともに子どもは休校となり、家で過ごす我が子から「何でお母さんは家で仕事できないの?家にいてくれたらいいのに。」と言われました。その言葉を受け、私は今まで子どもにたくさんの我慢をさせてきたのだと反省。転職を繰り返し、子どもといる時間を確保してきたつもりでいましたが、十分ではなかったことに気づきました。より一層ワークスタイルを変える方向に気持ちが動きました。もちろん、収入が激減することは大きなネックではありましたが、子どもと過ごす貴重な時間は今しかないと考え、思い切って、常勤から非常勤へワークスタイルをチェンジ。非常勤となったことで勤務時間短縮、土日出勤もなくなり心にも体にも余裕が生まれました。しかし、収入が減った分を少しでも補える方法はないかと考え始めるようになりました。

 

看護師を続けながらセカンドキャリアを目指す

何かをするといっても外に働きに出ては今までと同じこと。何か在宅でできることはないかと模索しているときに出会ったのが、看護師ライターとしてフリーランスで活躍する一人の女性。ライターだけでなく、大学や専門学校の講師や本の出版などさまざまなフィールドで仕事されています。看護師としてそんな自由な働き方があるなんて夢にも思いませんでした。
20代の頃は定年まで看護師として働き続けることになんの違和感も抱いていませんでした。病院や施設で働き、さまざまな人の生き方をみる中で、自分がいつまでも健康で働き続けられる保証はないことや、いつ親の介護をしなければならない状況になるかを考えるようになりました。そして追い打ちをかけるようにやってきた今回のパンデミック。在宅を考えるきっかけは息子のひとことでしたが、子育てが終わってもいつ何が起こるかわからない。先の読めない時代だからこそ、看護師として今の仕事一本で働き続けていくのは不安が大きいと感じました。

                                                                                                       

働き方は一つじゃない!フレキシブルな働き方をめざして

今まで、看護師として病院や施設に勤務する以外に働く道はないと思い込んでいました。しかし、子どもの言葉やフリーランスで働く看護師に感化され新しい道に進んでみようと一念発起。私の目標は、訪問看護師として働き続けながらもライターとして活動をすることです。訪問看護を続ける理由は、常に現場に身を置くことでよりリアリティのあるものを人に届けたいからです。病気や障害があっても、最期まで住み慣れた家で過ごしたいという人は増えています。利用者の生活に寄り添い、じっくり向き合う看護ができる訪問看護はとてもやりがいを感じられる現場です。
まだ、スタートラインに立ったばかり。ライターとしての道はこれからですが、仕事をしながら執筆の勉強をすることは楽しく、今はとても日々充実しています。仕事と子育ての両立に悩み、苦しみもがいていた当時からは想像もできません。新しいことを始めることや人と違った生き方をするには勇気が必要です。もちろんうまくいかないこともあるでしょう。でも、まず一歩踏み出さなければ何も始まりません。「大人になっても一生勉強」をモットーに私はこれからも全力で走り続けたいと思います。


【この記事を書いた人】


 【profile】東 恵理(あずま えり) 
看護師、保健師、介護支援専門員・経歴:国公立大学看護学科卒業後、総合病院にて手術室、外科病棟経験。その後、小規模多機能型居宅介護施設へ。在職中に介護支援専門員資格取得したことをきっかけに、「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と願う人の気持ちに寄り添える看護がしたいと訪問看護へ転職。現在、訪問看護で非常勤として働きながら看護学校非常勤講師や介護士向け研修の講師を務めている。
Twitter:@erirose11



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