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短歌がつなぐもの、つながれるもの

「ヒュー!日向 マッチング短歌 Final」が開催されています。


昨年もいくつか投稿したものの、返歌については詠み方が分からず、皆さんの素敵さに惚れ惚れするのみでした。

今年、寂しすぎることにFinalということで、知恵と勇気を振り絞って考えているのですが…

楽しいですね!

元の歌があるのでイメージが具体的だし、そこから少し踏み出すといい感じの歌になる。

これまで返歌したものを見返すと、初めの頃はキーワードを拾っただけで散文的だったものが、ちょっとずつ短詩形となり、世界を広げられているような気がします。


私が初めて短歌をつくりたいと思ったのは、10年ほど前のことでしょうか。胸に詰まったものを歌に託したものです。

それでも勢いだけでは思うにまかせず、つくったりやめたりを繰り返していた頃、偶然、いくつかの口語短歌をまとめたサイトを見つけました。


あきらめた夢のひとつもある方が誰かに優しくなれる気がする/柳澤真実

パレットにあるだけ絵の具を出してみてなにも描かないような休日/天野慶

ありがとういつも一緒にいてくれてたまに一緒にいないでくれて/佐藤真由美

ありふれた歌詞が時々痛いほど胸を刺すのはなんでだろうね/加藤千恵

私には才能がある気がします それは勇気のようなものです/枡野浩一


そして、これらが、枡野浩一さんが提唱する「かんたん短歌」の系譜のものだと知りました。

この本を読んで、私は自分の居場所を見つけた気がしたのです。
自分が求めていたのはこれなんだって。


マスノ短歌教が連載されていたのは、1998年、1999年頃のようです。
果たしてそこから何周遅れで読んだのだろう、と思います。

リアルタイムでマスノ短歌教に出会っていたら、私の人生は、少し進み方が違っていたかもしれません。
しかし、現実としてそうはなりませんでした。

もし、ザ・スニーカーあたりで連載されていたら…とも考えますが、あまりにIf…が大きすぎます。

とはいえ、それを嘆いているわけではなくて、周回遅れを重ねてでも、この本と巡りあったことは私にとって幸運でした。

とりわけ、枡野さんが「自分の短歌をすべて暗記している」という一文には、強い感銘を受けました。


この3年間の「ヒュー!日向 マッチング短歌」をきっかけに、枡野さん、天野さん、脇川飛鳥さんなどの近況も知ることができました。

枡野さんと天野さんがマッチング短歌の撰者を務めてくださっていること、「かんたん短歌の作り方」の読者からすると、すごく嬉しいのです。

そして、柳澤さんにも連絡がついたとあり、なんだかとても安心しました。

これからも、短歌の世界にふんわり包まれていたい、そしてささやかでも何かをつないでいきたい、そう思っています。


「ヒュー!日向 マッチング短歌 Final」は明日まで。
素敵な出会いがありますように。


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