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本屋×サービス

第6章 本屋と掛け算する(11)

 本屋ではイベントや教室、読書会などに限らず、実はあらゆる形のないものを扱うことができる。本屋にはあらゆる本があるので、本屋の空間の中で、あらゆるサービスを隣接させることができる。

 たとえば、美容の本のコーナーの横にエステがあってもよいし、旅の本の近くに旅行代理店があってもよい。人生設計の本の横に保険屋があっても、占い館があってもよい。特に、店主が前職などで何らかのそうした専門性を既に持っている場合、単価や利益率も本とは大幅に違ってくるため、そうしたサービスを積極的に組み合わせることで、本屋を成立させやすくなる。

 また、雑貨の場合と同様に、読書という行為そのものと関連するサービスも考えられる。たとえば選書だ。近隣の図書館や大学の先生などに対して、注文を受けた本を届けるだけでなく、必要そうな本を選んで勧めるようなことは、これまでの新刊書店もやってきたが、それらは無償のサービスとして提供されてきた。しかし近年では選書それ自体でフィーを取り、小さな本の売場やライブラリーの選書や管理を行うような仕事も生まれている。

 他にも、本を毎月届けるブッククラブ的なものや、読書のためのアプリ、本の管理のための倉庫など、本や読書にまつわるあらゆるサービスを、本屋として開発する余地がまだまだ残されていると感じる。

※『これからの本屋読本』(NHK出版)P224より転載


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ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。新刊書店「本屋B&B」(東京・下北沢)と出版社「NUMABOOKS」を経営しつつ、「八戸ブックセンター」「神保町ブックセンター」「BIBLIOPHILIC」などの仕事をしています。散歩社取締役、バリューブックス社外取締役も。
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