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連続ブログ小説「南無さん」第十三話(後編)
https://note.com/num_ami_dabutz/n/n02d0de7aae9c (承前) 唐土より偉いお坊様が来るのだということで、なにやら都は騒がしい日が続いている。隠居風情とはいえ、清魔…
連続ブログ小説「南無さん」第十三話(後編)
https://note.com/num_ami_dabutz/n/n02d0de7aae9c
(承前)
唐土より偉いお坊様が来るのだということで、なにやら都は騒がしい日が続いている。隠居風情とはいえ、清魔羅は今もなお耳聡い。その僧正についてはひと月も前から知人らの口吻にたびたび上っていたため、何くれとなく知っている。
というのも実は、当の僧正が港へ着いたのがふた月も前のことなのだ。なんでも
連続ブログ小説「南無さん」第十三話(前編)
尿道の分裂が始まったのは、今よりおよそ1000年ほど前と伝わる。というのも、これまでその経緯は口伝に頼ってしか伝わってこなかったため、現代に至るまでに種々様々、宗門によって脚色され枝分かれしており、もはや史実の原型を明らかにすることはできなかったのだ。現在主流である表千摺家と裏千摺家の示すものはその門徒拡大のため活字となって久しくして世人の多く知るところではあるが、あくまで伝説の域を出ない。
た
連続ブログ小説「南無さん」第十二話
カチャーン。という音が屋敷中に響き渡り、庭で囀っていた雀にもこれは聞こえたらしい。彼らは驚いて塀の上へ飛び上がった。
しかし、南無さんの家には割れそうなものはもうないはずである。というのもすでに、いずれの茶碗も南無さんが己の雁首にひっかけてぐるぐる回しているうちに戸外へ飛び出して行って、待てど暮らせどひとかけらも帰ってこなかった経緯があるからだ。
カチャーン。カチャーン。
では何の音
連続ブログ小説「南無さん」第九話
師走、雪。静まり返った山中の境内に、ただひとつ響く音がある。
パアン、パアン、と数秒ごと、空を割るがごとき破裂音。草木を震わせ禽獣を目覚ますその音は日の出とともに始まり、鳴り続くことすでに一刻あまりが経とうとしていた。
先頃、麓の本寺での行を終えた僧が、末寺であるところの山中へ務めに参り上がろうとしたところ、やはりこの音に気がついた。
はて、一度は杣人の何ぞ生業と思ったけれども、木こ
連続ブログ小説「南無さん」第七話
時は平成、世は太平。
アスファルトは熱射を照り返し、南国もかくやとばかりに往来人の肌を焼く。
さながら地獄の様相で沸き立つ陽炎の奥、ビルの影から一糸とまとわぬその身をゆらりぬるりと現したるは、南無さんである。夏なので時流に合わせ、クールビズだ。
さて、かような日照りに半袖を選ぶ人間が多い中、なんの故にか暑苦しく胸元を締め、そのうえ上着まで羽織った黒装束の若者の姿を、さきほどから南無さんは目に