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中国広告紹介「中国の人気CMの主演はなんと日本人!?」

皆さん、こんにちは。株式会社ぬるぬるのIminです。

11月に入りいよいよ日本も中国も秋本番です。秋といえば日本では食欲の秋といわれますが、皆さんは旬なグルメを満喫していますか?
中国グルメと言えば、最近日本では“ガチ中華”なんて言葉も流行り始めていますが、日本でも人気がある中国料理といえば四川料理ではないでしょうか?
コロナが収束して機会があれば、是非本場の中国・四川省まで行ってみてください!
四川省に行く前に、今回ご紹介する「成都出張マニュアル」シリーズ動画を参考にすることをおすすめします!


こちらの動画は中国でも大人気の観光地、四川省・成都市の都市宣伝動画で、その主役はなんと日本人のサラリーマン二人組(の体)なんです!
そのシリーズ動画は名付けて、「『成都出張マニュアル』~原田部長と坂本君~」です。

第一弾:https://weibo.com/1523766213/K1sCxgVEV
第二弾:https://weibo.com/1523766213/LcPQthzt3

成都政府オフィシャルアカウントからの投稿により、第一弾と第二弾の合計再生回数が250万回、いいね数が1万回を超えるバズり動画となりました。
このようなおもしろ系の動画は通常は個人アカウントから出てくることが多いのですが、今回自治体アカウントから投稿されたのはなぜでしょうか?

そもそもこの動画作品は、成都市政府新聞事務室、成都文化観光局、毎日経済新聞で共同主催した「第3回 映像成都・ショートムービークリエイト大会(Award Ceremony Of Short-Video Contest-Tianfu Through The Lens)」に出品されみごと優勝を勝ち取った作品です。今回の大会では700組以上の個人やチーム、そして1150本の動画作品が投稿され、全作品の総再生回数が6億回に上りました。

三回目大会によるポスター

政府が主催した都市宣伝動画創作大会の優勝作品ということで、成都市政府公式アカウントに投稿されたわけです。 その後、中国の主流インターネットメディア(澎湃新聞など)にリツイートされ、世界中にいる中国人の間でも流行り出しました。 それだけでなく、中国外交部報道局副局長報道官も、わざわざ日本語のテキストを付けて、この「成都出張マニュアル」動画を自身のツイッターで公開したほどです 。

国家政府の方にも注目され、その結果一般大衆に影響を及ぼすことができたため、このコンテンツが長く盛り上がることに繋がったのですね。

出典:https://twitter.com/zlj517/status/1510470329080385537

ストーリーの概要と制作背景はというと、
原田部長と坂本くんという二人の日本人(声は中国人が日本語吹替するという離れ業!)会社員が成都へ出張に行く際に、「成都出張マニュアル」なるものを見ながら、順調にビジネス業務を進めていくというストーリーになっています。
日本から出張で来たはずなのに急遽駐在となり、成都での長期生活しないといけなくなったところから物語は始まり、日本人(外国人)目線で成都の衣食住や交通手段、人気観光スポット、イベントなど、多くの生活情報を紹介していくという内容になっています。

このシリーズ動画は、成都市にある「株式会社四川瑞福视息」というエンターテインメント制作会社によって作られ、なんと、チームスタッフは全員中国人で日本人は1人もいないそうです

「原田部长和坂本君」WEIBO公式アカウント

今まで中国の自治体が監修した堅苦しくて公式っぽさも強い地方宣伝動画とは大違いで、ストーリー性もあるため、こちらの動画は大好評でした。
動画のコメントからは、「リアル過ぎる!」「うわぁー大好きなサッカー場!監督に感謝」「このような地方宣伝動画があったら、どの国問わず面白いと思ってくれるでしょう!」「今回は全然ダサくない!世界中の方に見てほしい!」というような評価がたくさん見られました。
 
今の中国では、主流で制作されている地方宣伝動画には二種類のタイプがあり、「インフルエンサーや有名人、地元の高官が制作する観光Vlogやショート動画」、もしくは「建設・建築、美食・美景、あるいは伝統的民俗を美しく撮った動画」です。
この二種類の中にはもちろん良い作品があるのですが、多くを見ると徐々に共感しにくくなる傾向があります。
そこで、今回の「成都出張マニュアル」は、新たに「ドラマ広告」というエッセンスを加えて動画制作がなされました。作品として完成している分、誰が見ても抵抗なく受け入れることができるため、面白ければどんどん拡散していくという構図が出来上がりました。
 
 
ちなみに、第一回目の大会に優勝した動画が韓国人視点の動画《如何让一个人留在成都》も成都オフィシャルアカウントで公開されました。こちらも素晴らしい作品ですが、再生数はあまり伸びませんでした。
 
「外国人の目線で中国を紹介する」というのは日本でもよく見られるヒット動画の典型ですが、この動画のヒットした要因は「日本ドラマの人気」が原因として挙げられるかも知れません。
スーツ姿のサラリーマンを主人公にした「半沢直樹」の中国での大ヒットも記憶に新しく、日本のドラマは中国のweiboで話題になりやすい特徴があります。そのため親しみを持つことが出来、見慣れているという点もあり、オマージュとしてうまく受け入れられた可能性もありそうです。


「成都出張マニュアル」はなぜ250万回も見られたのか!?まとめるとその要因は以下の2点が挙げられます。

① 伝えたいことをダイレクトに紹介するのではなく、どうすればユーザーが興味を持ってもらえるのかに最も気を遣っており、その中で伝えたいことをナチュラルに織り交ぜていくという手法
② 中国で流行しているもの(ドラマ、アニメなど)を想起させ、とっつきやすい印象を与えるような内容

また、今回ご紹介した動画から読み取れることとしては、

コンテンツは必ずしも現地の言語で制作する必要がない!

ということです。原田部長と坂本君の日本語はあえて下手な日本語に変えています。なぜならばその方が「ウケる」からです。実際、中国TikTokでもなぜか下手な日本語を話す中国人が人気だったりします。大多数の方は日本語の上手さは分かっていなく、だったら下手でもいいから中国人のツボを掴んだニュアンスと演出に近づけた方が良い、と考えていると思われます。…もちろん、日本語が上手くて演出もしっかり効いていることが最善ですが笑。

過去にも映画やドラマで、マンダリン(標準語)の不得意な役者さんに、マンダリンを別な人がアテレコしていたこともありますから、そこへのオマージュもあったのかもしれません。

ローカライズするという点は大事なポイントではありますが、コンテンツが面白ければ、言語の部分についてはあまりとらわれすぎる必要もないということが言えると思います。私たちが韓国ドラマを現地語で見ているような感じです!


今回の「成都出張マニュアル」のように、弊社のCCO山下智博の小樽宣伝動画「情绪 『 Re:』-小樽の新たな夜明け-」もよい例です。単なる風景や歴史、美食、観光スポットなどを紹介するだけではなく、強いストーリー性でドラマチックを求めることで中国視聴者の好みに更に踏み入る事ができているため、多くのユーザーに動画を視聴してもらうことが出来たと考えられます。

「情绪 『 Re:』-小樽の新たな夜明け-」(144.6万回再生)

しかし、ストーリー性でターゲットの的を射られるのはかなり難しいことですよね。
ほかの人が思いつかないような発想をする、ターゲットの需要を確実に理解する、どちらも欠かすことのできない要素です。
ぬるぬるには中国各地域から集まったメンバーがいるため、中国を一括りにするのではなく、ターゲット属性にマッチしたスタッフが企画、コンテンツ制作を行い、皆様の課題を解決するお手伝いが可能です!

P.S.
雑談の際にスタッフの出身地によって存在する独特な習慣に毎回驚かされています(蘭州には朝にラーメンを食べることが一般的ということなのですが、私には信じられないことです笑)

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