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なぜ見にくい取扱説明書のイラストがうまれてしまうのか

取扱説明書のイラスト、テクニカルイラストを作成しているぬっきぃです。
ペリスコープで生配信したときに寄せられた声です。

取扱説明書のイラストが見にくかった

取扱説明書のイラストが見にくい・わかりにくくなってしまうのには理由があります。

・描いている本人がわかっていない(図面が読めない)
・3DCADからイラストにしたが、レンダリングの線を消していない

この2点です。

描いている本人がわかっていない(図面が読めない)

これはよくあることなのですが(本当はよくあってはならない)、描いている本人が何を描いているかわかっていないということがあります。

なぜそうなってしまうかというと、低料金で仕事を受けてしまい「イラスト作成の取材」まで手が回らないからです。
取扱説明書作成は、文章をつくる『テクニカルライター』とイラストを作成する『テクニカルイラストレーター』、取説内の写真をとる『フォトグラファー』それらを編集する『DTP・編集』がいます※。
※テクニカルライターがDTP編集をする場合もあります。

全体の指揮はテクニカルライターがとります。イラストの指示はライターから受け、テクニカルイラストレーターは指示の通りのイラストを描く・・・と、それは『ただのオペレーター』です。
実物を見ないで指示のままイラストを描く。これでは自分が何を描いているかわからなくなるのも無理はないと思います。

その商品が大好きで普段から知っている・使っている商品だったら問題はないのですが、何も知らずにただ言われたことをイラストにしていると何を言っているかわからないイラストになってしまいます。

取扱説明書制作は開発と並行しています。
開発期間なので実物がないことがしょっちゅうです。そこで図面の出番。実物がなくても図面でイラストを描けるくらいではないとテクニカルイラストレーターは勤まらない気がします。
図面も開発期間中にコロコロ変わりますが…

3DCADからイラストにしたが、レンダリングの線を消していない

世の中は何かと3Dに移行しています。『3DCADが使える』というのは大きな武器になります。

しかし、ただ使えるだけでは仕事にはならないのではないでしょうか。3DCADで取扱説明書のイラスト・画像がつくれて始めて自分のスキルに価値が出てくるのだと私は考えています。テクニカルイラストレーターの場合は(※新卒や第2新卒はCADが使えるだけで十分だと思います)

自分が何を描いているかわかってない人が3DCADでイラストを出力したところで3DCAD特有のあの線が、どれが必要でどの線が不必要かわからないのです。

いらない線の思い出

数年前、派遣先で「3DCADができる!」と言う人にイラストを任せました。納品されたイラストにびっくり。全てにいらない線が残っていたのです。
私はいらない線を泣きながら消しました。(イラスト50個ほど)
納期前だったので自分がやってしまい、そして険悪へ。

3DCADができるだけでは難しいんだな、と思った出来事でした。

まとめ

どちらも商品のことをわかっていない場合に起こることです。
作成方法が便利になっても、わかっていないものを作成するのはムズカシイです。

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