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若い頃は徹夜してでもスキルを身につけたほうがいいですか?

NHKの朝ドラ「なつぞら」
女性の若手アニメーターの主人公は今週、産みの苦しみを味わっていました。

アニメのストーリーを決めるために、プロデューサーとケンケンガクガク。職場で缶詰になって徹夜して、やっと光明が見えてきたシーンで、ふと

これ、どこからどこまでが労働時間??

と。なんちゅう無粋なことを考えてしまうんだ、#社労士 という職業柄がなせる技か....

たぶん、終戦後15年経った今から60年くらい前の設定。こうした光景はあちこちにあったと思います。

終戦は1945年
労働基準法1947年

もちろん詳細は現在とは異なりますが、労基法は存在していたわけです。週48時間を超えると時間外となり、深夜割増や休日出勤の規定もあります。

ちなみに、この頃は看護師等一部を除き女性は深夜労働はNGでした。

しかし、この頃どころかほんの10年前までも、オフィスワークの正社員はドラマの主人公のなっちゃんばりに働いていて。もしかしたら今でもそんな職場はあるかもしれません。

そして、ごくたまに徹夜しちゃうくらい働くことが、すぐ違法というわけではありません。ちゃんと36協定を結んだ範囲内で、かつ割増賃金を支払えばよいのです。

ただ、ドラマのなっちゃんはまだまだ若手でスキル不足。彼女の深夜作業は会社にとって未来への投資で、すぐに生産性はあがりませんし、成果も出ません。

似たように、若い頃に時間をかけて体得する仕事は現在も技術系にとどまらず多くあります。スキル不足の若手が徹夜したからといって、会社は短期的には割増賃金の払い損と言える状況。

そして昔は、法律はあっても残業代などの割増分は多分払っていなかったし、スキルのない若手が教えてもらっている側でいながら、固定の月給以上の報酬を得ようという感覚もなかったように思います。

それは丁稚に考えが近いし、高度成長期においては終身雇用や年功序列給が頑張れば上がるという、ロールモデルが一般的であった仕組みも後押ししていました。

しかし、いまは感覚も変わり、支える仕組みも崩壊しがち。

・スキルを上げるために美容師の卵が深夜までサロンで練習する
・歯医者の卵が低すぎる報酬でベテラン歯科でスキルを磨く
・営業マンやコンサル業が夜遅くまで残務処理や下調べをする
・アニメーター、ゲームクリエイター、SE等がスキルやアイデア不足のため徹夜する

等について、

ベテラン=当たり前に必要な時間で、教えてあげるのに割増賃金を支払うことに強烈な違和感
・若手=長時間労働で法に触れるのでは?なにより心身ともにしんどい....

いまは、法律に触れないよう立てつけることはもちろん、意識のすり合わせ、新たな人材育成の方法の模索が必要ですね。

ドラマに話を戻すと、現在はアニメーションはデジタル化が進んでいるので、ある部分では時短になるのかなと思います。

また、こんな時代においては、自分で労働時間外にスキルアップをしている人材というのが重宝されていくのは、間違い無いですね。

#残業 #割増賃金 #働き方改革 #社労士 #なつぞら #なっちゃん



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