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“とりあえず取材してみる”ために

この記事の3つのポイント

①取材で得られる「生の声」は強い
②まずは徹底的に調べる
③ゴールを想定しつつ寄り道をする

以前、自分とは畑違いの人や分野=未知の存在を書くために(自分の引き出しを増やすためにも)、資料読みと取材が欠かせないという話をしました。

私は資料読みと同じくらい取材をして書くのが好きで頻度も高いので、私なりの取材のコツを書いていこうと思います。

取材のメリット

資料を読むだけではなかなか得られない「生の声」や、リアルな現場の雰囲気を感じられる。これが取材の一番のメリットです。

小説の舞台となった場所を訪ねて、現地の空気感を掴む。資料だけではわからない当事者の話が聞ける……などなど、いいこと尽くし! 書きたい小説のジャンルや、取材対象によっても変わってきますが、私の場合は「十冊資料を読むより二時間話を聞く方が収穫が多い」と思っています。

取材の手順(準備編)

我流ですが、これでも一応フリーライター(ほとんど休業状態)でもあるので、スタンダードな取材の手順だと思います。

①まずは徹底的に調べる
・取材したい人物や分野について、まずは自分で徹底的に調べる(調べればわかる基本情報の確認に取材時間を割かないため)
→企業の場合:HP、関連するニュース記事や、過去の取材記事も。
→個人の場合:プロフィールを確認。ブログ、過去のインタビューなども。
・「どうしてもわからない」ことを取材で聞き出す。
★オススメは取材したい分野働いてたり、活躍してる人のSNS。日常が垣間見える。

②丁寧に取材依頼をする
・「自分がどういう人間で、何の目的で取材をお願いしたいのか」を、丁寧に伝える。
・相手には相手の時間がある。無理強いはしない。

③取材内容・質問内容を事前に共有しておく
・取材時間を有効に使うことができる。
・「何のための取材?」「この人は何が聞きたいの?」と相手に理解しておいてもらう。相手はそれに合わせた解答を準備して取材に臨める。

取材の手順(当日編)

④当日は早めに現地に行く
・遅刻をしないため(何よりも大事)
・あらかじめ取材場所の雰囲気を掴んでおくと、取材時に話が広がるかも(これが結構ある)

⑤取材のゴールを設定しておく
・取材には「想定外」がつきもの(いい意味でも悪い意味でも)
→予定していた時間が削られた。取材対象者が何の取材なのか全く理解していない。取材対象者と話が噛み合わない……などなど。
・相手は「話をするプロ」ではない。「欲しい情報」を話してくれない場合もある。
→ゴール(=取材の着地点)を想定し、アシストする。

しかし、

・想定したゴールに誘導するのはNG。
→ゴールに無理矢理誘導するような取材をすると、新鮮みのない取材になる。
★ゴールを想定しつつ、寄り道をする心の余裕が必要。

⑥寄り道は大切
・想定質問や想定ゴールで取材をガチガチに縛らない。
・想定質問は三、四つにしておき、あとは会話の流れで寄り道をしながら取材を進められるとすごくいい。
・「こちらが予想もしていなかった話が聞けた」→これが取材の一番の成果。

取材の手順(記録編)

自分がやりやすい方法で記録するのが一番ですが……

⑦手書きメモ取材
一応ICレコーダーで録音するが、あくまで保険のため。手書きメモを読みながら原稿を書く。

【メリット】
・文字起こし(録音した音声をテキストにする作業)をしなくていい。時間の短縮になる。
・相手に「取材されてる感」を与えることができる。
・相手が何か言う→サッとメモを取る、という流れで、相手に「いいことを言ったんだな」「役立つ情報を話せたんだな」と感じさせることができる。
★相手を「取材にのせる」のが大事。

【デメリット】
・メモを取るとどうしても会話のテンポが乱れる。会話が停滞してしまうリスクがある。
・相手の言ったことすべては書き取れない。
→重要な単語やフレーズのみをメモし、極力会話を停滞させない。
★メモがあとから読んで「意味がわからん」とならないように注意する必要がある。

⑧録音取材
ICレコーダー等で録音し、メモはほとんど取らずに取材して原稿を書く。

【メリット】
・会話がスムーズに進められる。
・取材相手も、こちらがメモを取る時間を気にせず話すことができる。

【デメリット】
・文字起こしに時間がかかる。(文字起こしかかる時間=取材の約二倍ともいわれる)
→今は音声文字起こしアプリが高性能になってきたので、そこまで重労働ではない。
・こちらの「べしゃり」だけで相手を盛り上げる必要がある(こちらの方がハードルが高いかも)

ちなみに、私は手書きメモを取りながら保険でICレコーダーを回しておく派です。ただ、取材後に音声を聞き返すことはほとんどなく、自分の取ったメモだけでプロットを作ったり原稿を執筆したりしています。



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小説家。青春小説やスポーツ小説をよく書きます。2015年松本清張賞・小学館文庫小説賞受賞。『タスキメシ』『拝啓、本が売れません』『風に恋う』『競歩王』など。詳しくは公式サイトへ▶http://nukaga-mio.work/

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