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世界のビジネスは面白い!-雇用を創って市場を自分たちで拡大しちゃえ!IMPALAのcase-

こんにちは。BeDo+サービス全般担当のMegumiです。

グローバルマネジメント”の授業でとてもわくわくしてディスカッションが盛り上がったケースを勉強しました。
アフリカのモザンビークで2011年に発売された”IMPALA”というキャッサバで作られたビールについてのビジネスストーリーです。

SABMillerというグローバル企業がご存知ですか?世界最大級の醸造メーカーで、”持続可能性”を戦略の一つに掲げ、
『私たちが経済においてできる最大の貢献は成功を収めることで、限られた資源を効率的に利用し、雇用を創出し、税金を支払い、地元企業を刺激する収益性の高い企業を営むことである』と、社会課題への貢献にも力を入れています。

そんなSABMillerは”IMPALA”を発売し、1年ちょっとで
約1,000人の農家が22万ドル分のキャッサバをやりとりし、そして、
1,250万本のビールが製造されました!!

自分たちの利益だけではなく、政府を巻き込み、雇用を創出し、経済の流れまで作り出したのです!その販売までのビジネスストーリーが面白すぎる!ビジネスのポイントがたくさん詰まっていていましたね。

ちょっとまとめて見るのでぜひ読んでください♪

-モザンビークとキャッサバ-

 モザンビークは、1975年にポルトガルから独立するも、その後内戦が続き経済が疲弊。内戦が終わり1997年からは毎年9%の経済成長を遂げるが、人口の半数は貧困ラインを下回り、国家予算の半分以上は海外援助で賄われている。天然資源(石炭、アルミ、天然ガスなど)に恵まれるが、国民はその恩恵は預かれない。経済の付加価値は低い典型的なアフリカの発展途上国である。
 キャッサバは栽培が容易で農家の主食となっている。しかし、収穫後に急速に腐敗が進み悪路が多いため輸送できず、商用利用できない。収穫後は農村で労働集約的な加工が行われている。
 SABMillerはウガンダでソルガムをベースとしたビールで成功しており、キャッサバでもできないか考えた。
「長期的な経済発展とビールの市場拡大ができる!」そう確信したSABMillerは、低所得者向けの手頃な価格のビールのプロジェクトを始動させた。

アフリカの経済にも貢献しつつ、巨大なマーケットで成功したい!そんな持続可能な開発を掲げ、過去の成功事例を転用させている。まさに多国籍企業が、これまでの経験などを集積させ、学習することでさらに発展へのきっかけをつくっています。

-パートナーシップの形成とステークホルダーとの関係構築-

 SABMillerは"Cassava+"というオランダ政府・DADTCO・IFDCを巻き込んだ官民ネットワークを形成した。「時給自作でこれまで行い収入源になっていなかった農家が換金作物にする」ための零細農家のモデル開発と「モザンビークのキャッサバ収穫量を2倍にする」ためのキャッサバのサプライチェーンの構築の基盤を作った。
 また地道なコミュニケーションを通して、モザンビーク政府・NPO・民間企業・地元農民と”非公式的”な法的な締結でない信頼関係を作り上げた。すべてのステークホルダーがwin-winになるようなパートナーシップであった。

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政府と直々に対話を重ねることに政府自体のニーズを理解して、それに答えようとする努力や誠意は伝わる。BSの先輩のさくらcsホールディングス株式会社のCEOの中元さんが講義してくださった際にもミャンマーの政府で交渉してなかなかうまくいかないときに”相手がWinになることを考える”ことから、歩み寄りが始まったって言ってた。信頼関係を構築するときには他人軸は大きな規模でも大切なんですね。

-革新的なキャッサバサプライチェーンの構築-

劣悪なインフラのモザンビークでSABMiller単独でのサプライチェーンの確率は難しかった。ただし、SABMillerは作物の市場を保証し、自給自足農家に新しい市場を提供した。農民は初めて、収入を獲得できるきっかけを掴んだのであった。
 先ほどのパートナーシップの連携でサプライチェーンは作り上げられた。DADTCOは農民からキャッサバを購入し、キャッサバはAMPUという移動式のキャッサバ加工機により、キャッサバケーキに加工される。キャッサバケーキは6ヶ月保存可能である。さらにキャッサバケーキはCDM(SABMillerの子会社の醸造所メーカー)に渡りキャッサバビールが生産される。また、IFDCは農家に対して、農業改良普及サービスを提供し、生産力の拡大が図られた。
 AMPUはまさにイノベーションで、キャッサバを運ぶのが大変だったら機械を現地に運んで加工しちゃえ!という考えから開発された。

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まさにこのサプライチェーンの構築が成功要因のKey、これまでは自給自足の農作物だったキャッサバが換金作物になったのである。
そしてこのサプライチェーン自体がイノベーションであるが、AMPUの開発の発送もすごい!まさにリフレーミングによるもの。

-モザンビーク政府の反応-

政府もSABMillerの自国への農業と経済発展の貢献を認識し、IMPALAビールに対する優遇税率を行った。
 それでもCDMは2年連続の最高納税者賞を獲得。

しっかり結果を出し、なんと政府までも動かしてしまった!!
この税率優遇ももとはSABMillerの『健康への影響も大きい違法アルコールがはびこる現在の市場で適正化されるために税率がKeyになる』という構想がもともとあったよう。まさにその通りに誘導されていった。熱意と実績が政府をも動かしてしまったのだろう!
 そして優遇されながらも税金をしっかり収める。まさに宣言したことを確実にやり遂げている。

-SABMillerの強み-

零細農家から原料調達・市民の慣習の変革の誘導とグローバル規模のビジネスという両立しないことをやり遂げた。
なんといっても、短期的利益やメリットに目をくらませず、長期的な目標に向かって地道に積み重ねる、経営陣の情熱と意欲と行動力。もちろん社内での論争もあり、課題を一個一個クリアしていった。そしておなじ気持ちをもった企業とのパートナーシップを結び、お互いの弱みを補完しあった。

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利益を生み出すことも必要である大企業は、近視眼になりがちであり、短期での結果を求めやすい。5年先、10年先を見据えた、より大きな貢献を描けるか、そしてそれを、具体的な計画と行動に落とせるか。これがビジネスのセンスだと感じる。

-Outcome-

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雇用を創出し、社会貢献しながらも、それによりSABMiller自らの市場が拡大しそれがまた利益に繋がる。利益は循環し、価値の連鎖が起こっている。
そしてSABMlillerのWHYがひしひしと伝わってくるストーリーでした。

IMPALAは大成功を収めたが、さらに持続した成長をしていくためにはどんなことが必要なのだろうか?
 どんなリスクが隠れているのだろうか?それにどうやって対策していけばいいのだろうか?
そんな視点が、ビジネス行う人は必要である。

いいアイデアがでてこないか、頭で考えを巡らせながら、私にできる小さいことでもいいから今日も社会に貢献する努力をしよう。

IMPALA飲んでみたいな!先生曰く、結構美味しい!
世界のビールを飲みつくしたい。↓はラオスにてBeer lao

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BeDo+のストーリーもぜひ読んでいただけたらうれしいです!
今日もWell-Beingな日を送りましょう♪

BeDo+ by NU Japan CSO(Strategy)Megumi

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