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月があまりにも綺麗だったから

好きな小説の一節をたまたま読み返した

本当に大切な人を大事にしなさい。
まとめるとすごくシンプルでありふれた言葉なのに、何故か涙が止まらなくなった。

心臓がギュッとなって、
鼻がツンっとして、
口の中の大嫌いなネギの匂いがブワーーとなって、
苦しくなる。

有名になりたい訳ではない、
でも自分が亡くなったあとにも自分の理解者に自分の思いが届けるのはロマンのあることだ。
だから何かを遺したい。

ファラオのように。

名利を何よりも大事にしている人は寂しい人だと少しだけ上から目線で言ってみる。
自分は不運なだけで、才能はある人と同じくらい惨めかもしれない。

ちなみに、自分はその人たちよりも更に惨めだと思っている。自分の代わりはどこにもいないと自負しているくせに口癖は「わたしなんか…」

偽りの謙遜と偽りの不安障害。

誰でもなれる仕事は作家、
何者にもなれなかった者の最後の港も作家、
一番平等で一番残酷な仕事。

写真よりも束縛のない世界。

自分についた嘘が将来の自分にバレる世界。

わたしにとって大事なのは、
なんなのか。

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