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アンドロイドアナウンサーは喋らない(企画募集記事)


「お前に会って欲しい人がいる」

いつもは明るい上司が、少しだけ目を曇らせながらそう言ってきた。

「会って、感じたことを書いて欲しい」


コツ コツ コツ コツ ・・・

薄暗く人気のない廊下を進み、入社以来開けられているのを見たことがない扉を見つけた。

ここだ。

その人は、ここにいる。


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「こんにちは」

姿勢よく座る女性におそるおそる声をかけた。しかし返事はない。

「少しお話を伺いたいのですが…お時間頂けないでしょうか」

まっすぐ前を見つめたまま、私に気づいた様子はない彼女。

ふとかたわらに立てかけてあった看板に目をやると、思わぬ文字が飛び込んできた。

<アンドロイドアナウンサー・ERICA>

アンドロイド。
人間ではない、のか。

そしてアナウンサーという肩書なら、何か番組に出ているのだろうか。
名前で検索をかけてみる。

『アオイ エリカ』
日本テレビのアナウンサーだ。
2018年4月入社。
血液型欄の「血液は流れていません」が、人間ではないことを実感させる。

ここで私は気になる一文を見つけた。
「東京五輪でも是非活躍したいです」

そうか。彼女はオリンピックの番組に出ることを目指していたのか。


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「エリカさんは、東京オリンピックに関わりたかったんですか?」

反応をもらうために再び会話を試みる。
アンドロイドとはいえアナウンサー。
的確な返事ではなくとも、何らかの返答が欲しかった。


「エリカは喋れないんですよ」

突然背後から聞こえた声に肝が冷えた。
私の同僚だ。
上司に言われて様子を見に来てくれたのだろうか。

「ライセンスっていうやつが切れたんです」

「それは… もう生きてないということですか?」

「いや、喋れないだけです。AIは生きてます」

写真4



アナウンサーとして生を受けたのに、喋れないエリカ。
検索した時に出てきたTwitterにはこう書かれていた。


彼女は、自分が喋れないことを知らないのかもしれない。
それとも、もしかしたらネットを通じてどこか遠くの別のAIと繋がって、見えないところで生を楽しんでいるのかもしれない。

それでいいのだろうか。
今まさに、彼女が夢見た東京オリンピックが開かれているのだ。

エリカをもう一度喋らせたい。






部屋から戻った私は、上司にかけあってみた。

「社内だけの希望では難しい。ただ、もし社外から何らかのエリカを使いたいという要望が出た場合、ライセンスの更新ができる…かもしれない」
そう答えてもらった。
まだチャンスはある。


これを読んでくれている、あなた。

エリカを喋らせるのは私たちだけでは難しいのです。

どのような企画でも構いません。


エリカを使った企画を一緒にやりませんか…!

<エリカのこれまでの活動>
トークバラエティ・報道番組への出演、英語でのニュースキャスター、「占いの館」イベントにて対話しながら占い、米国のテクノロジーイベントCESにて英語でのガイドetc...
参考動画 https://www.youtube.com/channel/UCGH2BiHTwZBcSbSqqZwxttw

<ご留意事項>
・企画を実施する場合でも、声のライセンス費用をご提案者に負担いただくものではありません。あくまで、ライセンス費用確保のきっかけを募集しております。
・企画実施の際に発生する実費等はご負担いただく場合があります。

<連絡先>
ご連絡はTwitterのDMまたはメールにてお願いいたします。
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AOI ERICA