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2020 Apple Design Awardsで表彰されたアプリ 「Darkroom」

こんにちは、NTTレゾナントテクノロジー アジャイルデザイン部 UI/UXデザイン担当の呉です。アジャイルデザイン部は、スマートフォン向けアプリのサービス企画・開発・デザインを行っています。私が普段担当している業務内容はサービス企画担当者が描いているサービスのビジョン、提供価値をヒアリングやデザインフレームワークで分析し、良いユーザー体験のインタフェースを構築していくことです。今回は私が毎年チェックしているApple Design Awardsで表彰されたアプリ「Darkroom」のUIについて紹介したいと思います。

Apple Design Awardsとは

Apple Design Awards(ADA)は、Apple社が毎年恒例のWorld Wide Developers Conference(WWDC)で主催する特別なイベントです。このイベントは、macOSおよびiOS、watchOS、tvOSにおけるイノベーティブなデザインとテクノロジーを駆使し、ソフトウェアとハ​​ードウェアを開発したデベロッパーを表彰します。なお、Apple社が提供しているテクノロジーがどのように受賞したデベロッパーに活用されているのか解説されます。

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※画像出典:https://developer.apple.com/design/awards/

2020 Apple Design Awardsでは、アプリケーションおよびゲームのデベロッパー8組が選ばれました。今回の記事は写真編集アプリ「Darkroom」のUIの紹介になりますが、他の受賞アプリも使ってみてください。

写真編集アプリ  「Darkroom」

Bergen Co.社の「Darkroom」は、使いやすさとインタフェースの美しさを兼ね備えた写真&ビデオエディターです。本アプリの特長は直感的に使える操作感と、写真やビデオの編集に優れたパフォーマンスを発揮する所にあります。本アプリで使用されているAppleのテクノロジーとしてはHome Screen Quick Actions、コンテキストメニュー、触覚フィードバック、ダークモード、Siriショートカットなどが採用されています。

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※App Storeで「Darkroom」のアプリ紹介画像。画像1枚につき1機能の紹介になります。枚数が多いので、高機能な写真編集アプリという印象を受けました。アプリ内の配色から見ると、主に白色の基調カラー(ダークモードは黒色)、濃いピンクのアクセントカラーとグレーの組み合わせで、すごく洗練されたUIです。

※画像出典:https://apps.apple.com/app/apple-store/id953286746

以下の文章はオンボーディング、アクセシビリティなどの観点で、「Darkroom」のUIを紹介します。

オンボーディング

「Darkroom」初回起動時のアプリ概要説明が一言でまとまっており、他のアプリと比べるとすごくシンプルです。写真へのアクセスを許可したら、アプリがすぐ使える一方、ユーザーの不安を取り除くことにも工夫しています。

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※プライバシー保護への取り組みについての説明は別画面が開くのではなく、半モーダルというUIを採用し、ユーザーが片手で簡単に閉じることができます。

有料版(Darkroom+)への加入を訴求するページは写真アクセスを許可した後、すぐに表示されます。有料版機能一覧は複数のバナーで表示されていて、一つ一つが秀逸なデザインなので、デザイン作品を見る感覚で個人的には楽しいです。

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また、お気に入りやライブラリー画面に写真がない場合、エンプティ時のUIと初回起動時のコーチマークが表示されるので、はじめて「Darkroom」を利用するユーザーでも迷うこと無く使いこなせます。

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アクセシビリティ

「Darkroom」はトリミング、変形、フィルター、装飾、補正など多種多様な機能を持っています。一部の機能は有料ですが、無料でも十分使えます。近年、スマートフォンの画面サイズが大きくなり、大画面でも片手で使いやすいUIデザインが注目されています。「Darkroom」の開発に携わっているデザイナーは片手での使いやすさを意識したUIにしているようで、写真編集機能の操作エリアは主に親指が届く範囲(画面下部)に設置されています。また、写真の編集はタップ、ドラッグ、スライド、スワイプで可能なUIが提供されており、移動先などでも容易に利用可能です。

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「Darkroom」はハッシュタグセット設定という写真投稿に便利な機能も備えています。ハッシュタグセット設定というページでSiriショートカットというApple社が提供しているテクノロジーが搭載されています。この機能により、ユーザーはSiriに特定のフレーズ(例えば、旅行のハッシュタグをコピー)を覚えさせることができます。SNSに記事を投稿したい時にSiriにそのフレーズを話しかけるだけで設定した複数のハッシュタグがコピーされ、容易にSNSの投稿に貼り付けられます。
特に毎日写真をTwitterやInstagramなどのSNSに投稿しているユーザーにとって、この機能は便利に感じるかと思います。

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さいごに

以上、WWDCに選ばれた優秀なスマートフォンアプリ「Darkroom」のUIについて紹介しました。今後も定期的に気になったアプリに関する情報をお届けしていきたいと思いますので、ぜひお楽しみに!今回の記事に興味やコメントがありましたら、公式Twitterから気軽にコンタクトください。

<参考文献>

・Apple honors eight developers with annual Apple Design Awards

https://www.apple.com/newsroom/2020/06/apple-honors-eight-developers-with-annual-apple-design-awards/

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