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年に2日しか渡れない島?津島ノ宮

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

四国の海沿いを走る特急列車から窓の外を眺めていると、ふいに小島が見えてくる。そこに架かるのは一本の朱塗りの橋。

一体何なんだあれは!?

とっさに地図を調べて出てきたのが津島ノ宮(津島神社)であった。
初めて目撃したときからしばらくの時間が経って、ようやく訪問したときの様子を今回は紹介したい。

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津島ノ宮は四国の香川県、多度津と詫間の間くらいに位置する神社である。普段の津島神社は写真のように静かな場所で、訪れるのも近所の人くらいだ。

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列車から見えた橋は封鎖され、足場が取り外されて渡れないようになっていた。橋の向こうに見える島・津島へ渡ることはできない。

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そんな津島神社の最寄り駅となる津島ノ宮駅は列車が全く止まらない駅である。「全く止まらない」というのは特急電車や快速電車が止まらないという意味ではない。普通電車にすら通過されてしまう駅である。ここはいわゆる臨時駅なのだ。

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津島ノ宮駅に観音寺駅行きの電車(7000系)が停車しているところ。8月4日と5日のお祭りの日だけは、こうして普通列車の一部が停車する。臨時駅である津島ノ宮駅には改札が無いため、駅員が直接きっぷを回収している。

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駅舎に描かれた「つしまのみや えきちゃん」。スマイルな顔は、四国各地でみることのできる「Shikoku Smile Station」企画によるもの。高松駅をはじめとしてJR四国の主要駅にも笑顔が描かれている。ほほえま。

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駅から橋までは露天がずらりと立ち並び、この日がハレの日であることを実感できる。

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橋に木の床板が敷かれ、お祭りのときだけはこうして歩いて渡ることができる。欄干を伝っていけば板が無くても渡れなくもないのだろうが、バチあたりもいいところだろう。

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橋を渡りきった場所にはベビーカーがずらりと並んでいたのが印象に残っている。親子連れが多いのもそのはず、津島神社は子供の神様だ。

二日間だけ渡れます本殿がある津島と対岸とは約250m離れており、普段は通行できませんが、夏季大祭のある毎年8月4日と5日の二日間だけ、橋が架けられ渡ることができます。
毎年この2日間は子供さんと手をつなぎながら、あるいはベビーカーを押しながら、子供の健康と健やかな成長を願い、本殿へとやってくる約10万人の参拝者で賑わっています。
また、この「つしま橋」は別名「しあわせ橋」といわれ、この橋を渡ると、子供・若いカップル・夫婦に幸せが訪れるとされています。8月4日、5日は早朝から夜遅くまで、県内外から老若男女が大勢「つしま橋」を渡って本殿に参拝します。
津島神社ウェブサイトより

あとで地元の方に聞いた話だが、このとき筆者が訪れた8月5日の午前中が比較的混む時間帯だったらしい。

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石段を登りきると、社殿の前には祈願受付のための長蛇の列ができていた。

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お祭りの日以外は見ることができない津島側からの眺め。対岸までずらりと列が伸びているのが分かる。この混雑のため、駅から離れたの丘の上には臨時駐車場も開設されている。

こうして毎年続けられている津島神社のお祭りも、惜しくも2020年は中止になってしまったようだ。また島に橋が架かる日を楽しみに待っていたい。

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