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効率化のその先へ!二郎風かけラーメンはいかがです?

世の中にはジャンクフードと呼ばれるものはたくさんあるが、中でも代表的なのはラーメン、それも二郎系のラーメンではなかろうかと思う。
近年はコンビニでそれっぽいラーメンが販売されるほどの人気を誇る二郎系ラーメンは、豚骨ベースの醤油スープに、通常のラーメン屋の2-3倍の量の中太麺、大量のモヤシとキャベツ、さらに分厚いチャーシューと背脂を載せて。お好みでニンニクも追加できる、脂と塩分ぎっしりなジャンクフードだ。

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(いわゆる二郎系インスパイア店のメニュー。これでもラーメンだ)

そんなラーメン自体の特徴もさることながら、二郎系ラーメンの店舗はシステムからして通常のラーメン屋とは異なる。例としては次の通りだ。

・ プラスチック(紙)の食券制
・ 調味料・飲料を持ち込める
・ 水・おしぼりがセルフサービス
・ 麺の量と硬さの指定できる
・ トッピング量が調節できる
・ 「ニンニク入れますか?」

二郎系ラーメン店の注文~退出までの一連の流れについては、下のnanapiの記事に詳しい。

この独特な二郎系ラーメンのメニューとシステムを分析・分解し、とにかくシンプルに効率化して提供している店があるらしいので足を運んでみた。

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場所は東京都大田区。蒲田駅前から始まる商店街を抜けたあたりにその店はあった。

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かけラーメンまさ屋。黄色い看板が二郎系を思わせる佇まいだ。
写真からも分かる通り、店の幅はかなり狭い。もともと小料理屋やバーだったのではないだろうか。

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「うちはほぼ立食いです」と書かれている通り、座席数は5席と少なく、食べている人の後方を通れるか通れないかくらいの通路しかない。かけラーメンというコンセプトそのままである。
写真右にもある通り、電子マネー・クレジットカード・QRコード決済といったキャッシュレス決済のみで現金は使えない。かなり大胆な決断をしているように思えるが、これにはちゃんとした訳があるらしい。

僕のラーメン屋(ラーメンサービス)の根幹には、全て「作業の超簡素化」という目標があります。とにかく全ての作業の決め方がそこからスタートしてます。
なぜならば、それこそ今で言う「リモートワーク」では無いですが、僕が店に居なくても回る仕組みを徹底的に考え抜いてビジネスをしたかった(する必要があった)からです。
キャッシュレス(現金不可)もそうです。レジ締めとか、どうすりゃ良いんだ?店に行けないのに。あ、なら現金使えないようにしちゃおう。それならその部分を管理する必要無いし、ついでにバイトを疑うことすら無くなるし。こんな感じです。
Makuake記事より

開店は2019年10月ということで、開店からさほど年月は経っていないようだが、二郎系ラーメンの店舗が駅前にひしめく蒲田駅周辺で、この斬新な形態を始めたのだから驚くばかりだ。

メニューはシンプルにA麺(茹で前200g 太麺 380円)、B麺(茹で前300g 中太麺 430円)、生卵(50円)。持ち帰り用のまさや弁当(A麺・B麺ともに500円)もある。二郎系ラーメンは小ラーメンで800円~1000円ほどなので、二郎系として見ればかなり安いといえる。かけそばならぬかけラーメンの名の通りだ。

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こちらがそのかけラーメン。二郎系ラーメンっぽい豚骨醤油のスープに太麺がに、刻んだにんにくと一味唐辛子が載っている。見て分かる通り、ヤサイ抜きアブラ抜きブタ抜き(もやし・きゃべつ・背脂・チャーシュー抜き)という超ストイック仕様だ。
代わりに二郎系ラーメンでは珍しい店名付きの海苔が載っている。これはラーメンの写真をSNSでシェアしたときに宣伝になる効果を見込んでのものだろうか。よく考えられている。

写真の通り容器はプラスチックで、レンゲ、紙コップなども全てが使い捨てとなっており、洗い物の手間を一切無くしていることが分かる。

卓上には一味唐辛子とカレーパウダーがあり、どちらも掛けるとジャンクさがさらに増す。ほぼ具無しのラーメンでも、美味しい麺と濃いめのスープとにんにくさえあればそれなりに満足できるものだ。
ラーメンを食べ進めたところでサービスのご飯ひとかきを頼むと、濃厚なスープを最後まで味わうことができる。

このかけラーメンであるが、店内にある一般的な片手鍋で麺を茹でて作られている。いくら店舗が狭いとはいえ、ラーメン屋らしい寸胴鍋でないことを疑問に思ったが、これもこだわりのよう。

「よし、店でも手鍋でやろう。バイトもすぐ戦力化出来るし、お持ち帰りラーメンのデモンストレーションにもなるし。」
Makuake記事より

スープについても、店でも通販でもテイクアウトでも共通のものを使用することによって効率化を追求している。

まさ屋ではフリーザーバッグに入れたラーメンスープのことを「ポーション」と呼んでますが、これ、通販やテイクアウト用にわざわざ作ってるわけではなく、イートインでも初めからポーションを用意してました。
Makuake記事より

家で作るように店で作る。通常とは逆方向のアプローチでまさ屋全体のシステムが作られていることが分かる。部分部分で見ると妙に思えるが、全体として見ると非常に合理的で効率的であることに気づく。

文字通りゼロベースで考え出された、時代の先端を行く超効率的二郎系かけラーメン、初めてだと戸惑うこと間違いなしだが、一度体験してみるのも良さそうだ。


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