外にはまだ正しい世界がある
アウシュビッツ強制収容所からの生還記と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは、やはりオーストリア出身の精神科医・心理学者であるヴィクトール・フランクルの『夜と霧』ではないでしょうか。
一方でフランクルほど広く知られてはいないものの、同じくアウシュビッツから生還し、その体験を『これが人間かーアウシュビッツは終わらない』に著して、イタリア現代文学を代表する作家の一人となった人物に、プリーモ・レーヴィがいます。
レーヴィが生還できた理由レーヴィは自らがかの地獄を生還することができた理