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夜空に尾を引く「ほうき星」、彗星はどこからやってくる?

こんばんは、Ryotaです。
2020年7月は、ネオワイズ彗星 (C/2020 F3 NEOWISE) が見ごろとなっています!
(ちなみにヘッダの画像は、2018年のウィルタネン彗星!

明るさは1等級前後と、肉眼でも見える明るさ。
僕も見たいと思っているのですが、なかなか天気に恵まれず...
見える時間帯や方角など詳しくは、国立天文台の記事をご覧ください!

本日は、彗星(ほうき星)とは一体何なのか、どこからやってくるのかについてお話します!

彗星はどこからやってくる?

彗星は、惑星とは異なり、細長い楕円形の軌道を描くものが多いです。
このような楕円軌道で、公転周期200年以内のものは「短周期彗星」、それより公転周期が長いものは「長周期彗星」と呼ばれています。
また、太陽に近づいた後、二度と戻ってこない彗星も存在します。

ちなみに、今回のネオワイズ彗星は長周期彗星と考えられており、次に近づくのは5000年以上先と言われています!!

それでは、この彗星はいったいどこからやってくるのでしょうか?

現在は、短周期彗星はエッジワースカイパーベルトから、長周期彗星はオールトの雲からやってきていると考えられています。

あまり聞き馴染みがないかもしれませんので、簡単に説明します。

エッジワースカイパーベルトとは、海王星軌道の外側の天体が密集した領域のことです。
かつて惑星とされていた冥王星も、今は準惑星でこのエッジワースカイパーベルトの一員とされています。
短周期彗星は、ここにある氷微惑星が他の天体の引力によって軌道を変え、太陽に向かってくると考えられています。

次に、オールトの雲とは、太陽から1万~10万天文単位離れたあたりを氷微惑星が球状に集まった領域のことです。
こんな場所があるのが、すごく不思議ですよね。
長周期彗星は、このオールトの雲にある氷微惑星が軌道を変え、太陽に向かってきていると考えられています。

このように遠くからやってくる彗星ですが、なぜほうき星と呼ばれるように、尾がついた姿をしているのでしょうか?

彗星はなぜ「ほうき星」の姿をしてるの?

彗星は、ほとんどが氷でできており、残りは塵やガスとされています。

太陽に近づくと、熱で彗星の核の表面が溶けて崩壊していき、塵やガスが表面から放出されます。
これにより、彗星の核はぼんやりとした光に包まれた姿に見えるのです!
このぼんやりした部分は「コマ」と呼ばれます。

では、尾はなぜできるのでしょうか?
実は、彗星には、2種類の尾が存在しています。
まず1つ目は、本体から出たガスが作る「イオンテイル」です。
ガスが太陽風に流されて太陽と反対の方向に延びることで、このイオンテイルが作られます。
2つ目は、塵が作る「ダストテイル」です。
塵もガスと同様に、太陽と反対側に延びますが、大きさや分布など様々な要素が絡み合って曲線状に延びます。

これらのコマや尾は、太陽から約1天文単位ほどに近づいたときに、目立って現れ始めます。
これにより、地球から美しい姿を観測することができるのです。

また、彗星が放出した中でも大きな塵は、彗星の公転軌道を回り続けます。
この塵に地球が突っ込むことで、流れ星となるのです。
彗星のおかげで、美しい流星群が見られるというわけですね!!

おわりに

今回のネオワイズ彗星は7月中旬まで明け方の北東の空に見えています。
中旬以降も、日没後の北西の空に見ることができるはずです。
明るさは徐々に暗くなっていくと予想されていますので、天気に恵まれた地域の方は観測されてみてはいかがでしょうか!

使用ソフトウェア: Mitaka

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