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まじめにやれよ!(一社)SVリーグ①

■なんで、どうしてこうなった?
 SVリーグ運営へのストレスと不安


 私は長年スポーツ観戦を趣味としてきたライターだ。サッカー、野球、そしてここ数年は主にバレーボール。その他のスポーツも、機会があればほいほい観に行く。
 観戦しにいく、配信を観る、情報をチェックする。それらは私にとってもう日常なのだが、そのくせ「観戦レポート」を書いたりしたことは、ほとんどない。スポーツはあくまでも「趣味」。だから「書かない」。そういう主義で楽しんできた。

 だが2024年10月11日(金)、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された「SVリーグ開幕戦」(大阪ブルテオンVSサントリーサンバーズ)に関しては、さすがに書かずにはいられなかった。あまりにも、開催前・当日に感じたストレスと、今後への不安がでかくて

 日本の、世界のトップを目指すはずのSVリーグ
 その歴史の第一歩、晴れ舞台になるはずだった開幕戦が
 なぜあんなにも冷めきっていたのか

 期待を込めて現地に赴いた1バレーファンの自分が、千駄ヶ谷に着いた瞬間から「おいおい大丈夫か…?」と感じ、会場に入ってなお、ずっと「なんでこんなことに」を検証するモードになってしまったのは、なぜなのか。

 正直、4日経ってもイライラと疑問がおさまらないので、多少文が乱れたり、お口が悪くなることもあるだろうが、そこはご勘弁いただきたい。
 あと、くれぐれもご理解いただきたいが、私はブルテやサントに文句をいっているわけではない。ただただ一般社団法人SVリーグに腹を立てている。

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■筆者のバックグラウンド
東北出身・都内在住/東京グレートベアーズ・VC長野トライデンツ・フラーゴラッド鹿児島(VリーグWEST)を中心に応援/代表戦含めて生観戦は年間20~30試合/フリーライター・編集者(ビジネス書、官公庁などの広報案件中心)

ハイキュー!!にはまって、家から一番近かったFC東京の試合を見に行く(2018-19シーズン)。生観戦の迫力に感動して応援するようになった途端、なんの説明もなくFC東京の休部が決定(このあたりも書きたいことは多々あった)。あごが外れそうだったが、ネイチャーラボ様の救済で生まれ変わった東京グレートベアーズを、引き続き応援している。

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■記念すべきその日、一度きりのその夜
 聖地に熱はなかった



 
まずこの記事を読んでほしい。当日、会場に充満していた不完全燃焼感について、ある程度率直に書いてある、数少ない記事だ。

https://sports.pen-and.co.jp/volleyball-sv-league-1st-match/

 これでも多少気を使っている印象だが、ほぼ同感である。

 個人的には、な~にが「大フィーバー」だ、やばいだろ。大丈夫かSVリーグ。なんでこうなっちゃったんだよ。以外の感想はない。
 理由は明らかで、完全に主幹であるSVリーグのせいだ。告知、チケット販売、メディア戦略といった事前準備から、当日の運営まで、なにもかもが酷すぎた。

 せっかくの晴れ舞台にケチつけんなよとか、これからなんだから温かく見守ったれ、と思う寛容な人もいらっしゃるかもしれないが、忖度なんぞするものか。苦労してチケットを手に入れて、わくわく出かけて、まったく楽しませてもらえなかった。これに文句を言わないなんて、そんな飼いならされたファンではない。
 もちろん、結果として「試合が凡戦」になってしまうことはままあるし、それはしゃーない。だが私が開幕戦で感じた不満・不安・ストレスは、ほぼ100%「試合以外」に原因がある。

 SVリーグは「世界最高峰を目指す」という目標を掲げて発足した、日本の新たなトップリーグだ。その一歩目が、バレー史に確実に残る一日が、こんなしょぼいなんて、誰が思ったろうか。
 もし自分がこの開幕戦の広報やプロモーションに関わってたら真っ青になってるし、その場でクビが飛ぶ覚悟をする。そんでスポンサー企業なら、来季は契約しない。
 そのくらいあからさまに「なにもかもダメ」だった。ただのスポーツファン視点でも、まがりなりにもマスメディアやプロモーションに関わってる人間視点でも。

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■ストレスが大きいほどハードルは上がる
 自らクビを締めた「事前」の不手際


 
そもそもの話、SVリーグ開幕戦は、情報公開された当初から、危ない気配がプンプンしていた。特に大きな不安要素はこの辺りだ。

①大阪を本拠地とする2大人気チームの
 開幕戦を、平日の「東京」でやる

 主幹はSVリーグ。どちらのホームゲームでもない。西田有志、高橋藍はじめ、代表選手を多数擁する超人気チームから、一番盛り上げたい開幕HGの機会を奪って、あえて「東京」で開催。しかも旅費の高い秋の3連休前の、平日ナイターで。
 要するに両チームの地元ファンに「休みとって遠征してこい」といっているのだ。無神経すぎる。

 もちろん、これについてはSVの狙いははっきりしている。いま日本で一番集客力と話題性のある2チームの対決で、バレーボールの人気とレベルの高さをガツンとアピールしたかったのだ。
 問題は、蓋を開けてみたら、その狙いがまったく伝わらない、お寒いイベントだったということである。


②チケット販売情報の公開が遅い

 会場となる東京体育館の最大収容人数はフルで1万人弱。人気カード×代表フィーバーで、チケット争奪戦が激しそうなのは誰だって予想できる。
 だからこそ、いつ、どこで、どんな形で発売されるのか。情報は早ければ早いほどいいのに、ま~出さなかった。発売後のグダグダから見るに、多分システム開発や運用テストがギリギリだったと思われる。

・8/28、一般発売方法発表
 ちなみにこの時点ですでに、両チームの関係者向けチケット(ファンクラブ会員向けなど)は先行販売している(割り当て枚数は不明)。
 チケット最高額は80,000円。たっか! だがまあそれはいい。値付けは自由。実際売れたようだし。

・一般発売開始は、9/11(水)12:30~
 わずか1カ月前のド平日、しかも真昼間から受付。何を考えているのか?

・販売窓口は新システム「チケットV」のみ
 SVリーグ専用に立ち上げたセールスサイト「チケットV」は、初取扱いが開幕戦。悪い予感しかしない。なお去年までの「Vチケ」も大概へぼだった。

・発売直後から鯖落ち
 チケットVのTOPにすら辿りつけず、緊急メンテナンス突入。しばらくして「再発売は本日18:30~」という案内があったが、本当に大丈夫なんだろうな?
 SNS上ではつながらない不満や、急なリスケに対応できないという怨嗟の声が渦巻く。

・9/11・18:30~再発売開始
 先着でも抽選でもなく、いったんウエイティングルームに入れられ、ランダムで販売ページへ案内するという謎の方式。
 いつ買えるのか、そもそも買えるのかすら分からないまま延々と接続しっぱなしで待機しなくてはいけない。数時間待たされ、つながった時には完売済という人も多かった模様。

・9/11・おそらく20:00前後には販売終了
 チケット購入できなかった人々の悲鳴と怒りがSNSで大爆発。

後日リリースされた、冗談みたいな言い訳がこちら。あのなあ

 ただ「開幕戦を見たい」「チケットがほしい」というだけで、これだけ無駄な時間を費やし、ストレスを強いられたのだ。
 人間は苦労した分、見返りを期待する。これだけのプラチナチケット、運よく手に入ったのだから、最高の体験ができるはず。そう思うのが人情だ。

 この時点でSVリーグは「めちゃくちゃ盛り上がる開幕戦にしなければ、満足してもらえない」という呪いを背負ったのだ。自業自得で。

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■特別感を醸成できなかった
 メディア戦略の下手さ、不親切さ


 ともかく、チケットは完売した。あとはもうTVや配信で見るしかない。
 そこで告知されたフジテレビによる「地上波生放送決定」には、「おお!」と思った。幅広い層が気軽に見て、バレーに興味を持ってもらえる大チャンスだし、視聴率が良ければ継続的にテレビ放映の枠を得られるかもしれない。

 その一方で私の中では「SV公式、情報発信やSNSの使い方がマジで下手くそだな…」という危機感が募りつつあった。まあVリーグ時代からそうなんだが。
 チケット発売時のグダグダである程度は覚悟していたが、あれから1ヶ月あるのだ。さすがに改善してくるだろう、そう思っていたのに期日が迫っても、開幕戦当日になにがあるのかという情報は一切発表されない。

 いつもの面子のメディア出演情報だけは連日流れてくるものの、肝心のイベントスケジュールが披露されないのだ。1週間前になっても、分かっているのはほぼ試合開始時間だけ。
 いや待て、開幕戦なんだぞ、なにかしら開幕宣言とか、まだサビすら聴かされてないが高名な人に頼んだらしいアンセムを使ったかっこいいPVの披露とか、別にいらんけどお偉いさんやタレントの祝賀コメントなんかが当然あるはずだろ? 過去の代表戦では、物販もアホみたいに時間かかったし。一体何時に行けばいいんだ?

 …と、困惑しながら待っていたものの、驚くべきことに、最終的な「当日情報(公式いわく)」が出揃ったのは、なんと10/10。開催前日、SV公式にひっそりとアップされた。SNSでの発信はない。まさかと思うだろうが、これが公式なのである。

移動中の人が、わざわざ公式サイトなぞ見てられるかという話

でもって「当日のスケジュール」として公開されたのはこれだ。

情報が薄すぎて驚愕

 ふわっふわすぎてうすら笑いしか出ない。具体的にいつ、誰が、なにをするのか、なにひとつ分からない。
 それでもごく普通に考えれば、この「17:00開場~18:40頃 アリーナ内演出開始」の時間を使って、大河代表の開幕挨拶や、観客のボルテージを上げるような施策があるのだろうと私は考えていた。

 選手入場前に挨拶か~とは思ったが、それでも絶対に「さあ待ちに待ったSVリーグが開幕します! 一緒に楽しみましょう!」的な大号令があると思っていたのだ。

ところが実際には、なにもなかったのである。


 私は年寄りなので、Jリーグ発足時や、Bリーグ開幕時のことも覚えている。あの日本中、スタジアムのある街中が湧くような祝祭感とか、なにか凄いことが始まるんだというワクワク感のようなものが、10/11の会場にはなにひとつなかった。

 なんなら千駄ヶ谷駅を出て、会場前の広場を見た瞬間に「えっ? 大丈夫か?」と思った。
 もう入場が始まっている時間なのに、人出は少なく、SVリーグ公式物販のそっけない白いテントがあるのみ。大して来場者が入っているわけでもなさそうなのに、品書きには完売のシールが並び、青い列整備ポールがむなしい。
 常々思うが、リーグのグッズなんて余るくらい搬入しろっつの、腐るもんじゃあるまいし、ありさえすればテンション上がった客に売れるんだから。

17:45頃の会場前。地味のひとこと。

 左右の奥側にはブルテとサントの物販ブースやのぼりがあったが、その行列(たいした長さではない)は駅前からは見えない。レプユニを着ている人も少ないし、にぎわっている感が全然ないのである。

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■「入場するだけ」さえスムーズにできない
   使い勝手の悪いアプリ


 話はちょっと前後するが、SVリーグのチケットを購入するには基本的に、先に述べた大炎上サービス「チケットV」を介さなくてはいけない。
 そしてさらに、入場時にチケットを提示するためには、チケットVの運営会社である「AXS」にもアカウント登録しなければならない。

 これがもう、とにかく分かりにくいのだ。

 チケVとAXSアカウントは連携しており、IDもパスワードも共通(のはず)なのに、入場口で表示しようとしてもできない。パスワードを忘れたか間違えたかと変更してみたら、ログインすらできなくなった、などのトラブルがあちこちで聞かれた。
 噂では「AXSのサービスはwifi接続に対応していない(自前のパケでつないだら表示された)」という、今どきありえないような解決方法が流れてきた。冗談だろ…?

  かくいう自分と連れも、見事にこのトラップにかかった。不安だったので、あらかじめ表示できるか試して、よし大丈夫だと現着したのに、なにも表示されないのである。

 結局、入場口でスタッフに声をかけ、席番を伝えてトラブル対応用のノーパソで購入履歴を確認してもらい、なんとか入場できた。この間約20分。
 確認後も、チケットの代わりになるような控えなどが発行されるでもなく「あ、確認とれたのでそのままどうぞ」である。いやほんとなんなんだよ…。スマホだけでなく、pdfを紙出力してきた人たちでさえ引っかかってるし。
 たまたま早めに到着していたので焦りはしなかったが、退勤後に駆け付けてこれをやられたらブチギレる自信がある。

 以前のVチケも大概だったが、チケットの購入対応や発券などの煩雑で金銭の絡む業務アプリを、自前で開発・運用・管理する器も能力も、SVリーグにはないと思う。バレーボール協会にもなかったし。
 いいから早くぴあやローチケに全面委託しろ。入場前からこんなくだらない理由でイライラさせられるのは叶わないし、とんでもない機会損失をうんでいると思う。

 そもそもチケットVもAXSも、ガラケー非対応のアプリだ。スマホ持ってないような人たちはSVリーグを見る資格などないってことなのか。長年チームを応援してるベテランファンだっているだろうに、システム設計が不親切すぎやしないか。

 せっかく興味を持ってくれた人たちを「入口」でつまづかせる。排除する。これは本当に最悪なんだという自覚をもってほしい。

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あまりに憤懣やるかたなく、入場前に5,000w超えてしまったので、つづきはまた改めて。まだ書いていないので、次の土日にアップ予定です。

#SVリーグ
#バレーボール
#スポーツ観戦記

10/18②アップ。
な~んにもなかった試合前のだるさよ…。まだちょっと続きます。



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nrtk
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