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NPUG愛媛 第二回“ローカル価値の再定義”

愛媛の価値は「人」。一生懸命な人には親身になって協力してくれるお遍路文化。

 松山が梅雨明けしたまさにその日、2019年7月24日にNPUG愛媛第二回イベントが開催されました。ゲストは、リバースプロジェクト共同代表の龜石太夏匡さんとリバースプロジェクトトレーディング代表の河合崇さん。

 参加者はリピータと初参加がちょうど半々の合計26名。今回も非常に刺激のある講演、ディスカッションと、活気のある交流・懇親の場となりました。

龜石太夏匡: 1971年東京都生まれ。学生時代から脚本家を志しながら俳優としても活動し、北野武監督「ソナチネ」等に出演。1993年、2人の兄とともにアパレルショップ「PIED PIPER」を渋谷で立ち上げ、ファッションシーンをけん引。その後、映画『カクト』『ぼくのおばあちゃん』『セイジ陸の魚』の脚本・プロデュースを手がける。2009年、伊勢谷友介と共同代表で「人類が地球で生き残るためにはどうするべきか」を理念に株式会社リバースプロジェクトを設立。

挫折禁止!つらい時に上機嫌でいられるか?

 まずは龜石代表にご自身の紹介とビジョンを熱く語っていただきました。

 俳優の父親を持ち、三兄弟の末っ子として育った龜石さんは20歳の時に二人の兄の立ち上げたPIED PIPERというファッションブランドを手伝うことに。
 ビジネスは順調で龜石さん自身も店舗を全国展開する責任者でしたが、30歳を手前に本当にやりたかったことすなわち映画製作の夢を追いかける決心をして、数十億円の売り上げがあったビジネスをばっさりと手放します。

 それから映画に専念しますがなかなかうまくいかない時期が続き、アルバイトをしながら脚本を書く日々が続きました。
 母親からもらう500円のお小遣いでたばこを買ったり、ラブホテルで掃除をしたりしているときしばしば情けなくなることがあったそうですが、そんな時「自分は今試されているんだ。この状態でいかに上機嫌でいられるか。」という風に考え直し、乗り越えたそうです。

 そして、その時の経験が今になってとても大きな財産になっていると。この考え方は、本当に素晴らしいと思いました。誰にもこういう時期や瞬間は必ず訪れると思います。そうしたとき自分にも同じことができるか?自問自答してしまいます。

時間とは命である

 そういう時期を乗り越えいくつかの映画も世に出し、俳優の伊勢谷友介さんとの出会いなどもあり順調に軌道に乗ってきましたが、そのターニングポイントの一つが愛媛県大洲市を舞台に撮影した「ぼくのおばあちゃん」という作品だったようです。
 ここで愛媛の良さに魅了され、またお金のために働くだけではなく、社会課題を解決するような生き方をすべきだと考えるようになりました。

 そして伊勢谷友介さんとともに、社会課題解決型ビジネスのリバースプロジェクトを立ち上げます。
 モットーは「挫折禁止」。今でこそSDGsが社会に浸透していますが、当時はなかなか理解されません。
 しかし、社会課題解決は未来のための大人の責任であるというビジョンをもとに百以上のプロジェクトを実行してきました。
 プロジェクトを進めるために必要なものは、カネ、労力、時間ですが、時間だけは取り返しがつかないと考えます。
 そして、時間とは命そのものであると。50歳を前にしてこの残された命を未来のために使っていきたい。
 そして、これまで生きてきて非常に大事にしているのが、縁。愛媛には深い縁を感じているので、できるだけ愛媛の未来にも貢献したい、と龜石さんはおっしゃいます。

河合崇: 1997年に京都大学経済学部経営学科卒業後、住友商事株式会社(繊維原料部)などを経て、2016年4月に、株式会社リバースプロジェクトトレーディングを設立。株式会社リバースプロジェクトの商社的な役割を担い、現在は四国地域商社として活動している。新しいシルク産業の創出を目指して「愛媛シルクプロジェクト」を展開、「伊予銀行ビジネスプランコンテスト2016」最優秀賞、「ふるさと名品・オブ・ザ・イヤー2017」政策奨励大賞(地方創生担当大臣賞)を受賞。

シルクのもつポテンシャルにしびれる

河合代表からは現在ご自身が進められているシルクプロジェクトについて紹介がありました。
 もともと商社に勤めていた河合さん。奥さんの父親の事業承継のために商社を辞めて今治に来ましたが、これは自分がやりたいことではないと感じシルク事業に身を投じます。

 きっかけは商社時代に携わった熊本のプロジェクトでシルクの可能性を感じたからでした。
 実際に調べてみるとシルクとは100年前には日本の一番の輸出産業で、中でも愛媛は全国でも上位のシルクの産地であったことが分かりました。
 また、シルクとは絹織物だけではなく、化粧品などの美容向けや食品添加物として価値が高いことを知ります。
 中でも一番しびれたのは、皮膚細胞や人工血管などの医療分野に使われていて、世界的に人の命を救う大きなポテンシャルがあるということでした。

愛媛の人たちの人柄がプロジェクトを加速

 これをビジネスにするために活動を開始。
 愛媛にある色々な企業や、行政を巻き込み、シルクを活用した商品を次々に生み出していきました。
 パン屋さんや、乳製品メーカーとコラボしたり、シルモアという化粧品事業を展開したりしています。この活動が色々なところで認められる中でリバースプロジェクトとして活動することになります。

 そして、これをさらに大きなビジネスにするためにはロビー活動が必要であると感じ、愛媛シルク協議会を立ち上げました。河合さん曰く、2016年に始めてこんな短期間でここまで至ったのも、愛媛の人たちの人柄によるものが大きいとのこと。

 河合さんにように頑張っている人には多く人たちが協力してくれる雰囲気が愛媛にはあると言います。もちろん河合さんや龜石さんのご尽力やパッションの賜物だとは思いますが、こうしたお接待文化は愛媛のローカル価値と言えるのかもしれません。

 お二人の登壇のあと稲見さんがファシリテーターとなってパネルディスカッションが展開されました。
 温泉や食べ物や自然以外にどんなローカル価値があるのか?それをアップデートするにはどうしたらいいかという話題で盛り上がりました。
 龜石さんからは、田んぼの草むしりを有料イベントにした話などを例に、埋もれた価値を見つけ出して形にする大切さが説明されました。また河合さんからは、行動に移す際にしびれる瞬間がありそのタイミングを大事したという話もありました。
 会場からも愛媛は僻地なだけに優秀な人が都会に流れないことが逆に優位性では?とか、沢山のコンテンツがあるのだからまずは我々がそれを誇りに思うことから始めるべきだという意見などがありました。

まとめ

 今回はローカル価値の再定義ということをテーマに話し合ってきましたが、この愛媛に住む「ひとびと」が大きな価値を持っているということが大事な気付きでした。

 昔からのお遍路文化や、歴史的に見て戦がなかったことによる穏やかな気質など色々な要因がありますが、この頑張っている人を助ける気質・文化をうまくコンテンツにして価値の再発見ができれば面白いのではと感じたイベントでありました。

 その後の交流会や、少人数での打ち上げの中でも同じような話でもりあがり、ぜひこれをアクションに結び付けたいとの声も多く上がりました。
 次回以降がますます楽しみです。最後に、龜石さん、河合さん、参加していただいた皆さん、誠にありがとうございました。

NPUG愛媛 事務局 永渕

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