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子どもを肯定的に捉えることができない保護者や先生にお伝えしたいこと③

前回までの流れ

保護者の皆様からいただくご相談で、

学校に行けなくなってから、我が子の成長が感じられないどころか今までできていたこともできなくなっている。
といったものが多いという話しをさせていただきました。

不登校という状態がそもそも望ましいものではないどころか、「人生の終わり」「まさかうちの子が」「死んだ方がマシ」状態になる程ネガティブに捉えられてしまうことは、すでに過去の記事でご紹介した通りです。

そして、そのネガティブなイメージが「成長」というものを感じさせられなくしているのならば、そもそも、

①成長とは何か

②成長を測る物差しは何か

③成長をいつからどのように測っているのか(測り方は的確か)

④というかそもそも成長って測るべきものなのか

⑤測るのならその目的は何か(それを本人は望んでいるのか)

ということを一緒に順番に考えていきましょうというご提案をさせていただくという内容を書きました。

昨日の記事は、こちら。

①の成長とは何か、について書かせていただきました。

今日は、②の成長を測る物差しはなにか、についてです。

正解がないから大事なこと

子どもと接する時、皆さんはどのようなことを大事にし何に気を付けていますか?

教育談義を始めると止まらない程この手の話しはとても好きなのですが、その理由として「教育には正解がない」ということが挙げられます。

その中でよく聞くのが、

「誉めて伸ばす」
「対話をする」
「受け入れる」

などです。

個人的にはどれも大切ですが意味をはき違えると別の問題が生じると、どの項目にも感じます。

例えば、誉めて伸ばすに関しては「誉める」ことが大事だと強調され過ぎて、思ってもみないことに体力を注ぎ大人側が疲弊したり見返りを求めたりする人をこれまで何人も見てきましたし、対話をするに関しては自分の想いを伝えることや相手の話を聞くバランスがとれておらず、仲介役が必要だなと思うこともよくありました。

それでも、相手のことを理解しようとしたり自分の想いを伝えたり、その子に寄り添った関わりをするために何ができるかという方向に目が向いていることはとてもいいことだと感じます。

一方で、学校教育の中でこれらは時として構造上排除されてしまう価値観なのかもしれないと思っています。

恐怖を抱く学校のイメージ

集団で効率よく教科学習を取り入れ学力を上げるために、相手の個性がないがしろにされたりそもそも個性そのものを主張できなかったりという場面が想定されます。

現にフリースクールに相談に来られる方々の話しをお聞きしていると、学校とのやり取りがうまくいかずどちらの主張も互いに届いていないと感じることが多々あります。

子どもたちも、自分が受け入れられていないと感じる経験から、大人への不信感や学校に対する嫌悪感が高く、学校をイメージさせるもの(例えば職員は先生なのかとか黒板の有無、授業スタイルや服装など)を見学の際に確認をしなければフラッシュバックを起こしてしまうという子どもまでいます。

そんな経験をさせてしまうものが学校にあるとすれば、その理由の一つに、評価が関係してくると考えています。

学校教育は構造上とにかく〇が少なすぎる

「廊下を走ってはいけません」

「忘れ物をしてはいけません」

「給食は残してはいけません」

色んな✖の行動が決められ制限される学校生活。

あれだけの集団の中で大人の数も時間も場所も広さも限られているから当たり前と言えばそれまでですが、理想とされる行動から外れるととにかく人格から引き算をされる感覚が当時の私にもありました。

それよりももっと目を向けてほしいところ、〇をつけてほしいところがたくさんあるのにできないのは、先生方の力量に左右されると感じることがよくあり、逆に言えば構造上仕方のないことなのかもしれないと諦める保護者の方も多くいらっしゃいます。

物差しの選択肢

算数が教えてくれる「物事は多面的に捉えることで気づかない答えに到達することがある」ということが教えてくれるように、子どもたちにも色んな見え方があり色んな個性があるので、大人はそれをもっと多面的に捉えて教育上正解とされることに早く到達するという曖昧な目標に左右されず、その子に合わせた物差しをいくつも用意してあげることで社会の多様性を教えてあげてほしいと思います。

「学校に行かないと社会で通用しないぞ」という主張はもう5万年前に嘘だと証明されていますが、学校を小さな社会というのならばちゃんとその物差しの選択肢を子どもにも大人にも用意してあげてほしい。

それができれば、「この子の成長を感じられない」なんてことにはならないはずです。

だって、全ての子どもは毎日必ず何らかの成長を遂げていますから。


最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

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