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【開催報告】学生介助者リアル交流会

遅くなりましたが・・・
8月に開催した、熱いイベントの開催報告です!!

学生介助者リアル交流会
~学生ヘルパーが本音で語り合う~

概要

  • 日にち 2024年8月24日(土)、25日(日)

  • 場 所 ホテルグランドヒル市ヶ谷

  • 1日目【内 容】 学生介助者の魅力と現実を広めるシンポジウム

  • 1日目【参加数】 会場80名、配信動画再生回数214回

  • 2日目【内 容】 役立つ勉強会&悩みを深堀りするワークショップ

  • 2日目【参加数】 会場57名(スタッフ含)

  • 主 催 NPO法人境を越えて

  • 助 成 公益財団法人三菱財団

1日目のみ配信をしていました。
当日のご参加、ご視聴が叶わなかった方、振り返ってもう一度ご覧になりたい方は、ぜひアーカイブ動画にアクセスしてください。


1日目

企画者の想い

悩みながらもヘルパー活動を頑張る学生同士で、活動の成果発表とお悩み共有を行いました。学生ヘルパーが「自身の活動を振り返る」とともに、「全国の仲間の頑張りを聞いて活動に励みにして欲しい」という願いがありました。

基調講演1

学生ヘルパーの強みを生かして~橋本操さんから受け継いだこと、繋いでいくこと~

原山さんからは、学生ヘルパーのはじまりの時期のリアルについて、またその時の経験が今にどのように活きているのかというお話を、たくさんの思い出のお写真とともに振り返っていただきました。

原山あかねさん(日本ALS協会理事、日本ALS協会長野県支部事務局長/ケアマネージャー)


シンポジウム

発表の様子はぜひアーカイブをご覧ください♪
また、『学生ヘルパー応援ぶっく』にも6チームが協力してくれているので必見です!!

① チーム岡部@東京
岡部宏生さんのもとで学生ヘルパーをしている2名が発表してくれました。ブラックジョークに笑って良いのか…?など岡部さんならではの戸惑いの話もありました!

② Colorier ALS(コロリエ)@長野
赤沼さち子さんの学生ヘルパーをしている3名が、赤沼さんと介助者さんと一緒に長野から来て発表してくれました。学生ヘルパー経験を経て、相手のために何をするべきか常に考える習慣が身についたそうです!

③ チーム増田@京都
増田英明さんのもとで学生ヘルパーをしている2名が、増田さんとパーソナルアシスタントさんと一緒に京都から来て発表してくれました。コミュニケーションを取ることが難しくなった経験から、増田さんに合ったコミュニケーションを模索していたそうです。暖かな関係でつながっているチームの実践を教えていただきました。

④ チーム巽@京都
巽(たつみ)亜樹さんの元で学生ヘルパーをしている3名が、巽さんとパーソナルアシスタントの方と一緒に京都から来て発表してくれました。「仲間」のような関係性というお話が印象的でした!
なんと巽さんは発病後初めての新幹線&外泊だったそうです・・・!

⑤ チーム永井屋@埼玉
永井誠さん(2021年ご逝去)のもとで学生ヘルパーをしていた3名が発表してくれました。3名は当時の経験を経て、現在も介助者として活躍しています。外出して活動することも多かった永井さん、戸惑いながらもヘルパーとしての自身や達成感にもつながったそうです。

⑥ 川崎リンクス@神奈川
高野元さんと杉田省吾さんのもとで学生ヘルパーをしている9名が、高野さん・杉田さん・介助者さんと一緒に川崎市から来て発表してくれました。
川崎リンクスは、川崎市立看護大学公認のサークルとして活動している、学生ヘルパーと学生ボランティアたちです。サークルでは1-3年の学生が32人も活動しているそうです!


リアルBar境

月1回OPENしている会員限定のオンライン交流会、Bar境を「現役学生介助者・卒業生ごちゃまぜ交流会」としてリアルでOPENしました。
学業との両立や緊急時対応、家族との関係や距離感、、などなど事前に寄せられた現役学生ヘルパーのお悩みや、参加者の感想・質問を取り上げて、会場にいるみんなで語り合いました。

ママ(写真右・コーディネーター)と社会人ヘルパーの皆さんからアドバイスを頂きました


基調講演2

~これまでの福祉施策の背景と福祉に関わる若者に望みたいこと~

照井さんからは、学生ヘルパーにも関係のある障害福祉サービスの背景や将来の見通しについてをお話していただきました。すべて税金で賄われている障害福祉サービスの持続可能性を考えなければ、と思いました。

照井直樹氏(厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 課長補佐)

おわりの言葉

今日は、学生の皆さんの発表でまっすぐな思いを表明してくださって、期待と希望を抱くことになりました。
発表で「生活することが好きになった」という言葉がありました。新鮮で良い言葉だなと思いました。今日、私は生活してるんだ、といったことを思うことはなかなかないし、意識もしない。
ただ、当たり前で普通の生活がいかに大切かということを私たちは知っていると思います。それが手に入らない人がどれだけいるか、ということを私たちは知っている。
障害であることの他にも戦争や被災されたり、生活困窮にある方とか、当たり前の生活が当たり前でない人に思いを馳せることができる私たちでもあると思います。
私たちは昨日と同じ日のようでも体は変化して、気持ちも変化している。それに悩みながらも真剣に向き合ってくれる学生の存在は、本当に期待を持って身近に感じました。
ヘルパー経験を持ってそれぞれの道に進むみなさんに寄せる期待もあります。社会課題を意識されているというのも、頼もしく思いました。
希望と期待と感謝と精一杯のエールを込めておわりの言葉にさせていただきたいと思います。

共同代表 佐藤裕美(左)

参加者の声

・他の学生ヘルパーが同じように困り、同じような楽しみを持っていたことが印象に残った。
・学生一人の力は微力かもしれないが、たくさんの学生が集うことで社会の役に立つことができ、活動を通して社会に大きな流れをもたらす若い強力なパワーとなり得ることを実感した。
・学生さんが生き生きと発表する姿に、未来への大きな希望をいただきました。

実施後アンケートより


会場に来てくださった皆様ありがとうございました!

今回皆さまにご参加いただいたのは1日目のみでしたが、たくさんの方に関心を持っていただくことができました。
終了後には「うちも学生ヘルパーさんを集めてチームを作りたいんですけど・・・」というご相談もいただきました。
ご参加・ご視聴くださった皆さま、ありがとうございました!

登壇者・ご参加の皆様での集合写真


2日目

企画者の想い

1日目に共有した活動に関するお悩みについて学生ヘルパー、卒業生、大人ヘルパー、当事者の方々を含め交流会を行いました。
日頃の悩みを相談できる場を設け、学生ヘルパーが前向きな気持ちで活動に取り組めるようにしたいという願いがありました。

役立つ講義

学生ヘルパーを対象に、カリキュラム化プロジェクトから現役介助者による「介助者の視点」、生活力向上講座から現役理学療法士による「知っておきたい体のこと」の講義を行いました。
学生からは「更に勉強したい!」という声もたくさん聞かれました。

ワークショップ

社会人ヘルパーがファシリテーターとなって、ワークショップを行いました。
全国各地の現役の学生ヘルパー・元学生ヘルパーを4つのグループに分けて、「継続性」「関係性」「コミュニケーション」のテーマで、悩みを出し合い、それに対する解決策を話し合いました。

最後に各グループのシェアタイムを持つも、「時間が足りない!!」と終わったあとも熱が冷めやらない様子でした。

時間ごとにテーブルのメンバーが入れ替わるようにし、全国の仲間と交流の機会にもなりました。

発表の様子
学生ヘルパーの継続性については個人として、チームとしての継続の両方の視点が出ていました

学生たちがワークショップをする中、当事者の皆さんもグループとなり、学生ヘルパーについて語り合いました。
他のチームの様子を聞く機会がなかなかないのは当事者の皆さんも同じ。良い機会になったのではと思っています。

当事者グループのメモ
当事者グループのメモ


参加者の声

・学生の頃、誰にも相談できずに悶々としていた時期がありました。今回も似たような話題が多く出てきましたが、一緒に考える仲間やアドバイスをいただける大人がいることがとても心強いのだと再確認しました(卒業生)
・思ってること、悩みや不安、喜びも大人ヘルパーと変わりないことが多いな、ということが印象に残った(当事者)


★皆様ありがとうございました★


『学生ヘルパー応援ぶっく』

はじめてのリアル開催を形に残すべく、企画者2名が中心となって『学生ヘルパー応援ぶっく』を作成しました!

1日目のシンポジストとして発表してくれた6つのチームが、「ヘルパーの1日のスケジュール」「ヘルパー活動を通して得たもの」「ヘルパー活動における戸惑い」をまとめてくれました。
そんな学生たちに対して、当事者の皆さんも想いを寄せてくださいました。

また、2日目のワークショップで語り合った内容もわかりやすくまとまっていますので、アーカイブとあわせてぜひご覧ください!!


フォローアップ「Web座談会」開催予定

2日間の開催でもまだまだ語り足りなかった本イベント。また、当日の参加が叶わなかった方々もいました。
フォローアップ企画として、年明けには「Web座談会」(キリン福祉財団助成事業)を開催予定です!
ぜひお楽しみに♪


おわりに

どうしたら学生介助者の魅力を伝えられるか?
継続していくための仕組みづくりをしていきたい!
これは本企画の最大のテーマでした。
重度身体障害の当事者の方が地域で暮らしていけるための一つの役割である、学生介助者という存在は20年以上も前から存在しています。
それは、時代を越えても続いており、基調講演1では原山あかねさんより「学生ヘルパーだった強みを生かして~橋本操さんから受け継いだこと、繋いでいくこと~」と題して昔の学生介助者の実際、今のご自身の生き方の土台となっていることを教えていただきました。
また、基調講演2では照井直樹氏より「これまでの福祉施策の背景と福祉に関わる若者に望みたいこと」として、学生介助者が成り立つ背景要素、社会的な役割の意義をご講演いただきました。
基調講演が本プロジェクトに深みを与えてくださったことに心より感謝申し上げます。

2日目の深堀交流会では、現役生に近い視点を持つ卒業生、アドバイザーとして特別なスタンスとスキルを持つ介助者の方々と、多くの皆様に参加頂きました。
現役学生の悩みを引き出し、自身の体験も踏まえてアドバイスしていただいたことは継続していくための仕組みづくりの一つになったと考えております。
「テーマに対しての時間がたりない!」「もっと話したかった!」という声は、間違いなくこの場が学生介助者にとって必要な瞬間になった証だと考えております。
今後も、境を越えてでは『学生介助者交流会』プロジェクトや『マッチング&フォロー』プロジェクトにて、学生介助者を育成・継続していけるような活動をしてまいります。
note記事やSNSで引き続き私たちの活動を紹介してまいりますので、是非ともご覧になってください!

共同代表 佐藤裕美(左)、事務局長本間里美 (右)
企画者の学生ヘルパー卒業生、伊藤颯希さん(左)・萩原はるかさん(右)
本当にありがとうございました!!!


本イベントは三菱財団の助成事業により開催しました。


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他にも様々な活動をしているので、他記事もぜひチェックしてみてください☆
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