気功生活 Vol.145 〜2024.11.11
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遍く照らす 天野泰司
秋冬の養生
特集 目の気功
簡単・目の気功
〜禅密版・目の気功
The Book of Life 10/18・11/10
禅密高野山合宿 報告
講座ノート 冷えを抜く
立冬 吉田純子
気功の学校2025募集 ・お知らせ
遍く照らす
天野泰司
高野山合宿から戻って、しばらく心地よい余韻が続いています。11月初旬にしては暖かで体もゆるみやすく、和気藹々とした雰囲気の中、2日間があっという間に過ぎていきました。
地球環境の変化
会場の大広間で「遍照」と書かれた額が、ふっと目に飛び込んできました。
「遍照金剛」は、空海が師匠の恵果阿闍梨から授かった法号。恵果の師は不空金剛、その師は金剛智ですから、遍く照らす「遍照」こそが、空海のために選ばれた密号だといえます。
密教の普及が皇帝の権威と結びついた時代にあって、恵果は空海の能力を
見抜き、密教の本質を貴賤の別なく伝えられることも期待したのでしょう。
そしてそれは、見事に的中しました。
空海は、密教の範疇に収まらず、日本初の総合大学にあたる「綜藝種智院」を創設して庶民に学問の門戸を開き、満濃池を改修し、文化的交流を通じ
天皇とも親しくなるなど、多方面に秀でた活動で人々の心をつかみ、
それは全国津々浦々に広がる大師信仰に繋がりました。
秘伝直伝が多く、限られた集団内での研鑽になりがちな密教が、日本的な自然信仰とも結びついて、庶民に慕われる教えへと開花しました。
そうした意味では、中国で代々伝承された密教の流れを「気功」として公開、普及した劉漢文先生の功績も大きなものです。
そして今、私たちは、劉先生から学んだ禅密功を、さらにやさしく、誰もが学びやすい形に開いていこうとしています。
背骨と性
教室では、禅密の基本功をさらにやさしく「波の動き」として行います。
「ふりこ」で適度に力が抜け、心が穏やかになった後に「波の動き」を
続けると、背骨が波打ち始めると同時に自然との一体感が生じ、
禅密功が上手くできた時と同様の、心身の深い開放感をやさしく味わうことができます。
3・11の震災をきっかけに生まれた「心がおちつく やさしい気功」もまた、禅密功の真髄を体験する流れになっています。
ゆっくり手をなで、顔を洗い、頭をなで、耳をこすり、ほっと胸をなでおろす。何一つ特別なことのない日常的な動作ですが、ゆっくり繰り返すうち、大脳緊張がほどけてリラックスが深まり、同時にゆっくり連続した背骨の動きが誘導されます。
首を回しはじめると、本格的に背骨が動きだし、しなやかに体をゆらす
「禅密の動き」へと自然に繋がります。
ゆっくり息を吐き、私を抱くように胸にてあてする頃には、深いゆるみの中で呼吸も深まり、ただ心地よさに集中でき、
足腰をなでさすり、お腹に手をあてて「うん、大丈夫」とつぶやくことで気が下腹部に収まって安定し、普段の意識にさっと戻ります。
自他を傷つけてしまうような争いや心の葛藤の、ほとんどの原因は
「性のつかえ」だと言えます。
背骨が自ずと動きだすことで、性エネルギーの自然な昇華と、
潜在意識レベルの深層意識の変化がすらすら進むのは驚きです。
さらにやさしく5分ぐらいで、お茶を淹れて一息つくような、最小限のセットも考えています。
幸せな人が増えていく
劉先生の言葉を借りれば「やさしくて簡単なのが大乗」。
大乗とは、私だけの悟りや幸せではなく「全ての人の幸せを目指す」こと。誰もがやさしくできる方法が生まれれば、自分で健康で幸せになる人が
増え、「世界が全体幸福になる」流れは一気に高まる訳です。
2025年「気功の学校」の、募集が始まります。
さらにやさしく、わかりやすく、初心に戻って学びを始めます。
やはり、教室で直に伝わるものがあります。
そして、新しく生まれるものがある。
基本を深めようとすればするほど、担任の私自身が気づき、新しい発見が多いのです。
新入生、再受講生共にお申し込みを心からお待ちしています。
自らの輝き、いわば「自然性」に気づき、その光を遍く広げていきましょう。