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自由な心は謙虚さを持つ

The Book of Life
3/1のテーマは
A Free Mind Has Humility

 J.クリシュナムルティの言葉を、
 一日一ページ 、365日分に編集された本
 「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
 気功的な補足や解説を添えています。

 和訳&補足解説 天野泰司


和訳

心理的な依存について、深く透察したことがありますか。
その問題に深く深く入っていけば、
ほとんどの人が非常に孤独だということがわかるでしょう。
私たちの大部分は、これほど表面的で虚ろな心を持ち、
愛ということの意味を知りません。

そのために、
この寂しさから、この不満足から、この生活の窮乏から、
何らかのものに執着し、家族に執着し、依存していくのです。
そして、妻や夫が自分に背を向けると嫉妬します。
嫉妬は愛ではありません。
ところが、社会一般に愛として敬われているものの実態は、
このような依存的な家族愛なのです。
それは、自己防衛、自己逃避の別の形でしかありません。
あらゆる形の心理的抵抗が依存を助長しているのです。
そして依存している心は、自由たり得ません。

あなたには自由が必要です。
自由な心には謙虚の本質があります。
心が自由であれば謙虚さを持つようになり、
謙虚であるから、学ぶことができるのです。
自分を護り、抗しようとする心では、学べません。
学びとは、並々ならぬことです。
学びは知識を溜め込むことではありません。
知識の蓄積とは全く別のことです。

いわゆる知識的な学習は、
既知から既知へと思考を働かすだけですから、比較的簡単なことです。
しかし「学ぶ」ということは、
既知のものから、未知のものへと転じていくことです。
あなたは、ただこのように未知を学ぶ。
そうにちがいないですね。

J.クリシュナムルティ  訳・天野泰司


自立と謙虚さ

NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司

自分でなんでもできることを
自立と取り違えることがありますが、
それは、どちらかというと
自己中心的で傲慢な考えに結びつきやすく、
むしろ、自分は何ができて何ができないのかを知り、
謙虚でありながら、持っている力を十全に発揮できる人こそが
本当に自立しているのではないかと思います。

自分の思う通りコントロールしたいと思っても、
大自然の摂理に人間が抗することはできません。
人は生まれ、老い、死んでいく。
未だかつて、人工的に生命を生み出すことにも、
老いを止めることも、死を回避することも、
誰も成功していまぜん。

なのに、自然の流れに逆らって、不老不死の妙薬を求め、
永遠の生命や栄華を我がものとしようとする例は後を絶ちません。

権力者にありがちな
このような愚かさを批判し、笑うことはできても、
自分の中にある、自然への抵抗は
多くの方が当然のものとして見過ごしています。

例えば、風邪を引いたら、
薬を飲んでできるだけ早く症状をなくそうとする。
これは、自然の流れに沿っているのか、
あるいは自然に抵抗しているのか。

隙間時間があれば、
うつむいた姿勢でスマホ画面をスクロールする。
これは、体にとって自然なのか、
あるいは自然を乱しているのか。

そうした視点で見ていくと、
私たちは、毎日毎日、
自然の流れに逆らって、無意識のうちに無理や努力を重ね、
不必要に体を酷使していることがわかってきます。

では、どうすれば、この不自然なことの積み重ね、
言い換えれば、努力と葛藤の絶えない毎日から離れ
自然の流れに沿って、ちょうどよく
生活を送ることができるのでしょうか。

私たち気功協会が持っているビジョンは明確です。
まず、からだの中にある自然の働きに目を向ける。
そして、余分な力を抜いて、心身を十分にゆるめる。
すると、体の感覚が働き出して、自らの内にある自然との対話がはじまる。

こうして、体の声に素直にに耳を傾けるようになると、
意思や思考でコントロールしようとしていた時よりも、
身の回りがスムーズに流れていることに気づくでしょう。

不安や葛藤が減り、
外からの情報に振り回されることも、
病院や薬のお世話になることも減っていくでしょう。
それは、本当の意味での自立が進んでいるからで、
こうした自立した人が増えていくことで、
力ずくで何かをしようとすることもなくなっていくので、
人と人との対立や争いも減っていくでしょう。

なんの先入観もない素直で、謙虚な気持ちで
まず全てと向き合う。
そこが、スタートのように思うのです。








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