逃避が葛藤を引き起こす
The Book of Life
8/26のテーマは
Escape Breeds Conflict
J.クリシュナムルティの言葉を、1日1ページ 、365日分に編集された本
「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
気功的な補足や解説を添えています。
和訳&補足解説 天野泰司
和訳
私たちは、なぜ野心を抱くのでしょう。
なぜ成功者になりたいのか。なぜ必死になって人より勝ろうとするのか。
なぜ一生懸命、自己主張しようとするのか。直接的な自己主張だけでなく、イデオロギーや国家を通じての自己主張も、全てです。
この自己主張こそが、葛藤と混乱の主因なのではないですか。
野心がなければ滅びてしまいますか。物理的に生存するために、野心がなくてはならないのですか。
なぜ私たちは、こうも小賢しく、野心的なのでしょう。
「ありのままであること」を避けようとする衝動こそが、野心なのではありませんか。
この利口さは、私たちのあり方そのものですが、本当に愚かなことではないでしょうか。
「ありのままであること」を、なぜ恐れるのでしょう。
たとえどんな私であったとしても、「ありのままの私」はいつでもそこにあるのですから、そこから逃げて何のいいことがあるというのでしょう。
もし仮に本来の自己からの逃避に成功したとしても、ありのままの私は依然としてここにあるのですから、葛藤と苦悩が生じます。
なぜこうも孤独を恐れ、何もないことを恐れるのでしょう。
「ありのままであること」から離れようとするのは、たとえどんなことであっても、悲しみと対立を引き起こさざるを得ないのです。
葛藤とは、「ありのままであること」の否定、あるいは逃避です。
それ以外の葛藤は存在しません。
葛藤がどんどん複雑になり解決困難になっていくのは、「ありのままの私」と向き合っていないからです。
ありのままであることに、複雑さは皆無です。
私たちが求めてやまない数々の逃避の中にだけ、複雑さがあるのです。
J.クリシュナムルティ 訳・天野泰司
先天と後天
より速く、より強く、もっと多く。
私たちは先へ先へと向かって急ぎますが、
そうして焦って前に進もうとすること自体、
現在の自分をどこかで不満に思い、否定していることの現れでもあります。
そうした意図的な努力を積み重ねていくのが、いわば後天の世界で、
その土台には、努力や進歩とはむしろ反対の側にある、
元からある純粋で天然の状態、
いわば「先天の世界」がずっと続いているでしょう。
NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司
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