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広がるタイル学習

「タイル学習の未来」

幼児の数学習、小学生の算数、そして中学生の数学と幅広く活用できるタイルは、子ども達の力強い味方です。タイルは数を実感出来ます。1のタイルを置きます。次に1のタイルが10集まります。長方形の10のタイルになります。10ずつまとまって位が変わるので十進数と言います。10が10集まると百です。また長方形になります。百が10集まると1000、次第に部家や教室では置けなくなります。このあたりから1万がどれだけ大きな数であるかを実感出来ます。この様な、数を体感、実感出来る学習はとても大切です。子ども達は、お正月にお年玉を貰います。その金額も不況とは言え驚くほどです。自分の貰ったお金がどれだけの量か、タイルに置き換える事で学習出来るはずです。

セミナー修了後、「タイルを繋げていくと数を実感します。」と保護者の方が仰いました。「先の位にまで繋げていっても良いですか」のご質問にはすかさずOKサインです。そこで、「その逆も面白いですよ。」とお伝えしました。最初は「?」と戸惑われていましたが、「あっ!小数ですね」と満足そうに仰いました。その通りです。1を10等分した一つは0.1です。数の構造を理解できる、タイルは優れものです。

差を求める引き算があります。「7と5、どちらがどれだけ多いですか。」と言う問題では、上下に7と5を並べます。違いは一目瞭然です。ここで、合わせて幾つと聞きます。こたえは12、5と5で10ですから答は直ぐに出てきます。この様な指導を繰り返し行っていると、それは後から出てくるテープ図に投影されます。そして、問題は和差算へと発展します。無理のない指導がこうして展開されていきます。具体物なら何でも良いのではありません。こうした先でも使用出来る教具でなければなりません。

タイルの面白さは面積にあるように思います。面積の問題として子ども達渡すより、タイルの応用として渡す方が、同じ問題でも活き活き解いているように感じます。まさしく、幼児期のフィジカルトレーニングとしてのタイルから、量を感覚として理解できるイメージトレーニングへと変化していきます。すると、タイルでどんな問題が図式化できるのか様々な問題にチャレンジしたくなります。タイル学習は今後ももっと広がっていくでしょう。それは、論理性と創造性の世界を作り上げてくれます。とても楽しみな学習です。

2013/3/1


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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