分かりにくい消防法(日本の防火に関する規定)
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分かりにくい消防法(日本の防火に関する規定)

中野秀作

 我が国の防火の規定である消防法、一度は耳にしたことがあるとは思いますが、技術的法規であるため、数回携わっただけでは中々頭に入ってきません。また、解釈自体を誤ってしまう場合も多々あります。そのため、正しく守られていない場合もあるほか、防火に関する設備等はあくまでお守り的要素が強いものであることから、分かっていても意図的に守られないことも残念ながら多くあります。

 一方で、消防法違反が火災に繋がり、多くの死傷者を出して、建物オーナーなどが責任を問われることも多くあり、現に皆さんの記憶にある歴史的な火災では、火災建物の関係者に罰金や数億円の賠償金が命じられたようなものもあります。法律というものは、最低限のルールであるにもかかわらず、制度の複雑さ、また、法令の構成、書きぶり等から、消防職員、防災関係業者等専門的な業務に携わる者ですら正しい知識を上書き保存していく作業は簡単ではありません。

 とある制度に係る条文を見て、「この法令は、本当に人に理解させる気があるのだろうか?」そういったことを感じたことがある方は多くいらっしゃると思います。「要するにどういうことなの?」「何が言いたいの?」一般の方が知りたいのはそこであるにもかかわらず、法令の条文では、”○○以外のものを除く”とか”2人以上の場合を除く”など、本当に国の役人は、頭が堅いなとか、本当に国民に理解させる気があるのだろうかなどと感じたことがあるのではないでしょうか。

 しかし、これも法令改正等の作業というものに実際携わって経験してみなければ分からないことですが、法令もあらゆる経過を経て現在の体系があるわけです。いわば生き物というか、一生そのまま変わらないという保証があるものではなく、そこを何か問題が生じたり、事件事故が発生すると改正して規制強化したり、また、緩和したりという必要性が出てきたりします。そういった流れの中で、一つを変えてしまうとそれよりも下位の法令の様々なところに影響が出てきてしまうということが多くあります。また、条文を100人が読んで100人とも”AはA”、”BはB”としか解釈することができないように条文を作りこまないといけないわけです。そうなってくると、これはもうテクニカルな部分ですので、条文自体が複雑になったり、読み込みにくくなったりということが必然的に生ずるわけです。つまり、あのような難解な作りこみというのは、ある程度は仕方がないことなのだと半ばあきらめるしかないということもある意味事実ではあります。しかし、それでは国民に対して優しくない。

 このことから、本稿においては、消防法の規制・基準等を分かりやすく説明しながら理解を深めていき、それによって、消防法が正しく理解されることを目的とし、そして、その結果、消防法令がよりよく守られていくような世の中になっていくよう期待を込めて執筆するものです。

 執筆時においても、日本中のどこかで火災は発生しています。その中には、起こるべくして起こった火災、不慮の事故、防ぐことができなかったもの様々あるかと思いますが、唯一確実に言うことができることとしては、「火災は人的な対策措置でその発生を低減させたり、又は、発生させてもその被害を軽減させることができる災害」です。地震等の天変地異は、なかなかそうはいきません。

 正しい消防法令の知識をつけて、正しい対策を採ることが火災の発生や死傷者の減少へつながると信じて、次稿から、分野ごとの解説をしていきたいと思います


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中野秀作
★全国対応★Nプラスコンサルティング株式会社、防火管理外部委託センター【yahoo知恵袋認定専門家】 ☆消防法に係る問題を解決☆DM可 総務省消防庁を含む消防行政での経験知識を活かして防火防災のコンサル業務を実施。防火管理者の外部選任事業も行ってます。