機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットの関係01_-_コピー

年間170商品を作るメーカーの商品開発チームが、実際に行っているポジショニング戦略の具体例!

こんにちは!

セクシャルヘルスケアの『LOVECOSME』を運営している株式会社ナチュラルプランツのブランディング・チームです。

今回の記事では、実際に私たち商品開発の現場で行っている『新商品のポジショニング』についてお話します。

『LOVECOSME』の商品開発の特徴は、このポジショニングを駆使して、情緒的なベネフィットを使って他社との差別化を徹底させる点にあります。

そして、そのような商品を年間に170アイテムを作っており、そこにオリジナリティ溢れる商品を生み出し続けるポイントがあります。

この記事を読まれる前に、セクシャルヘルスケア市場を創造した「LOVECOSME」ブランディング実践事例を大公開!を読んでいただき、弊社のマーケティングの基本戦略であるSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)の手法を先に見ていただくと分かりやすいかと思います。

それでは、実際にメーカーの新商品開発の現場で行われているポジショニング戦略をご紹介します!

1)潜在ニーズの捉え方


わたしたち商品開発のスタッフは、常にお客様ニーズを探しています。どんなに面白いアイディアを思いついたとしても、それがお客様のニーズと合致しなければ、商品化しても支持されるような商品になりません。

ニーズとは
一般的にニーズとは、お客様の持つ未充足な欲求、不満・不安・退屈など含まれます。さらに顕在化されたものだけではなく、お客様が気づいていない潜在的なものも含まれます。

わたしたちのブランドにおいて、このニーズの探し方が商品開発スタッフの腕の見せ所です。新しい市場を創造することがブランドの目的でもあるので、顕在ニーズではなく、潜在ニーズを探すことに注力します。

ここの2つの違いを社内では明確にしています。お客様自身が自覚して、言葉などに出しているのが『顕在ニーズ』で、アンケート調査などでも出やすいです。

そして、お客様が気づいていないニーズが『潜在ニーズ』です。言われてみて、はじめて欲しいと思うようなものです。

この『潜在ニーズ』の発見方法ですが、弊社の人気商品であるヒップスクラブ『プリリーナ』という商品があります。

画像5


この商品は、ヒップ用のスクラブです。お尻のぶつぶつやザラザラをケアする商品ですが、普通であれば顕在ニーズの商品に分類されます。

しかし、わたしたちはこのヒップスクラブ『プリリーナ』を単なるヒップケアのアイテムとしては販売していません。

開発スタッフは「バック(後背位)の時のお尻は、彼氏に見られている」という潜在ニーズを探り当てて、その今まで気にしなかったニーズを満たすアイテムとして特化して開発しました。

自分のお尻を見る機会は多くなく、さらにそのお尻がパートナーとのラブタイム(特に後背位)でじっくり見られているということを知ったら、「恥ずかしい…」しっかりケアしなければと感じます。

この潜在ニーズを見つけ出したことで、この商品は発売後、瞬く間にヒット商品となりました。

ヒップスクラブ「プリリーナ」のニーズの違い01 (1)

▼顕在ニーズ
お尻のぶつぶつ、ザラザラ、たるみなど

▼潜在ニーズ
バック(後背位)の時のお尻は、彼氏に見られている

もし、お尻のぶつぶつやザラザラをケアする商品として初めから開発していたら、ここまでのヒットにはならなかったと思います。

このように、商品開発者が潜在ニーズを探り出すことが、独自のポジションをとる第一歩です。弊社スタッフは、ここを発見するために、常にアンテナを張って調査などをしています。

ニーズ発見のポイントまとめ
リサーチでは、顕在ニーズと潜在ニーズのそれぞれを言語化する

次に、その発見したニーズを具体的に企画にて『ポジショニング』にどう活かしていくのかを見ていきましょう。

2)ポジショニングは2つの視点から出来ている


商品のプランニングにおいて、『ポジショニング』はとても大切です。ポジショニングとは、ターゲットとなるお客様に、商品イメージをどのように位置づけるのかを決めることです。

ポジショニングには2つのポイントがあります。

1)ユーザーベネフィット
2)差別化のポイント

ポジショニング構造01

『ユーザーベネフィット』はターゲットが商品を利用することでのメリットです。そして、どのような新商品でも競合する商品はあります。その競合との違いを説明し、利用意向を高めるためのポイントになるのが『差別化のポイント』です。

ターゲットから見て「自分にとってのメリット+比較商品との区別」によって、頭の中でポジションが生み出されます。この図によってお客様からどのように商品が見えているのかが分かります。

ここで重要なのが、『ポジショニング』の中心にターゲットがいるかです。よく、競合商品との差をつけるために、微妙な差をつけることがありますが、開発者にはまったく違った商品に見えるのですが、ターゲットには「どうでもいいぐらいの差」である可能性は高いです。

新商品開発のためのポジショニング・マップ01

ポジショニングのポイントまとめユーザーベネフィットと競合との差別化ポイントの2要素を活かしてポジショニングをつくる


それでは、実際にどう『ポジショニング』をターゲット中心にまとめていくのかを見て行きましょう。

3)ユーザーベネフィットに対応したプランニング


最初に『ポジショニング』の1つ目である『ユーザーベネフィット』から見て行きましょう。

お客様はニーズを満たすために商品を購入して、利用します。商品開発のプランニングにおいて、そのニーズを元に『ユーザーベネフィット』に対応することが重要です。

『ユーザーベネフィット』とは、お客様が提供された商品やサービスから得られる利点です。

たとえば、前述のヒップスクラブ『プリリーナ』を使うと、お尻をツルツルに綺麗にできます。

潜在ニーズとしては「バック(後背位)の時のお尻は、彼氏に見られている」ですが、これは厳密には『ユーザーベネフィット』ではないです。

「彼氏に見られるから、お尻をきれいにする」というのが、お客様視点のユーザーベネフィットになります。

このように、この発見した潜在ニーズを、『ポジショニング』では具体的なユーザーベネフィット(ターゲットからの視点)に落とすことが企画で必要になります。

作る側の視点だけで開発を続けていると、ターゲットにとって魅力的な商品にはならなくなります。

さらに、このユーザーベネフィットは、機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットの2種類に分けられます。


以下が、ヒップスクラブ『プリリーナ』の実際のベネフィットとなります。

ヒップスクラブ「プリリーナ」のユーザーベネフィット

●機能的ベネフィット
お尻をぷつぷつをきれいにできる
お尻のたるみを目立たなくできる
スクラブでの洗い上がりが綺麗になる

●情緒的ベネフィット
バックのときにお尻を見られても大丈夫
磨き上げていれば、彼はもっと興奮しそう
明るい場所での大胆な姿でも自信が持てそう

機能的ベネフィットの作り方のポイントは、購入する「消費者」の視点でこの商品を買う理由を明確にすることです。そして、情緒的ベネフィットの作り方のポイントは、その商品を利用することによって生活がどう変わるのかの「生活者」の視点で作ることです。

機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットの関係01


わたしたちブランドでは、潜在ニーズを掘り起こし、そこから商品開発段階では機能的ベネフィットを徹底的に対応し、完成後のPRの際には情緒的ベネフィットを使って伝えるようにしています。

その理由は、お客様は今の生活に慣れていて、特に必要と感じていない(顕在ニーズを感じない)生活をしているからです。そのため、機能的なベネフィットだけでは心は動きません。

今まで感じたことのないニーズを喚起するためには、情緒的な側面からユーザーベネフィットを明確にする必要があります。

たとえば、弊社の人気商品であるキス専用美容液『ヌレヌレ』ですが、機能的ベネフィットである「唇の荒れをケアするためのアイテム」ならリップケアの競合が多く、そのPRの打ち出しではニーズは喚起されません。

しかし、「キスだけで終わらせない」「キスから恋の罠を仕掛ける」などの情緒的ベネフィットを感じると、全く違ったニーズが喚起されることになります。

●機能的ベネフィット
唇の荒れをケアするためのアイテム

●情緒的ベネフィット
キスだけで終わらせない
キスから恋の罠を仕掛ける


キス専用美容液『ヌレヌレ』

画像7

この2つのベネフィットを創り出すことが、商品開発者が『ユーザーベネフィット』を考える上で最も頭を使う場所です。

ベネフィットのポイントまとめ
機能的ベネフィット、情緒的ベネフィットの2要素を言語化する

4)差別化のポイントを明確にする

『ユーザーベネフィット(機能的・情緒的)』を明確にしたら、ポジショニングは次の段階に入ります。それが『差別化のポイント』です。

●差別化のポイント
競合商品との違いを明らかにすること

これは明確な『ユーザーベネフィット』があるからこそ、初めてお客様が競合との違いを理解してくれます。これを上手に作り出すことが、購入するかしないかの決定要因を作り出すことに繋がります。

『ユーザーベネフィット』との関係は、前述しましたが、以下のようなものです。

ポジショニング構造01


お客様からみて「自分にとってのメリット+比較商品との区別」のセットになります。この2つを合わせて比べることで、お客様の頭の中のポジションが出来上がります。

この『差別化のポイント』を作るのは、『ユーザーベネフィット』を使いながら、『基本価値』『情報価値』の2つの区分で作り出します。

●基本価値での差別化
競合商品と基本的な品質での違いを明らかにすること

●情報価値での差別化
デザインや広告、実績などで違いを明確にすること


前述のヒップスクラブ『プリリーナ』ですが、「彼氏に見られるから、お尻をきれいにする」というユーザーベネフィットを元に、具体的な差別化を行っていきました。

ヒップスクラブ「プリリーナ」の差別化のポイント

●基本価値での差別化
・こんにゃくのスクラブで、気持ちよくお尻を洗い上げる

●情報価値での差別化
・後背位ではお尻を見られているという表現


基本価値での差別化ですが、刺激の強いスクラブ剤を使うのではなく、あえて気持ちいいという優しい感触をメインにしました。ただ、擦ってキレイにするだけではない、優しくお尻を洗い上げるというところに重点を置きました

情報価値での差別化には、「後背位でのお尻」という切り口を使った広告展開を徹底させました。ただのヒップスクラブですと、他社にもたくさんの商品があります。その中で、「後背位でのお尻」という1つのシーンに絞ってPRすることで、お客様の頭の中に他社商品にはないオンリーワンの印象を持ってもらうことを目指しました。

この2つの『差別化のポイント』を組み合わせることで、独自のポジションを確立することができ、「後背位でのお尻は気になる、気持ちいいスクラブって使ってみたいから買ってみようかな」という購買決定に繋がります

差別化のポイントまとめ
基本価値と情報価値の2つを設計し、競合他社との差別化を図る

5)『ポジショニング』のまとめ

今回は弊社の商品開発スタッフが実際に行っている『新商品のポジショニング』についてご紹介しました。

この『ポジショニング』において最も重要なのは、潜在ニーズをどう探し出してくるかです。

既存商品の『ポジショニング』を再設定することで、売れる商品に変えるというようなことをすると思いますが、その際でも顕在ニーズでリポジショニングするよりも、潜在ニーズを使って行う方が成功する確率は高く、競合などにすぐに浸食される可能性も少なくなります。

『LOVECOSME』が他社にはないユニークな商品を生み出す背景には、潜在ニーズを探して『ポジショニング』をしっかり行うという基本的なマーケティング活動を徹底しているからです。

そして、年に170商品以上も生み出すので、開発スタッフはこの『ポジショニング』を日々考え続けているのですが、これが上手く行ったときの達成感は、商品開発の醍醐味でもあります。

新しい価値を生み出す瞬間こそ、商品開発の仕事を続ける理由かもしれません。


今回の記事にてご紹介しましたフレームワークは下記よりダウンロード可能です。ぜひ、ブランド戦略立案の参考にお使いください。

また、こちらの記事で紹介した『ポジショニングの図』も合わせて活用されると、まとめやすいかと思います。


※引用 安原智樹『マーケティングの基本』から


最後まで読んで頂きありがとうございました。



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