ブランド価値の図_修正

【ブランド価値を高めたい人必見!】コモディティ化された市場から抜け出す戦略の実例を大公開!

こんにちは!

セクシャルヘルスケアの『LOVECOSME』を運営している株式会社ナチュラルプランツのブランディング・チームです。

前回の記事では、初期ブランディングにおける市場を創造するセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)についてご紹介しました。

今回は、その先の話になります。

STPを使ってオンリーワンの市場を創造し、差別化をしながら独自の商品開発をしていても、どうしても起こってしまうのが、類似商品が出てきてしまうことです。

ブランドをすべてコピーすることは難しいのですが、商品カテゴリごとの類似品によって細かく浸食されてしまいます。

そうなると、初期に設定したブランド戦略(STP)と、それを使った商品開発の手法に限界が来てしまいます。

●類似商品を作られる
●価格競争にさらされる
●新規獲得に広告を出し続ける必要がでる
●顧客獲得コストが増大する
●競合があるので顧客の離脱が起こる

商品が『コモディティ化』してしまい、商品そものもの価値だけでは差別化は難しくなってきます。ポジショニングを上手く調整するということでも対応はできますが、それでもお客様から見た比較対象商品を無くすことはできないでしょう。

ブランドが成長するにあたり、どうしても越えなければならないのがこの壁。

成長段階でこの問題が起こったとき、わたしたちのチームがどのような戦略を持ってこの問題に対応していったのかをご紹介します。

ぜひ、今回の記事も最後まで楽しんで読んでいただけると嬉しいです!

1)商品価値だけでは乗り越えられなかった背景

『LOVECOSME』ブランドは設立以来、セクシャルヘルスケアという独自の市場を創造するセグメンテーション、顧客をでデモグラフィックで絞らないターゲティング、差別化を徹底させるポジショニングを用いて、独自の商品を開発し続けまた。

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●デリケートゾーン石鹸ジャムウ
●キス専用美容液ヌレヌレ
●ベッド専用香水リビドー
●食べられるラブローション・ラブシロップ

などは、発売当初からお客様にとても喜んでいただけたアイテムです。

しかし、ナチュラルプランツは商品を開発するメーカーが母体なので、どうしてもブランドを考える上で、商品開発ばかりに目を向けてしまいます。

次々に戦略に基づいて新商品を市場に投入したのですが、そこで問題が起こってしまいました。

それは、一般的に商品の基本価値だけでは、類似品が作られてしまうのです。

ブランドとしては独自の市場を形成しているのですが、各商品に目を向けると、競合他社も多く、類似品もたくさん市場に投入されてしまいました。

●デリケートゾーン石鹸という市場が作られいた
●フェロモン香水というカテゴリに自社商品が吸収されていた
●キスリップというカテゴリが作られいた

当初、新しい市場を創出して独自の展開をしていたのですが、それが全く違った部分から市場が変化していったのです。

特に化粧品は内容成分を裏面に表記しておりますので、ある程度の似たような商品は簡単に作られてしまいます。そんな状況の中で、差別化されていた自社商品が、だんだんと『コモディティ化』していきました。

※コモディティ化
市場投入時には高付加価値であった商品が、競合する商品が増えることで、差別化特性(機能、品質、ブランド力など)が失われ、価格や買いやすさだけを理由に選択が行われること。お客様にとって「どの会社のものを買っても同じ」状態になること。

さらに、問題が生じました。ナチュラルプランツは、当時は自社ECのみで販売を行っておりましたので、ドラッグストアなどの店頭やインターネットのショッピングモールなどでは、市場(プレイス)を競合商品にすべて奪われてしまっている状況でした。

こうなると、ブランドの成長に急ブレーキがかかって来ます。

1)類似商品が増える
2)比較され、価格競争にさらされる
3)新規が取れず、広告を出し続ける
4)顧客獲得コストが増大する
5)競合があるので顧客の離脱が起こる


という悪循環が起こってしまいました。取り戻そうと広告を打てば打つほど、結果的に利益を失っていくことになりました。

そして、次第にそれは『市場全体が荒れていく』という状況にまでなっていきました。

見た目が似たような『恋愛コスメ』が市場にあふれてしまい、店頭に並ぶコスメが『モテ』を意識しているようなキャッチコピーが並んでいきます。そして、男性を意識したアイテムが続々と発売されている状況を作り出してしまいました。

その中には類似商品も多くあり、スタッフでも自社商品と間違えてしまうようなものも店頭で発見しました。

しかし、よくよくそれらの商品を見ますと、パッケージがピンク色だけであったり、キャッチコピーと内容成分の関係がほとんどなかったり、値段の安いものはナチュラルプランツでは選ばない化学原料を使用していたりしています。

見た目だけは可愛く出来ているのですが、本来のセクシャルヘルスケアの考えとは違い、本当に女性の体に向き合って、女性特有のお悩み対策を意識した商品ではないと感じることも多かったです。

結果的に異性にモテることだけが重要視され、女性のデリケートなカラダのことを置き忘れてしまう。可愛い色だけを求めて、肌の状態を後回しにしてしまう。

市場が単純に『モテたい』『可愛い』というだけのアイテムになってしまい、セクシャルな悩みを真面目にケアするアイテムではなくなってしまったのです。


そして、わたしたちのブランドもその中に埋もれてしまいそうになっていました。お客様からみて、『LOVECOSME』はモテコスメとイコールになってしまったのです。

そのまま、同じブランド戦略を継続しても、最終的には『セクシャルヘルスケア』という市場自体の魅力が失われ、お客様もただ価格が低い商品を購入するだけになってしまいます。

そのため、商品価値だけに頼らないで、ブランド価値を上げていくことが強く求められました。

そこで商品そのものよりも、違う角度から価値を上げる取り組みに力を入れるようにしていきました。


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2)商品以外でブランド価値を上げる


まず、市場が変わって行く中で、お客様にとっての『ブランドの価値』とは何かをあらためて考えてみました。

ブランド価値=お客様が実感するすべてのベネフィット÷お客様が支払うコスト

「お客様が実感するすべてのベネフィット」が「お客様が支払うすべてのコスト」より大きくなればブランド価値が高くなり、小さければブランド価値が低いということになります。

この「お客様が実感するすべてのベネフィット」とは、商品そのものから受けるベネフィット(商品提供価値)もそうですが、実はそれ以外も重要な要素があります。


それが、『コンテンツ提供価値』『リレーション提供価値』です。


以下の図を見てください。

ブランド価値の図


ブランド価値の中で、商品化に必要な初期設定された静的な価値が『商品提供価値』となります。それまで、わたちたちがメーカーとして取り組んできた商品開発はここに留まっていました。

そこからブランド価値を広げていくためには、「継続提供される動的な価値」が必要になってきます。つまり、商品以外のお客様が実感し続けるベネフィットです。

大きくは『コンテンツ提供価値』と『リレーション提供価値』に分かれます。

『コンテンツ提供価値』とは、商品の価値を膨らませる情報(コンテンツ)群のことです。顧客に有用な知識や気の利いた知恵のような理性的なものや、好ましいイメージや面白いメッセージなど感性的なものまで、顧客にとって価値を感じるコンテンツです。

『リレーション提供価値』とは、商品の価値を膨らませる関係性のことです。人やコミュニティを通じて顧客に好ましい関係を付与することで、直接商品からもたらされるものではありません。

これらの2つの価値は、「同じような商品だったら、このお店で買うのがいいね。」「ちょっと値段が高くても、ここで買う価値があるね。」といった反応に繋がります。


ブランド価値=商品提供価値×コンテンツ提供価値×リレーション提供価値


従来の考えでは、マーケティングでは商品提供価値を伝えること(プロモーション)と、手渡すこと(プレイス)が強調されており、発売することに重点を置いていました。

しかし、市場がコモディティ化している場合、発売時点がゴールではなく、その発売後の活動の方がむしろ重要になり、最初に目立てばいいとか売れればいいというような考えから、「ブランド価値はどうしたら上昇するのか?」が最優先されるようになっていきます。

ブランディングにおいて、独自の価値を付加できればできるほど、「このカテゴリではこのブランドを選ぶ」ということになり、競争関係から解放されるようになります。

この考えのもと、コモディティ化してしまった自社商品を、商品だけに頼らない新しい2つの価値を上昇させる活動をすることで、もう一度お客様に独自の価値あるブランドとして認識してもらうことを目指しました。

それでは、実際にどのうな具体例を持って、ブランド価値を上げて行ったのかの事例をご紹介します。


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3)コンテンツ提供価値

まず、最初の対策としては、商品の価値を膨らませる情報(コンテンツ)群であるコンテンツ提供価値を作り出しました。

この『コンテンツ提供価値』は4つの方向性があります。この4つを組み合わせながら、価値を創造していきました。


①逸話 :人に語りたくなるエピソードで価値を創る
②情景 :「らしさ」を具現化して価値を創る
③提案 :知って得する知恵で価値を創る
④証明 :客観的な事実で価値を創る


①逸話
開発者の商品への想いやブランド創設時の話などをまとめ、分かりやすく伝えるようにしました。各商品の開発秘話やその商品化までのストーリーを各商品の説明に付加していきました。このストーリーは人に語りたくなるエピソードです。

また、お客様からのお手紙や商品を使った体験談などの掲載も進めました。これも逸話となって、お客様へ伝播していきました。

②情景
次に、ブランドを説明する動画を制作し、使うイラストを統一するなどして「らしさ」を徹底しました。そして、SNSなどを活用して写真や動画などをお客様に投稿してもらい、お客様もブランドの一部になってもらう取り組みをしました。

③提案
自社商品の新たな使い方をお客様に見出してもらうことを実施しました。これまで考えもしなかった商品の使い方なども発見でき、ブランドのユニークさを際立たせることができました。

④証明
コンテンツとして最後に取り組んだのが、専門性やこだわりなどの強化です。自社商品の特徴が客観的に優れていることを何らかの根拠を使って示しました。また、累計会員数や累計口コミ数などを出すことで、あらためてお客様に支持されていることを証明するようにしました。


これらの4つの方向性の対策を組み合わせて、商品以外でもブランド価値を感じてもらえるようにしていきました。

このコンテンツの制作は、もともとバラバラにあったブランドストーリーや、統一されていなかったシンボリックなどをまとめていく作業でした。

よりブランドの価値を情報として伝えやすく整理していくことで、瞬間的にブランド価値を感じてもらるようになっていきました。


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4)リレーション提供価値

次にブランド価値を向上するために取り組んだのが、人やコミュニティを通じて顧客に好ましい関係を付与する『リレーション提供価値』です。

この『リレーション提供価値』にも4つの方向性があります。この4つを組み合わせながら、価値を創造していきました。


⑤応接 :もてなしを具現化して価値を創る
⑥仲間 :気心の知れた場づくりで価値を創る
⑦共創 :お互いのリクエストに応えて価値を創る
⑧社会 :世間に関わり合うことで価値を創る


⑤応接
CRMを強化し、お客様の気持ちに寄りそうような対応を心がけました。お客様がブランドとの距離が近くなればなるほど優遇される仕組みを作り、その距離感を短くすることで、特別な存在として認識してもらえるようにしました。

⑥仲間
お客様と担当者との関係を強化して、「○○さんが関わっているならよい商品」を引き出すようにしました。また、SNSなどを通じてお客様同士の関係も深くなり、お客様同士の絆を感じてもらえるような場を作りました。

⑦共創
お客様との絆を作ると同時に取り組んだのが、お客様と一緒にブランド価値を高める共創です。一緒に商品を考えて、それを実現化させるなど、担当者とお客様が対等な関係でいられるようにしました。SNSにてブランドに関する投稿も増えていきました。

⑧社会
最後に、ブランドとしての社会的な活動なども強化していきました。寄付や障がい者支援などをブランドとして行うことで、世間と積極的に関わり合うことで価値を創りました。また、原料などのフェアトレードなども積極的に行っていきました。


この『リレーション提供価値』は、SNSが発展していくことで、ますます重要な価値になっていきます。商品を選ぶ際に、通常の検索エンジンを使わずに、SNSの情報を重視する傾向も強くなっています。

広告による「認知」からではなく、SNSなどからの「共感」から購買行動を起こすことも多くなっており、それは商品提供価値ではなくリレーション提供価値にて買うか買わないかを決めていると言ってもいいぐらいです。

実際にこの取り組みを開始してから、広告の効果が追いにくくなっています。それは、お客様の購買行動の過程に、SNSが深く絡んできているので、広告の効果測定がシステム的に正確に計測できなくなってしまいました。

これらの状況から、機能価値が高い商品を買うのではなく、それ以外に価値を感じる商品を買うようになってきていると感じられます。


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5)ブランド価値創造のための8つの方向

コモディティ化してしまった状況の中で、商品そのものの価値よりも、発売した後に継続的に提供する『コンテンツ提供価値』と『リレーション提供価値』を重視したブランド戦略にシフトしていきました。

その結果、他社商品を選んでしまったお客様も自然と戻ってくるようなことも多くなり、さらに競合商品の市場もそれ以上は広がらない状況に落ち着いていきました。

「同じような商品だったら、やっぱりインターネットでLOVECOSMEから買うのがいい。」「ちょっと値段が高くても、LOVECOSMEで買う価値がある。」という状況まで、だんだんと近づいてきています。

また、最近ではアマゾンや楽天で購入するよりも、自社ECを選んでいただけることも増えました。

1度でも購入してもらえれば、そのブランド価値が競合他社とは明らかに違うというところまでは感じていただけると思うので、今後もこの商品以外の価値を高めるブランディング活動を継続していきます。

最後に、今回のブランド価値創造のための8つの方向性をまとめた図をご紹介します。


ブランド価値創造のための8つの方向

今回の記事に使いましたフォーマットを掲載します。ぜひ、ブランド戦略立案の参考にお使いください。

※引用 安原智樹『ブランディングの基本』から

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