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丸の内ビジネス酒場エピソードPickUp①/「人が熱狂するイベントと動画の正体」~小橋賢児氏の日本のエンタメ文化への思い

丸の内にてお酒と贅沢なトークが楽しめる「丸の内ビジネス酒場」。中でも印象深かったエピソードについて、3回に渡りNewsPicksアカデミア アンバサダーの宮崎恵美子さんがレポ―トします。初回は、小橋賢児氏と明石ガクト氏による「人が熱狂するイベントと動画の正体」より、小橋賢児氏の日本のエンタメ文化にかける思いをピックアップします。

ULTRA JAPANへのこだわり

27歳までは俳優をされていた小橋賢児さんですが、現在はイベント制作のお仕事に転向しており、2014年からはお台場での『ULTRA JAPAN』という音楽フェスのクリエイティブディレクターをされています。

2014年当時、ダンスミュージックフェスが根付いていなかった日本にULTRA JAPANの上陸を試みた小橋さん。その時の小橋さんならではの工夫が紹介されました。

『ULTRA JAPAN』を日本に上陸させようとした時、ダンスミュージックの祭典で何万人規模のイベントは無理だと言われました。それでも日本に上陸させたいと考えました。
ちょうど27歳の時にアメリカに留学していて、アメリカのドミトリーでFacebookをやっていたことを思い出し、『ULTRA JAPAN』を日本に呼ぶ時にはSNSチームとファッションチームを作ろうと思いました。なぜなら、その両方を使っている人達はどこかで変わりたいという欲求・新しい情報を知りたいという欲求があるのではないかと思ったからです。
またスマホを使って同時並行でほかのサイトを見るのに慣れている人達に、会場への再入場を禁止はどうなのか、と思いました。そこでアメリカでも再入場はやっていないけれども、『ULTRA JAPAN』では再入場を認めることにしました。

世界における日本のエンタメの位置づけとは?

続いてご紹介するエピソードも、海外留学経験のある小橋さんならでは。日本のエンタメの世界的な位置づけについてコメントされました。

世界中を旅する中で感じたのは、日本のエンタメ産業は内需で成り立ってしまうため、世界では全然目立っていないことです。音楽にしても邦楽だけで成り立ちます。映像にしても国内で盛り上がるだけで、世界で盛り上がっていません。
これに対し韓国は、世界とつながらないと文化は成り立たないと、英才教育をしてアーティストを育てて、世界とつながっていきました。
ただ、日本人が持っている感覚は大事ですし、日本人の間を読む力や日本人のものを掘り下げる力には目を見張るものがあります。

日本の文化を世界に継承するには

内向きになりがちな日本のエンタメがグローバルに出ていくにはどうしたらいいのでしょうか。そのための布石について、コメントされました。

日本の文化を世界に継承していくには、段階を経ていくことになります。
『ULTRA JAPAN』でも、以前なら東京で起こらないと思っていたことが実現しました。同じように自らのWANTを再現したい人が、「こういうイベントを作らないとお客さんの需要に合わない」と動くことで変わっていきます
日本の文化を世界に継承していくには、僕たちがまずグローバルスタンダードをつくらないといけないですし、お客さんもグローバルスタンダードになることが求められます。
そのためにまずは世界を知って、日本を知って、世界から日本の文化にアクセスしてもらえるところまでもっていくのが良いと考えています。

自分の”WANT”が何なのか、気づきを得るための場としてイベントを開催し続けつつ、日本のエンタメをもっと世界に知ってもらえるようにと活動されている小橋さん。丸の内ビジネス酒場の会場で直接お話しを伺い、その熱量を多くの方に届けたいという気持ちでレポートを書きました。

次回は、村井チェアマンが語る「Jリーグと日本サッカーの成長戦略」からのエピソードをご紹介したいと思います。お楽しみに!

<イベント概要>

小橋賢児(こはし・けんじ)
1979年東京生まれ。1988年に俳優としてデビュー。NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』など数多くの人気ドラマに出演。2007年に芸能活動を休止し、世界中を旅しながらインスパイアを受け映画やイベント製作を始める。
2012年、長編映画「DON'T STOP!」で映画監督デビュー。同映画がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にてSKIPシティ アワードとSKIPシティDシネマプロジェクトをW受賞。また『ULTRA JAPAN』のクリエイティブ・ディレクターや『STAR ISLAND』の総合プロデューサーを歴任し、世界規模のイベントや都市開発などの企画運営にも携わる。
2018年11月17日には、日比谷公園大音楽堂にてダライ・ラマ法王14世とのトークセッションにのぞむ。

文:宮崎 恵美子 

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