20180216_落合陽一_日本再興戦略-29-5

落合陽一「圧倒的な活動量」の源泉は?(NewsPicksアカデミア イベントレポート)


「日本再興戦略」出版を受けての講演会開催

こんにちは。NewsPicksアカデミア 第2期アンバサダーの宮崎恵美子です。

NewsPicks Bookから
「日本再興戦略」
https://www.amazon.co.jp/dp/4344032179
を出したばかりの落合陽一さんをお迎えしてのイベントが、2月16日に一橋大学一橋講堂にて開催されました。
https://newspicks.com/academia/events/83

モデレーターは佐々木 紀彦NewsPicks編集長。

落合陽一さんといえば、「現代の魔法使い」とも呼ばれる世界的に活躍する科学者でいらっしゃいます。
服を選ぶ時間を短縮するため、服は「ヨウジヤマモト」で、食事の時間短縮のためにグミが主食とのこと。
この日のイベントでは、春日井製菓さんからイベント参加者の方につぶグミのプレゼントがありました。

「日本再興戦略 」は発売してすぐに8万部を突破。現在11万部を売り上げています。
売れ行き好調の原因は、やはりタイトルが良いからというのが、佐々木さんによる分析。
多忙な落合さん、実はこの本の士農工商のあとはご自分でチェックができないままの状態で、この本が刷り上がったのだそうです。

問題解決とは

落合さんは問題解決を次のように考えていらっしゃいます。
対象となる問題は、解決する。今すぐ解決しなくてもそのうちできるので、それに到達することを考えるべき。
ポジティブになるには、問題を解決するしかない
この「日本再興戦略 」を読めば、「解決策を考えてもいい」と思えるようになる
眼鏡をかければ目がみえるようになるのと同じで、これまで解決策を考えてもいいことを知らずに来ただけ。眼鏡をかけるまでに時間がかかるだけで、かけたらすぐに見えるようになるはず
問題自体の共有は誰とでもできる。
問題解決の共有は、コンテキストを共有している全員が共感して初めてできる
トライしないことには何もできない。
自分に技術がなければ、技術を持っている人にお金を払ってやってもらう。
あとは熱意が大切。

人間の熱量が上がる時

落合さんによると、人間の熱量が上がるのは、ライフスタイルが以下のように変わる時。

1.結婚した時
2.子供が生まれたとき
3.親の介護をしているとき
4.重病にかかっているとき

熱量が上がるとやるしかない

落合さんの場合は、なかでも子供が生まれ障害をもっていたことで熱量が上がったそうです。
そういった環境の人が集まるコミュニティで心は半分癒されることができても、抜本的な障害の解決にはテクノロジーが必要になります。
自分は5分で食事するのに対し、子供が1時間かけて食事するならそれに付き合うことになります。自分が付き合えなかったら、ベビーシッターやロボットにかわりにやってもらうことも出てきます。

落合さんは、もともと忙しかったものの、子供が生まれた分、子供のためになればと受ける仕事を増やしたそうです。子供一人が増えた分、年間の収入を600万円増やすと、労働量は20パーセント増えることは納得しているそうです。

しおりの言葉で伝えたかったこと

今日配られたしおりは、「日本再興戦略」の編集者である幻冬舎の箕輪厚介さんから、翌日の朝までに書いてと言われて書いたもの。


「現象と言語の相転移を高速で繰り返すことで見えるものがあります」
言葉であらわすこと、実際にやってみることその両方を繰り返すこと大切ということを伝えたかったそうです。

イベントの日はイノシシに会ってきた

このイベントの日、落合さんは3時間寝てエネルギーを回復したのち、朝から山を登り、イノシシからエネルギーをもらったのだという。
イノシシは、力が弱いものと強いものに分かれている。生まれて間もないころ、ウリ坊と人が一緒に散歩するために駆り出されていたイノシシは、イノシシの集団の中では弱い。
イノシシだけがいるときには食べ物を食べることができない。人の眼があるときだけに食事をしている。
人間という外的流入により、ほかのイノシシと同じ職業につけなくなっている。

落合さんにとって、今まで接した動物ではイルカが一番いい奴だったそうです。
これに対し、羊は何も考えていないから食べてもいいと思うのだそうです。

落合さんにとっての睡眠とは?

落合さんの予定について、誰も責任をとってくれない。
現在、落合さんにはマネージャが4人いて、それぞれが落合さんの予定を組んでいるそうですが、最近落合さんは忙しすぎて、睡眠時間をブロックできなくなってきてしまっています。
睡眠1時間半の日が続くのは、さすがに落合さんでもつらいそうです。
1日当たり3時間寝ることができれば、体調は大丈夫とのこと。
できれば1日3,4時間は寝たいと思っている。
もっとも既に落合さんは中学生のころから、睡眠時間が3時間だったそうですが。

食べ物について

落合さんはこうお話されました。
佐賀のイカ(呼子のイカ)はうまくて安い。
うまいものが高いという考え方はおかしい。
どうやって安いものを効率的に提供するかを考えるべきだと。
確かに高ければよいものとは限らないですよね。

子供の好奇心を育てるために

小さい時に好奇心を持って遊ぶことが大事。
今、落合さんのお子さんが好きなことにガラスのテーブルをたたくことがある。
たとえそうし続けて子供がけがをしたとしても、やりたいようにさせておくのがよい。

アップデートしていいものとそうでないもの

物事についての考え方をアップデートしてもいいかどうかは、クラッシック音楽から学んでいる。
今、落合さんは日本フィルハーモニーの指揮者の方と一緒に仕事をしている。
そうした中で、オーケストラのスコアと演奏形態をアップデートしてはいけないことを知る。これまで通り守らなければいけないということをクラッシックから学ぶのだそうです。

毎日が実験

落合さんは、毎日実験していらっしゃいます。
毎日研究することにより、情報を生産しているそうです。
現場の人に直接話を聞くことが多く、1日10回取材して現状の問題を知るという感じなんだとか。
今日もこのイベントのあとに東京オリンピックについてのミーティングに参加するとのことでした。

自分のできる貢献をする

マーケティングするときは、貢献をどこに出せるのか、コントリビューションを出せるレイヤーをどうつくるのかを考えるそうです。
たとえば落合さんが学会に行く費用として、大学から150万円を出してもらえるとして、そこで発表する論文の準備のために、落合さんは何千万円もかけています。学会でみんなに研究成果や論文をシェアすることで、歴史の1ページを刻んだような気持ちになり、落合さんの満足度が高いんだそうです。

世の中に存在するものを体験することの重要性

考える力が言語能力につながる。
現象を生体験すること、できるだけいいものを鑑賞することが大切。
それは必ずしも高価なものである必要はない。
このことは落合さんが1年に1000個から3000個くらいの作品が集まるコンペの審査員をやるようになってわかったこと。
なるべく世の中のものをレビューする機会を持つとよい。

ダイバーシティ&インクルージョン

落合さんは多様性(ダイバーシティ)よりも広い意味を持ち合わせる、包摂(インクルージョン)のほうが重要だと考えているそうです。
自分の設立するコミュニティには、ヘイトスピーチをする人を排除しないものの、中に入れたいとは思わないそうです。
許容範囲がわかっていれば、コミュニティがわかりやすくなります。
ちなみに落合さんは、結構やさしく、包摂性が半端ないとのこと。
落合さんいわく、嫌いな奴もあまりいない。頑張ってその人のことを理解しようと努力するんだそうです。

落合さんをより深く知りたい人には、オンラインサロンがおすすめ

落合マフィアになりたい人は、オンラインサロンに入るのがよいそうです。
落合さんの大学の研究室にジョインするには、かなり高いコミットメントが求められるようです。
落合さんの言っていることは、落合さんの本を4冊くらい読むと理解できるそうです。

落合さんの新刊出版を今年中に計画

NewsPicksの佐々木編集長が今年中に箕輪さん編集で、教育の分野まで範囲を広げた「日本人再興戦略」を今年中に作りましょう、と落合さんに提案しました。多忙な落合さんもまんざらではなさそうにみえたので、今年中に「日本人再興戦略」が刊行されるかもしれません。
最後に佐々木編集長から重要な告知がなされた後にイベントが締めくくられました。

Weekly Ochiaiをあなたも観覧できる!!

重要な告知とは、現在Live Picksで、毎週水曜日の夜10時から配信されているWeekly Ochiai について。
4月からNewsPicksのスタジオができ、そこでWeekly Ochiaiの収録がおこなわれ、なんとアカデミア会員がスタジオで観覧することができるようになるとのことです。

学割会員の方、必見!!

もう一つお得な告知があります。
学割会員の方、こちらのリンクからアンケートに回答すると「日本再興戦略 」の電子版がもらえるだけでなく、就活イベントに参加することもできるようです。この就活イベントの登壇者の方が本当に素晴らしく、これに参加できる就活生をうらやましく思いました。
詳しくはこちらのリンクからご覧ください
https://newspicks.com/news/2825147/body/?
https://newspicks.com/student

まとめ

お話をきいていて、いろいろと思ったことはあったのですが、落合さんのイベントの前の週に前田裕二さん(SHOWROOM代表取締役社長)のお話を聴く機会があり、その時に前田さんが話されていたことと、今回落合さんが話されていたことに共通点がいくつもあると感じました。
お二人とも「ワークアズライフ」で、睡眠時間が3時間とれれば大丈夫というところもすごいのですが、一番すごいなと思ったのは、お二人とも優しくて、基本的に人を嫌いにならないようにしている相手のことを理解して許容することが普通にできていることです。
一見いい人のようにふるまっていても、自分が嫌いだったらこの人には何をしてもいいといった行動をとる人が世の中にいる中、こんなに忙しくて、どんなわがままを言っても通りそうにみえる方たちが、こんなに優しくていろんな人やものを包み込んでいるんだな、ということが、この日の自分にとっての一番の気づきでした。

ステージそばの席で落合さんのお話をきき、終わった後もしばらく余韻に浸っていた私でしたが、受付に戻った時はすでにつぶグミは配布が終わってしまっていました。
イベント開始前は、アンバサダーとして受付でグミを配っていたのですが、その時に会えなかったアンバサダー仲間、実は落合さんと会場そばで偶然お会いし、そこから会場まで一緒に歩いて移動したとのこと!!
ステージそばで拝聴できたくらいで満足してはいけなかった。上には上がいるものですね(笑)。

NewsPicksアカデミア で、さまざまな学びや人との出会いの機会がきっと見つかります。詳しくはこちらをご覧ください。https://newspicks.com/academia/about


レポート:NewsPicksアカデミア アンバサダー(第2期)
宮崎 恵美子
NP: https://newspicks.com/user/2699677
Blog: https://miyazakiemiko.com/
Twitter: https://twitter.com/NP_academia

写 真:池田 実加、宮崎 恵美子



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