歴史と数字で会社を読む/【冬学期】大山敬義ゼミ第1回レポート
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歴史と数字で会社を読む/【冬学期】大山敬義ゼミ第1回レポート

NewsPicksアカデミアアンバサダー
2019年1月から開講しているNewsPicksアカデミア冬学期ゼミ。「歴史と数字で会社を読む」ゼミを率いるのは、これまで100件以上のM&Aを主導してきた日本M&Aセンター常務取締役の大山敬義氏。様々な業種で活躍しているメンバーが集まり、多角的な視点から企業を分析する手法を3ヶ月間学んでいきます。そんなゼミの初回について、ゼミ運営ボランティアスタッフの田辺さんがレポートします。

「歴史」に着目した会社の分析

企業分析では何に着目すべきでしょうか。
金融機関に勤務している私が企業分析で着目してきたのは、会社の「決算書」です。

しかし、大山さんは「数字や経営戦略の分析はもちろん大切だけど、それ以上に会社の歴史が大切」といいます。

歴史を知ればその企業が本当に大切にしていることが理解でき、そこから「どの部分を強化すれば更にビジネスが伸びるか」を判断できる。大山さんはそう話します。

これを踏まえ、大山ゼミ受講生の総勢24名は「歴史を踏まえた企業分析ができるようになる」ことを目標に、3ヶ月間学んでいきます。

全6回のゼミのテーマ(予定)は、以下の通りです。

第1回:M&Aのプロはなぜ「会社の歴史」に着目するのか
第2回:「歴史」と「マーケット」から話題の企業の将来を予測してみよう
第3回:日本を動かす「地域」「歴史」に根ざす「地方財閥」を知ろう
第4回:「業界の歴史」から将来戦略の立て方を考えよう
第5回:財務諸表は「会社の歴史」。M&Aのプロはどの数字を見るか
第6回:歴史と数字から、日本企業の未来を考える

「歴史オタク」 大山さんの自己紹介

第1回目のゼミということで、大山さんの自己紹介からゼミはスタートしました。

大山さんは、1991年に日本M&Aセンターの創業に参画し、27年間、中小企業のM&A仲介の仕事をされています。また2018年4月からは小規模企業に特化した経営のバトンタッチマーケットを運営する会社を始めました。

大山さんの自己紹介では、「歴史オタク」の一面も垣間見えました。

曰く、「経営者には歴史好きが多い。経営者は、大きなビジョンを持つ自分自身と、歴史上の偉大な人物を重ねることで、物語の主人公気分を味わっている」と話します。

多くの経営者が好む「歴史」。
そんな「歴史」を切り口に、どう会社を分析していくのでしょうか。

「企業と会社」の違いとは何か?

大山さんとゼミ受講生の自己紹介の後、お待ちかねの講義が始まりました。
まずは、「企業」と「会社」の違いについて考えます。

実は英語でも「企業=company」、「会社=enterprise」と書かれ、異なる単語で表されています。では、両者の違いは何でしょうか。

1.「企業」とは何か?

まずは、「企業」の歴史を見てみましょう。

「世界で最も古い企業」はどの企業でしょうか。

正解は、日本の「金剛組」。578年に創業し、聖徳太子の命を受けて、四天王寺を建てた企業として知られています。

少し話が逸れますが、日本の寺社仏閣は、大昔から数十年周期で建て替えをする習慣があります。その理由は、寺社建築には特殊な技術が必要であり、技術伝承のために、敢えて仕事を生み出すことが重要だからです。

上記のような背景もあり、「金剛組」は寺社建築の技術者維持・技術伝承を目的に作られました。

つまり、「企業」は継続的にサービスを提供することを目的としています。

2.「会社」とは何か?

次に「会社」の歴史を見てみます。

「世界で最も古い会社」はどの会社でしょうか。

正解は、「オランダ東インド会社」。1602年にオランダで設立され、アジアと香辛料貿易をしていた会社です。

当時、オランダからアジアへの渡航は技術的に難しいものでした。
10隻の船を出しても多くは沈んでしまい、1隻戻ってくれば大儲けの時代。ハイリスク・ハイリターンです。

そこで、オランダ東インド会社は、継続的に多くの船を出すことにより、大損するリスクを軽減し、投資家に配当を与えることにしました。

つまり、「会社」は、継続的に収益を分配することを目的としています。

まとめると以下の通りです。

・「企業」は、継続的にサービスを提供することが目的
・「会社」は、継続的に収益を分配することが目的

つまり「企業」と「会社」は事業の目的が異なるのです。

ただし、現代の企業(会社)については、「継続的にサービスを提供する」側面と、「継続的に収益を分配する(収益を生む)」側面の両方を併せ持っている、と大山さんは話します。

よって、企業会社)を分析する際も、①継続的にサービスを提供できるか、②継続的に収益を生むか、の両面から評価する必要がある、ということを講義を通して学びました。

では企業分析はどうあるべきでしょうか。

通常行われる企業分析では直近の決算書をベースに財務分析を行い、その企業(会社)が今後も収益を生むかという観点で見るケースが多いはずです。

しかし、大山さんが重要視しているのは、その企業(会社)の起源であり、ビジョン。つまり、社会に対してどのようなサービスを提供するか、であると感じました。

第1回で学んだことは以上になります。

次回以降のゼミの様子も投稿する予定ですので、ぜひご覧ください。

<プロフェッサープロフィール>

大山敬義/日本M&Aセンター 常務取締役
株式会社日本M&Aセンター常務取締役。1967年神奈川県生まれ。立教大学社会学部卒。1991年日本M&Aセンターの創業に参画。2012年4月より同社常務取締役。M&Aアドバイザーとしての成約実績は150件以上で国内最古参のM&Aプレイヤーの一人。また、40社余りの企業再生の実績がある他、自らハンズオンの企業再生に取り組み松ノ井ホテルグループの取締役を務めた。2018年4月、日本M&Aセンターからスピンオフした小規模企業専門のオンライン事業承継・M&Aのマッチングサイト「バトンズ」を運営する、アンドビズ株式会社代表社長兼CEOに就任。

NewsPicksプロピッカーとして2万人を超えるフォロワーをお持ちの大山さんは、時事ニュースについても日々深い教養に基づいたコメントをされています。

<ゼミ詳細>

文:田辺 靖貴

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