私の声の基 その3
※私の声の基 その2の続きのため「一方で」と言う言葉から始まっております
真似することが始まり JAZZ
一方で、
とにかくいろんな人の演奏を聞いて完コピしちゃうくらい聞き倒す
というアドバイスをくれた人がいる。
JAZZの歌唱指導している方のワークショップでのこと。
ライブハウスで、ジャズミュージシャンをゲストに迎えた伴奏でジャズナンバーを歌い、その歌唱を指導する、という内容だったのだが
ゲストで来ていたベーシストと、ワークショップの合間にお話しさせていただいた時だ。
「楽器奏者は有名な奏者の演奏を何度も聞くけれど、歌手はあまり他の人のを聞かない、なんで??」
「何度も聞いて自分の演奏に取り入れていく」
「自分の演奏はその中から形成されていく」
そんな内容のことを話してくれた。
当時の私は、ジャズナンバーを歌う事になった時、必要最低限の音源を聞き、入手できれば楽譜を確認し、歌っていた。必要以上に人の歌を聞く事で「真似」になってしまい、オリジナリティが失われると思っていたのだ。
なので、普段、あまり歌手の音源を聞いていないことを指摘されて、ものすごく図星だった。
図星なことを言われるとイラつくことがある(笑 子どもだなほんと)でもこの時は、全く嫌な気がしなかった。だって、そのベーシストは私のことをきちんと見て言ってくれていたと言う感覚があったからだ。常識や一般論を話されているのでは無く、私を見て、必要なことを言ってくれたのだと直感した。
そして、このことも思い出させてくれた。
私が、ジャズを歌いたいなと思ったきっかけはエラ・フィッツジェラルドのスキャットだった。
ハンカチを片手に歌う恰幅の良い女性、楽器のように色彩豊かにスキャットする気持ち良い声。
それこそ完コピするくらい聞いた。
あぁそうか。それで良かったんだな。
このベーシストとの出会いのあと、私はジャズナンバーを歌うことになったときは、とにかくいろんな人のを歌唱を聞き、気に入ったアーティストの歌唱は完コピする勢いで真似をする時期を迎える。
理論、経験
そのベーシストは、ショートカットの女性で、歌い手を見つめて呼吸を合わせて演奏する姿が素敵だった。
彼女はこうも言っていた。
たぶん、歌唱指導にピンと来ない私の心情を察していたのだろうな。ワークショップ中、私は、そうかなぁと疑わしい思いを浮かばせていたな確か。
そんな私に
「(ジャズは)理論も大切だけど、それ以上に経験」
「とにかくセッションする 失敗もなにもないから、演りまくる」
「細かいことはいいんだよ、演りたいように演るんだよ」
そんな話をしてくれたのだった。
ジャズミュージシャンとして活躍するベーシストの言葉、感性重視で良いんだよという言葉に本当に勇気付けられた。
音大卒でも音楽専門校卒でもない私は、どこかそこにコンプレックスがあり、専門知識がない(理論がない)から説得力がないんだろうなと常に思っていた節がある。
そう思うなら勉強すれば良いじゃないか、と思われるかもしれないが、なんだかそれは違う、と思っていたみたい。勉強嫌い、とかではたぶん無い。おそらく、当時は、感性で評価されたい、という想いが強かった。
だから、ベーシストの言葉は私のその気持ちを肯定するものだったから、嬉しかったのだ。
今思えば、浅はかだなぁと思っちゃうが、当時は必死で歌ってたし生きてたな。(今もだけど笑)
今では
確かに理論は必要で、それはものすごい強靭な武器になる。力になる。
でも、それと同じくらい、感性で演ることはものすごく大事で、経験から得ることは計り知れないほどの財産である。
そして理論も感性も相乗効果があって、どっちも私の味方である。
そう、思っている。
その4に続く
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