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川辺の夕暮れ

〜イントロダクション〜

今の住まいは多摩川が近い。
生れ育った故郷も街の中心に川が流れていた。

流れる水を見ていると、今ここではない場所に意識が向いて、ぼうっとしていられた。時折跳ねる魚や、水鳥の声が現実に引き戻す役目になっていた。

水が流れているってなんて豊かなんだろう。

そこに魚や鳥が居て、ただそれを眺めることができるってなんて贅沢なんだろ。

流れる水は過去と未来のよう。

魚と鳥は時を渡る特別な存在だ。

私は川縁に座り、いつその流れに戻ろうかと考えている。

いつの時代に、どの場所に帰り着こうか、考えている。

始めから決めていたことを裏付けたいがために、時の流れを俯瞰して、考えている。

そうだ、始めから、決めていたのだ。

安心して立ち上がる。

川辺を歩き、帰ろう。

おうちへ。


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川辺の夕暮れ

嬉しい 気持ち 隠しながら 

歩く 小道 薄笑い

右手にオレンジ 左手に蛍光灯

先に見えるは 後ろ姿

帰ろう 明日 また 遊ぼう 

耳に こもる 声は かなた

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