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「がんばって」できるより、「たのしんで」できるを選ぶ

子どもの遊び道具を選ぶとき、何を基準にして決めているだろう。

自分で考える力が育つもの。

多岐にわたって学びや気づきがあるもの。

簡単にできるものより、少しだけ難しいものにも挑戦できた方が良いのかななど。

子どもが扱う遊び道具を選ぶとき、気付かぬ間に大人目線になってしまう。

気付けば沢山の大人の希望が詰め込まれた物を選びがちである。

大人目線で選んでしまった物は、子どもにはフィットしない。

今の子どもには、何ができて何が必要かを見極めきれずに選んだ物は活躍の出番が少なくなる。




息子は折り紙が好きだ。

ブームが来ては去って、ブームが来ては去ってを繰り返している。

保育園で折り紙をする機会が増えると、家でも折り紙熱が盛り上がる。

ずっと使っていた折り紙本がある。

3才頃にプレゼントでもらい、今も使っている。

折り紙のレベルは3段階に分かれている。
以前はよく手伝っていたが、簡単な物は5才の息子だけでも、手伝わずに折れる。

特に最近ではヒコーキの折り紙を気に入って、何種類か折っては飛ばして遊んでいる。

ずっと使っていて、気に入っている様子だ。

熱中しているので、新しい作品を作れると楽しいだろう。

新しい折り紙本を探して一冊購入した。

こちらは以前の本より、折り紙の作品の種類も豊富だ。

息子も喜び、早速つくる物を決めて、折り始める。

私も一読して、以前の物より全体的に少し難易度が高くなっているのは認識していた。

それでも「かんたん」と記載のある作品であれば5才の息子も折れるだろうと思い、決めた。

「かんたん」な物で、15個ほどの行程がある。

文字もひらがなで息子も読める。

しかし作り始めて間もなく、ヘルプの声がかかる。

「わからないなー」

説明をしながら、手伝いに入る。

またすぐにヘルプの声がかかる。

「うーん」悩む息子。

説明をして、少し難易度の高い折り方であれば手伝ってみせる。

その後も何度か呼ばれながら、何とか「かんたん」のレベルの作品が完成する。

息子は新しい作品に大喜び。

でもきっと次に一人で折ることは、未だできないだろう。

そしてつくる時、途中で何度もヘルプに呼ばれるので、私はイライラしてしていた。息子も「かんたん」な筈なのに、できないことにイライラしていた。

折り紙ってもっとワクワクして、楽しく作るものだよね。

これはもしかすると、今の息子にはレベルが高かったのかな。

そう思い、友人に相談してみる。

「100均の折り紙本は、保育園でも使ってて結構便利だよ」

本を100均で探すという視点が無かった。

早速いくつか購入してみた。


他にも季節ものなど、種類は豊富だったが、息子が楽しめそうな作品が載っていそうな本を選んだ。

前回買った本は、15個ほどの工程があり作り終えるまでに疲弊した。

今回買ったのは、5個の工程で完成する簡単な作品などが中心だ。

息子に見せてみる。

作るものを選び、作り始める。

文字や絵を見ながら、進める。

「出来た!」

今回は特に手助けせずに作れた。

息子も満足そうである。
私も見守っていたが、特につまづく様子もなく作り終えていてホッとした。

少し難しい作品に取り組んでいた時は、よく私を呼んで分からないと丸投げしていた。

「少しは自分で考えなよ」と私もイラ立ってしまっていた。 

「自分で考える」とは、
「自分で自立してかんがえる」ことである。


それは大人にとっては簡単なようで、子どもにとっては難しい。


大人は分かることだと「少し考えれば分かるでしょ」と、冷たく突き放してしまいそうになる。


おそらく自分が小さい時も自分にとって難しいことに直面すれば、「わからない」と言っていただろう。

遊びにおいて大切なのは、楽しめること。

楽しい気持ちが次につながっていく。

無理をして作ることは、苦痛になってしまう。

「がんばればできるもの」よりも、

「がんばらずとも楽しんでできるもの」

に重きを置く。

ときどき「がんばればできるもの」があるのも良いだろう。

しかし「頑張るもの」ばかりになってしまうと、できない自分が浮き彫りになり、自信もやる気も無くなってしまう。

「できた」と「たのしい」を積み重ねて、少しずつ自信を積み重ねられれば良い。

そのためには大人が焦らないことが、大切なのだと気付く。


日々の遊び方も息子をよく観察して、

「たのしんで、できた」を重ねられているかをしっかりと見ていこうと思う。

息子が「できた」と言いながら完成させて、遊んでいた百面相。大人もクスッと笑えるかわいい作品。

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