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制約の中にある、遊びの効用

チームワークは、どのようにして生まれるのか。

先日、秋に開催される小学校のお祭りのミーティングに参加した。
プロジェクトメンバーの他に、私のようなボランティアが30人ほど集まっていた。

参加のキッカケは、長男から「やってほしい」と言われたことだ。長男としては学校の行事に多くの保護者が集まる中に、母がいると嬉しいという、そんな願いだろう。
次男がまだ小さいことで、学校の活動に参加する機会が限られていたため、今年は参加しようと決めた。

ミーティングでは、プロジェクトメンバーから挨拶と祭り当日までの流れが説明される。
書類には、ボランティアメンバーの役割分担が書かれている。準備物として既にあるもの、用意すべきもの、決めるべきことまで細分化されている。

理解しやすく分けられているので、去年の祭りの現場に足を運んでいない保護者も理解でき、何をすべきかを考えやすいように設計されている。
やるべきことの枠組みは決まりながらも、枠組みの中での自由度を高くしているので、参加者の主体性を損なわずに参加の意義を持たせている。

私は輪投げグルーブに配属された。お父さん2名、お母さん2名の構成で、フルタイムだったり、仕事はしていなかったり、属性も様々である。個性の幅広さが学校のようである。

挨拶をして、やるべきことをすり合わる。役割分担を決めていく。
「僕は絵を描くことが苦手ですが、EXCELも得意ですし、現場の構成を考えることはできます。」とお父さんの一人。
「絵を描くことが得意なので、アートワークを担当させてください。」と私。
「では調整役として連絡担当が必要なので、連絡担当を担当します。」とお母さんの1人。
もう一人のお父さんは、何を担当してよいか迷っているようだ。
曖昧になりそうなところで、別のお父さんが声を掛ける。
「タスク整理と現場構成どちらが得意ですか?仕事を分けませんか?」具体的に質問をする。「タスク整理が得意ですね。」と答えて、4人の役割分担が5分ほどで決まった。

初見とは思えないチームワークに感動する。
役割分担が決まった後も、決まった役割に応じて、確認を進めていく。確認を進めながらも、それぞれが意見を交わして、自分ひとりでは気づかなかった視点に気づきながら、互いに生み出していく。

1時間半ほどのミーティングで、当日までの大凡のイメージが固められた。それぞれのコミットできる時間が限られるため、集まった時間でできる限りの確認をして、作業時間は必要なタイミングにまとめて行うことにした。

決めることで適切タイミングで決め、相互に補い合いながら、場を設計していく。創造性の遊びの部分は確実にあるのだが、無駄がない。
それぞれの個性が補完しあうチームワークを感じる。

なぜ、こうした事が起きるのかと考えると、それぞれが主体性を持って関わろうという意志があるから起きたことなのだろうと思う。
子どもが楽しめる環境をつくることに関わる人としての責任と意志を持って、コミットメントしているから起きた現象だったんだろう。

1時間ほどのミーティングで、祭りに向けた準備が楽しみになり、こうしたモチベーションは人と人との関係性の中で作られるのだなと改めて実感した。

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