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読書の観察

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読書を通して感じたこと。 読みたくなった本など。
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今日の読書: 「奴隷なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」ルトガー・ブレグマン 小さな希望と想像がもたらす効用

今日の読書: 「奴隷なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」ルトガー・ブレグマン 小さな希望と想像がもたらす効用

楽しく過ごせることが幸せなように思うが、決して楽しさだけでは生きた心地がしない。
「こうなっていきたい」「このように挑戦してみたい」など自発的な行動へ向かう希望を持ち動き続けている状態こそに幸福感を感じるものである。
1日のうち小さな希望でも見つけて、想像し、そこへ向けて動き続けたいものである。

今日の読書: 「物語思考」けんすう 判断と決断の違いについて

今日の読書: 「物語思考」けんすう 判断と決断の違いについて

判断と決断について、言葉の意味はわかっているようで、行動を伴う概念としては理解しきれていないことも多い。
決断をしなければいけないタイミングで判断しようとしていると、行動に移すタイミングを逃してしまい、結果的に決断も判断もできていないという結果になる。
仕事においても意思決定をしなければならないタイミングはいくつもあるが、悩んでしまう内容ほど要素分解して、判断すべき内容なのか決断すべき内容なのかを

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今日の読者: 「ゆっくり、いそげ」影山知明 「小さな自由」よりも必要な他者とは

今日の読者: 「ゆっくり、いそげ」影山知明 「小さな自由」よりも必要な他者とは

一人で決められることは気楽である。
気楽さの中には他者の責任は伴わないことから、負債感が少ないからである。
一方で一人という自由の中には、自己責任が内包される。そして、何か一人で成し遂げられない壁に当たったときに、自由であったはずの時間に不自由さが生まれてくる。
人は一人では生きていけない。他者、それも自分の「存在そのもの」を受け止めてくれる他者は、小さな自由以上の価値を与えてくれる存在である。

今日の読書: 「自分をいかして生きる」西村佳哲 自分の望みの在り処を示すもの

今日の読書: 「自分をいかして生きる」西村佳哲 自分の望みの在り処を示すもの

望ましくないありさまにも価値がある。
そう思うと日々生まれてくる悩みも尊いものだと思える。
悩んでいる最中は「ありたい自分」と「そうでない現実」のギャップの苦しみで頭が一杯だが、冷静に悩みを分析し始めると、自分の望みは何か、それは何故かを紐解いていくことが出来る。
紐解いていくことで、埋めるべきギャップではなかったことに気づいて悩みが解消されたり、ギャップが生まれた原因に対する具体的なアクションを

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今日の読書: 「悪人正機」吉本隆明 聞き手・糸井重里 意外性のある自分だけの領域を知る

今日の読書: 「悪人正機」吉本隆明 聞き手・糸井重里 意外性のある自分だけの領域を知る

自分の領域を知る。簡単なようで難しい。
人に見られることを意識するとよく見せようとしてしまう。できること以上の見せ方をして、高級な印象を出したくなってしまう。
そうではなく、意外性がある自分だけの領域を見つけることが大切なのかもしれない。
自分の領域を知るには、やはり他者の存在が欠かせない。他者の反応を見たり、また自分の内側を振り返ってみたり、「ウチ・ソト」の行き来を繰り返すことで、自分の領域を知

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今日の読書: 「面白いとは何か?面白く生きるには?」森博嗣 「面白さ」を作り出す難易度と達成感とは

今日の読書: 「面白いとは何か?面白く生きるには?」森博嗣 「面白さ」を作り出す難易度と達成感とは

苦しい状態が続くと「面白さ」が無くなる。一方でまったく苦しみがなくなったとしたら、それもまた「面白さ」が無くなる。
「面白さ」とは不思議なもので、少しの難しさと達成を感じられる適度なバランスが必要なようである。
着実に登り続けられる「面白さ」を感じられる山を登りたいものである。

今日の読書:「最低で最高の本屋」 違いを受け入れ、活きる場所を見つける

今日の読書:「最低で最高の本屋」 違いを受け入れ、活きる場所を見つける

違いを受け入れ、活きる場所を見つける

人は凸凹しているということの前提に気づくと、とても生きやすくなる。
周りとの違いに成長するごとに違和感を覚え、違いがあることが当たり前と気づくまでに右往左往する期間がある。
そして自分の凸凹を客観的に捉えることができるようになり、違いがあるからこそ光るものは何かを考え、光るものが活きる場所は何かを考え続けることが、いきいきと生きていく秘訣になるように思う。

今日の読書: 「シン・ニホン」手触り感を持って、自分だけの道を作る

今日の読書: 「シン・ニホン」手触り感を持って、自分だけの道を作る

手触り感を持って、自分だけの道を作る
コモディティ化した道を選ばない。誰しもが選ぶ道でない道を選ぶことは勇気が要る。前例がないこと、先が見通せないことは不透明で濃い霧の中を進んでいくようなものだ。
濃い霧の中をもがいたからこそ、視界が晴れたときに、自分だけの道がひらけてくるのである。自分の道にこそ、自分が生きた証となる手触り感を感じられるのである。

今日の読書:「哲学はこう使う」わかりやすさに逃げないという哲学

今日の読書:「哲学はこう使う」わかりやすさに逃げないという哲学

わかりやすさに逃げないという哲学人はわかりやすい物に安心する。見ている対象が何かわからないということは、不安である。その対象は「自分を傷つけるのではないか」、「自分で対応できるものなのか」様々な不確定要素と向き合うことは不安定であり、そこから逃れるために分かりやすい答えに辿り着こうとしてしまう。分からないということを肯定し、新たな「わかる」に近づいていくことが、自分にとっての本質を理解する一歩につ

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文章が好きなら、きっと好きーnoteで出会い『LEE』で紹介された話

文章が好きなら、きっと好きーnoteで出会い『LEE』で紹介された話

noteは、3年前に始めた。最初の一年は「マレーシア在住のヨガの先生」というだけで、顔も出してなかった。

続けていくうちに、互いに記事を読みあう人たちができた。井上さんもその一人だ。すっきりした無駄のない文章を書く人で、たぶん、私からフォローしたのだと思う。

ただ、noteはほとんどがハンドル名だ。顔も名前もどこに住んでるかも知らない人たちとのやり取りで、やめてしまったらそれっきりだし、ここか

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ひとつの言葉では表現しきれない、"うそ"の形

ひとつの言葉では表現しきれない、"うそ"の形

物事を捉えるとき、ひとつの側面だけでは、対象の物がどんな形をしているのか分からない。

コップを真っ正面から見ると、四角かもしれない。

真上から見ると、まん丸かもしれない。

斜め上から見ると、液体が入っていることに気づくかもしれない。

どれも一つの面だけ見ていると全体としてどんな形をしているかは、分からない。

コップだけでなく、誰かの人柄や、誰かの行動もひとつの側面だけ見ても本質的なことは

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読んだ本の記録。語りたくなる本に出会う5月。

読んだ本の記録。語りたくなる本に出会う5月。

GW明けたなぁと思っていたら、いつの間にか6月になっていた。

今月はなかなかお昼休みに本をが読む時間とれなかったこともあり、読んだのは12冊。
そのうち記録しておきたい本についてまとめておきたい。

ちなみに先月のはこちら。

デュアルキャリア・カップルもしかすると今年一よかった本になるかも、とおもってるのがデュアルキャリア・カップル。
夫婦のパートナーシップは我が家の大切なテーマなので、トレン

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読んだ本の記録。いい本に出会った春。

読んだ本の記録。いい本に出会った春。

4月の振り返りをしたあとに、4月の読書の振り返りをしたので、ついでに3月4月に読んでよかった本(小説をのぞく)をまとめておこうと思う。

読んだら感想をまとめたり、ツイートしたいなと思いつつなかなかできてないなー。

仕事関係の本が多くなったけど、よい発見をもらえる本が多かった。

セルフ・アウェアネス

言葉のずれと共同幻想

組織になじませる力この1年新入社員のオンボーディングを担当していて、

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"なぜ勉強するのか"という、問いについて

"なぜ勉強するのか"という、問いについて

なぜ勉強するのか。
そのことについて深く考えることなく、今までの人生を過ごしてきた。

良い大学に入り、良い会社に入れるから。
おそらく人生に欠かせないモノだから。
みんなが勉強している学校にいるから。

何となく"勉強する"ことの必要性は感じながら生きてきた。
勉強することに苦手意識の少なかった私は尚更、なぜ"勉強するのか"という問いを改めても持つことがなかった。


春から長男は小学校へ進学

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