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のざわの映画感想文

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映画感想・推薦・考察などを扱った記事です。娯楽映画が中心です。準メインコンテンツ。
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#シルヴェスター・スタローン

それは無謀か、或いは勇気か─ 「クリード 過去の逆襲」

それは無謀か、或いは勇気か─ 「クリード 過去の逆襲」

●「過去の逆襲」の個人的評価

 傑作ボクシング映画「ロッキー」シリーズのその後を描く「クリード 」。その3作目「過去の逆襲」が公開された。
 念願の最新作……。ロッキーファンの一人として、観に行かない選択肢は無い。物語が気になることも勿論だが、主人公:アドニス役のマイケル・B・ジョーダン(以下、全て人名敬称略)が初監督を務めると知ったその日から、尚更興味を唆られたのである。

 ロッキー役:シル

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小説を書きました 【逆噴射小説大賞2022 ライナーノーツ 前編】

小説を書きました 【逆噴射小説大賞2022 ライナーノーツ 前編】

・はじめに

 毎年恒例の“冒頭800字まで”の娯楽(パルプ)小説コンテスト:逆噴射小説大賞に初参戦し、以下の二作品を投稿しました。選考結果が出るのは暫く先になりそうですが、まずは感謝の意を二つ述べさせて下さい。
 皆様、お読み頂き誠にありがとうございました。そして100名以上ものコンテスト参戦者の皆様、執筆大変お疲れ様でした。

 これから二回の記事に分け、「なぜド素人の俺が突然小説を書こうと思

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“ロッキーのモデル”はロッキーに非ず。「チャンプ」 (2022年映画記録 4)

“ロッキーのモデル”はロッキーに非ず。「チャンプ」 (2022年映画記録 4)

 第49回アカデミー作品賞受賞作品「ロッキー」。
 うだつの上がらないボクサーが世界チャンピオンの対戦相手となり、努力の末に大健闘をみせ、試合には敗れるものの人々の喝采と“永遠の愛”を勝ち取る…。
 この叙情的で希望に溢れた物語は、俺を含め世界中の人々の胸を打った。

 さて、映画ファン或いはボクシングファンの方々なら、「ロッキー」の物語が着想されるに至った出来事をよくご存知と思われる。
 主演兼

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「ロッキー4」ディレクターズカット版完成によせて

「ロッキー4」ディレクターズカット版完成によせて

 以前から製作が噂されていた「ロッキー4/炎の友情」のディレクターズカット版が、ついに完成を迎えたようだ。

 シルヴェスター・スタローン氏(以下スタローン)監督・脚本・主演作:「ロッキー4/炎の友情」(1985年)。
 シリアスなヒューマンドラマ・恋愛映画としての色が濃かった初代「ロッキー」と異なり、本作は娯楽アクション・スポ根色を全面に打ち出していた。よって初代「ロッキー」のようにアカデミー作

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モノ書きは、紙とペンさえあれば戦える─ 『シルベスター・スタローン物語』に、モノ書きの決意と勇気を学ぶ

モノ書きは、紙とペンさえあれば戦える─ 『シルベスター・スタローン物語』に、モノ書きの決意と勇気を学ぶ

●前書き

シルべスター※・スタローン氏(以下スタローン)。俺が最も敬愛する映画人──俳優・監督・そして脚本家。創作者としての多大なる業績と俺の偏愛ぶりに関しては、以前「備忘録」にて述べた通りである。
 本稿では、そんなスタローンの半生を描いた俺の愛読書:漫画『シルベスター・スタローン物語』について紹介し、その真の魅力である“文豪としてのスタローン”描写について特に熱く語りたい。そして日々note

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シルヴェスター・スタローン備忘録

シルヴェスター・スタローン備忘録

 俺が最も敬愛する映画人──俳優・監督・脚本家:シルヴェスター・スタローン氏(以下スタローン)※。脚本・主演を務めた「ロッキー」は第49回アカデミー作品賞を受賞。その後も「ランボー」「エクスペンダブルズ」等々多くのシリーズを立ち上げヒットに導く。近年(2016年)においては「クリード チャンプを継ぐ男」の好演によって第88回アカデミー助演男優賞にノミネートされる。…といったように、長きに渡って数多

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2021年に観て印象深かった映画を振り返る② 一月編 その2

2021年に観て印象深かった映画を振り返る② 一月編 その2

 本稿では以前の記事に引き続き、今年の一月に自宅で鑑賞して特に印象深かった映画を振り返っていきたい。今回挙げる三本は、様々な意味で刺激が強かった映画となる。なお、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」のみネタバレを含むのでご注意を。

4、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」(1997年)

TV版のもう一つの結末として描かれた劇場版完結編。TV版の第弐拾

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