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【event】 Instagramで政治家と話そう。政治家とわたしたちの新しい距離へのチャレンジ

都知事選直後、7月7日(火) のInstagramライブ(以下、インスタライブ)で私たちが目指したのは、政治家との新しい距離づくりでした。

今回は、Facebook Japan 株式会社さん主催(企画協力:イチニ株式会社さん)、NYNJが企画運営に携わった「Instagramで政治家と話そう」のイベントレポートをお届けします。

フライヤー横(youthpoli)

当日は、乙武洋匡さんと藤原史織さんによる司会進行で、NO YOUTH NO JAPAN(以下、NYNJ)代表・能條桃子がゲストスピーカーとして登壇。
6名の政治家の方々と、政治専門の広告代理店 POTETO Media 代表である古井康介さんをお招きし、「政治家は、若者のことを本当に知っているのか?」「政治家にインスタをどんな風に使ってほしいか?」という2つのテーマで意見交換を行いました。

※ イベントの模様は、インスタグラム@youthpoli_meetingのIGTVでご覧いただけます(2020年8月時点)。

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画面上部は当日のイベント会場の様子。画面下部に映っているように、政治家の方々とはZoomで繋げて意見交換を行いました。


どんな場所をつくりたかったのか。なぜインスタライブだったのか。そして、政治家とわたしたちの関係をこれからどんな形にしていきたいのか。

企画書の提案から当日運営まで、25回のミーティングを重ねて走りきった、企画者の想いを聞きました。

インタビュアー: NO YOUTH NO JAPAN メンバー 林怜奈、吉井紗香
インタビュイー: NO YOUTH NO JAPAN メンバー 石井萌、ミュラーキャサリン

“一方通行’’ の関係から、 “双方向” で “気軽” な対話へ

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林怜奈(以下、林):萌さん、キャサリンさん、本日はよろしくお願いします!NYNJは色々なイベントを開催していますが、政治家の方と話すという企画は初めてで、しかもインスタライブで行うということに、メンバーとして私も驚きました。この発想は、なぜ生まれたのですか?

石井萌(以下、石井):もともと、政治家と私たちの関係が、一方通行に近いと感じていました。政治家は「こんな社会にします!票を入れてください」と自分のつくりたい社会を語ります。そして、私は自分が生きたい社会と似ている社会をつくってくれそうな方に投票をします。

でも、私たちの代表である政治家に、私たちが生きたい社会を伝える機会って、身近にはあまりないですよね。もちろん思い立てば、Faxやメールで議員さんに声を届けることはできるけど、政治家とわたしたちが、双方向で対話をできる場所が、もっと欲しいなと思っていました。

ミュラーキャサリン(以下、キャサリン):実は、海外の政治家はインスタグラムで頻繁に活動内容を投稿したり、インスタライブで話をしていたりします。いきなり街頭演説を聞きにいったり、マニフェストを読んだりするのはハードルが高いかもしれないけど、U30世代が日常で当たり前に使うSNSで接点をつくれば、「よし今日は政治に関わるぞ!」って気合入れすぎなくても、まずは気軽に参加ができるかなと思って、インスタライブで配信してみることにしました。

U30 が感じるギャップを、U30 の声で届けたい

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林:「双方向」での対話を目指していたとのことですが、「若者のこと、本当に知っている?」や「インスタグラムを政治家にどう使ってほしい?」というテーマ選びや、イベント設計のこだわりってなんだったんでしょう?

石井:政治家が思っていることと、若者が求めていることのギャップがあるのでは?という想いが、テーマ選びの出発点になっています。日本の政治家のインスタグラムを見てみると、食べ物の投稿だけだったり、選挙の時しか使っていなかったりなど、若者目線で見た時に、フォローしたい!と思えるような投稿が少なくって。わたしたちの声や求めているものって、あんまり伝わっていないなって思ったんです。だからこそ、U30 世代の側から、思っていること・求めていることをもっと伝えなくちゃなと。

キャサリン:「U30世代の声を示して、お互いの認識のギャップを埋めること」は、今回のイベントづくりでこだわっていたポイントです。当日は、若者1000人へのアンケートや、NYNJフォロワーに協力してもらったアンケート結果を示して、U30の声を政治家の方々にお伝えしました。例えば、若者1000人のうち政治を身近に感じている若者は全体の33%のみであること、政治が身近になるためにもっとも努力すべきは政治家だと考える方が42%を占める、ということなどです。
それに対する政治家の方々からのご意見もいただいて、お互いにギャップを少しでも埋められたかな、と思います。

一人ひとりが政治家とつながれる場所を目指して

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林:初めての形のインスタライブで、難しいと思った部分もあるのではないでしょうか?今後、もっと改善したいところはありますか?

キャサリン:視聴者の皆さんと政治家の方々の距離をもっと近づけたかったな…というのが正直な想いです。視聴者の方からのコメントで、「タイトルが『Instagramで政治家と話そう』なのに、視聴者が直接政治家と話す機会がなかった」という声を頂いて。後半のアフタートークでコメントは拾わせていただいたのですが、1部・2部では政治家の方々はインスタライブではなく、Zoomで繋いでいたこともあって、政治家の方々と視聴者の皆さんが直接お話する時間をとることができませんでした。

石井:普段のインスタグラムの投稿では、「それな!」と共感を呼べる、つまり世代の代弁者になることを意識して編集部が投稿をつくってくれています。でも、イベントは代弁者になるだけじゃなくって、政治家と視聴者の皆さんを直接つなげられる可能性があると思うし、それが果たすべき役割なのかなって思ってます。
政治家と話したいと思ってくれている方がいると分かったので、次回は視聴者の皆さんと政治家の方々がインタラクティブにやり取りできるように、イベントを作りたいです…!

政治家とわたしたちの新しい距離づくり

林:これからも「インスタライブ × 政治家」のイベントを、続けていきたいですか?

石井:ぜひ続けていきたいです!日本の政治家はインスタグラムの運用がまだ浅く、開拓中のプラットフォームだと思います。だからこそ、NYNJが何かできたら面白そうだなと。政治家の方々に、インスタグラムは若者との交流ができる重要なツールなのだということを伝えていきたいです。

キャサリン:とは言え、若者視点では、政治家のインスタグラムを覗き見したいと思うに至るまでが大変な感じがします。ギャップのところで話したことと被ってしまうけど、わたしたちがどういう情報発信を求めているか、声を届け続けるのが大事かなと思いました。政治家側が想いを若者に届けるための工夫や取り組みも大切だけど、若者側が積極的に、政治家へ想いを届ける工夫や姿勢も大切ですよね。

石井:次やるとしたら、政治家を一人ひとりお呼びしてライブをしたいかな…。U30の政治の入り口の一つに、政治家が発信するインスタライブという選択肢がある未来を造っていきたいです。


【編集後記】

日常生活で話す機会の場が少ないためか、まだまだ「政治家」は、わたしたちにとって、遠い存在です。

でも、わたしたちが社会を託す相手なのだから、本当はもっとお互いに声を届け合う存在であっていいはず。私の質問にこんな風に言ってくれた「〇〇議員」、こんな法案に関心をもってくれている「〇〇さん」といった、個々でのつながりが、もっともっと増えていったらいいのになと思います。

こうあったらいいな、の関係づくりを目指して、NYNJは、これからも政治家とわたしたちの新しい距離づくりに挑戦していきます。
衆議院選前の次回イベントに、ぜひご期待ください!

(文=林 怜奈、記録=吉井 紗香、撮影=中本 順葉)

NO YOUTH NO JAPANのInstagramの投稿を続けるためのデザイナーさんへの依頼料と活動の運営経費にさせていただきます!