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InstagramメディアのNYNJが、なぜ初めて本を出版するのか。【#NYNJ本】

「わたしたちの生きたい社会をつくろう」。立ち上げ当時からあったこの言葉を、本のタイトルとして届けられることになりました。

NO YOUTH NO JAPAN(以下NYNJ)の初の書籍『NO YOUTH NO JAPAN vol.1 わたしたちの生きたい社会をつくろう』が、よはく舎さんから発売され、2020年9月20日に全国での販売が開始されます。
2019年7月の参議院選挙から始動した私たちも、活動開始1周年となった7月21日までの1年間でのInstagramの総投稿数は231枚。今回の書籍では、その中で特に私たちが伝えたかったメッセージの詰まったポストを中心に掲載しています。

最初の書籍だから伝えたかった『投票』へのこだわり

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この書籍で私たちが力を入れて紹介しているのは、NYNJの活動の原点でもある『投票』について。

なぜわたしたち若い世代こそ投票しないといけないのか、投票にはどんな意味があるのか、政治という言葉のもとでは何が行われているのか。そんな問いに対する私たちの考えを、投票する理由に乗せて作成した投稿を、冊子向けに再構成して掲載しています。投票は、政治や社会を少しでもいい方向に変えるためにまず最初にできることだ、と感じてもらえたらと思っています。
折しも国会に目を向ければ、自民党の新総裁と立憲民主党の新代表の選挙が行われ、菅義偉官房長官が新首相に指名されたものの、衆議院の早期解散・総選挙も噂されています。日本歴代での最長政権となった安倍首相の退任は、良くも悪くも安定していた政権運営の終わりでもありますが、裏を返せば、今まで変化に乏しかった社会の様々な側面を、『わたしたちの生きたい社会』に変えていくチャンスでもあるということ。共に社会をつくっていく皆さんと、今だからこそ共有したい内容を盛り込めたんじゃないかと思います。


書籍の刊行にあたり、NYNJの立ち上げ当初から団体運営を主導し、今回の書籍の編集にも携わったメンバー5名と、出版のお話を頂いたよはく舎の代表・小林えみさんより、今の想いをコメントとしていただきました。

ブックデザイン 平山みな美
出版のお話にうれしいという気持ちももちろんありましたが、始まって1年も経っていないNYNJが出版社から本を出せるとは思ってもいなかったので、驚きの方が大きかったです。出版への不安もありましたが、小林さんやメンバーと会話を重ねる過程で、NYNJの活動を冊子にすることには大変意味があると感じるようになりました。
Instagramの延長ではありますが、見開きで画像を大きく対で見せたり、始まりから今に至るまでの見せ方に編集を加えたり、冊子だからこそできることも試せてよかったと思います。一方、色の表現では大変だった部分もあり、今後に活かしていきたいと感じるところもありました。
今後もこの冊子はシリーズを続けていく予定なので、集めて部屋に置いておきたくなる人が増えるようにデザインの仕掛けをできるといいなと考えています。「難しい」「つまらない」という固定観念のある「政治」を、いかに「面白く」「わかりやすく」見せられるか、とてもやりがいのある挑戦になるだろうと今からわくわくしています。

編集 黒住 奈生
「いつか本を出せたらいいね」と話していたのが、こんなに早く実現するとは思いもしませんでした。
内容を模索しながらInstagramの投稿を続けているなかで、今が出版に挑戦させていただくタイミングなのかという話合いもありました。そのとき、「InstagramやSNSを見ないという人もたくさんいる。本にすることでそういう人にも活動を知ってもらうチャンスができる」という言葉に背中を押されました。
投票する理由についての投稿は、自分が提案した企画でもあったので思い入れがあります。政治や社会への責任を自覚したての自分が1年前がむしゃらに作ったもので、内容的に稚拙な部分は多々あります。ただ、投票に意味や価値はある、そのことを知って考えるきっかけを作りたいという想いは変わっていません。
NO YOUTH NO JAPANを応援してくださる方が、周りの誰かにこんなメディアがあるんだよ、と伝えるツールとして使ってもらえると嬉しいです。
編集 高槻 佑圭
NO YOUTH NO JAPANが今までInstagram上に投稿し、スマホやパソコンの中で見ていた画像が「本」というカタチになるというのは、夢のようなお話でした。
今回の本に掲載したのは、活動を始めたきっかけの2019年参議院選挙の時に投稿したものが多く、その制作にかけた思い入れも特に強いものでした。15コの「#どうして投票しないといけないの」は、自分たちで頭をひねって絞りだしたものです。今回の本の製作に合わせて1枚1枚の画像にキャプションをつけながら、改めてNO YOUTH NO JAPANの活動の原点ともいえる、当時投稿に込めた想いを思い出すことができました。この想いがインターネットのみならず、「本」という媒体になることで今まで以上に多くの人に届けられるということが非常に楽しみです。
編集 瀧澤 千花
2019年の参議院議員選挙のための2週間限定のプロジェクトだったはずが、こうして1周年を迎え、Instagramから飛び出し「本」を出版できたこと、とても嬉しく思います。
デンマーク留学中に感じた「民主主義」を自分たちはどう行動に落としていくのか、日常から「政治」について話し、考えることをどうしたらスタンダードにしていけるのか、この1年間のNO YOUTH NO JAPANの活動は紆余曲折の日々でした。そういったタイミングで出版のお声がけをいただき、活動の原点となる想いを再認識することができました。
今回のメインは「#どうして投票しなきゃいけないの」です。「政治を話すこと」や、「選挙に行こう」と真正面から言うことなどタブー視されることについて、U30のみならず多くの人に手に取っていただき、真正面から見つめ、一緒に考えることができたら嬉しいです。まずは知ることから、わたしたちの想いが届いたらなと思います。
編集・NO YOUTH NO JAPAN代表 能條 桃子
「投票って普通行くでしょ」
初めて選挙権を得た18歳のとき、案外周りの友達が投票に行かないことに驚きました。その次にあった19歳のときの選挙でも、友達にどうして投票に行った方がいいのか、選挙に行くとき何を参考にしたらいいのか、伝える言葉も熱量も持ち合わせていませんでした。
その次の選挙が21歳の時。ちょうどデンマーク留学を経験していた私は、若い世代が投票に当たり前に行く国の空気に感化されてNO YOUTH NO JAPANを立ち上げました。
この本に収録させてもらったコンテンツは、「投票って普通に行くよね」って友達に言えなかった私のためにあったようなものでした。
今回、本の編集をしながら、まだInstagramフォロワーが数百人だった頃に、深夜テンションで投稿のキャプションを書き、勢いで投稿し続けていたあの時を思い出しました。自分たちのことを無敵だと思っていて、心の底からもっと多くの若い世代が投票に行く社会にしたいと信じていました。そして、それは今でも変わっていないと思います。
この本を新たな出会いとして、またわたしたちの想いや活動を知ってくれる人と出会えることにワクワクしています。
よはく舎代表 小林 えみさん
NYNJの画面をみたときのセンスの良いあざやかさは、今でも強く印象に残っています。
ウェブやSNSは即時性をもって情報を伝えるのに適したメディアですが、せっかくのうまくまとまった情報が(データが消えずに存在しているとしても)、どうしても顧みられなくなりがちです。
ぜひ、これを書籍という別の形でより多くの人へ届けたいと思い、NYNJにZINEとしての刊行をお願いしました。
「U30」をメインターゲットとしているNYNJですが、忙しい働き手世代や、たくさんの文字を読むのが疲れてしまう年輩世代にも読みやすいコンパクトサイズです。またU30のなかでも「政治」をまだ遠くに感じる10代にも視覚的に届きやすい情報整理がされていますので、自分たちの未来のため、そしていま直近の実用としては自宅学習の教材などにも活用してほしいですね。

皆さんへのお願い

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この本を刊行するにあたって、私たちが皆さんにお願いしたいことが3つあります!

①この本を買って私たちを応援してください!
主に大学生を中心に運営している私たちは、資金体制については到底盤石とは言い難いです。そのため、ぜひご購入いただく事で金銭面でご支援頂くと同時に、私たちの1年間の記録を冊子として皆さんのお手元に置いておいて頂ければ幸いです。

②本の感想を #NYNJ本を付けて呟いてください
本にまとめたポストやストーリーも含め、私たちの本を手にしての感想を、#NYNJ本 を付けてシェアして欲しいです!Twitterでの感想はモーメント等にまとめさせていただきます。
また、今までNYNJの事を知らなかった周りの誰かにこの本や、私たちのinstagramを紹介してもらえると嬉しいです。


③ポストやストーリーを見直して、わたしたちが社会をつくることについて考えてみてください!
本で紹介したポストは、私たちが作ってきたinstagramのごく一部。掲載しきれなかった多くのポスト・ストーリーズを通して、政治や社会を知って考えるためのたくさんのコンテンツを制作してきました。
私たちの本やinstagramを見た時、何か一つでも「あれ?」と心が動かされたり気付いたことがあったら、その気持ちを覚えていてください。それを手掛かりにして、あなたが生きたい社会とは何か、そのために何ができるか、考えるところから始めてもらえると嬉しいです。

https://yorunoyohaku.com/items/5f15b3a974b4e47134bc1586


書籍として残す、という事は、その時点での私たちの成長を変えられない記録として刻むということ。同時に、その記録を乗り越えてもっともっと先へ進んでいくという決意表明でもあります。私たちはこれからも、Instagramを中心とした情報発信やイベントの開催を通して、これからの社会を作る仲間と共に成長していきます。
引き続き、NO YOUTH NO JAPANを応援よろしくお願い致します。

(文=野口 俊亮)

NO YOUTH NO JAPANのInstagramの投稿を続けるためのデザイナーさんへの依頼料と活動の運営経費にさせていただきます!