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神戸からのデジタルヘルスレポート #53 (ペット)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は第50回に続き、ペット関連のスタートアップを取り上げます!めちゃめちゃホット。元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます:-)

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1. Firstvet:デジタル動物病院

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企業名:FirstVet AB
URL:https://firstvet.com/
設立年・所在地:2016年・ストックホルム/スウェーデン
直近ラウンド:Series B(2019年11月)
調達金額:€23.6m(Creandum , OMERS Venturesなど)

Firstvetは、スマートフォンやパソコンを通じてオンライン診療を行うデジタル動物病院です。専用アプリ経由で診察、薬の処方など一連のサービスを提供してくれます。

皮膚疾患や嘔吐・下痢、咳、創傷ケア、応急措置など幅広い症状に対応、利用可能時間は7時~24時までと普通の動物病院に比べてかなり長め。オンラインで場所を選ばずに使える、診られるメリットをフルで生かしています。

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実際に利用したユーザーからの評価では満点・Excellentが95%。口コミを見ていると数時間前に書き込まれたものも多く、現在進行形で多くのユーザーに満足度の高いサービスを提供できていることがわかりますね。

このサービスの対象地域は英国やノルウェーなどの北欧諸国が中心。Youtubeの動画も多言語対応、すごい!

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2. Modern Animal:ペット診療管理

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企業名:Modern Animal, Inc.
URL:https://www.modernanimal.com/
設立年・所在地:2019年・ロサンゼルス/アメリカ
直近ラウンド:Seed Round(2019年10月)
調達金額:$13.5m(Founders Fund, DCM Venturesなど)

続いては2019年設立仕立ての、犬の健康生活支援のスタートアップを。Modern Animalは、動物病院への診察予約や日程管理・獣医へのオンライン相談などを行うことができるサービス。年間100ドルで、獣医・専門家へのアクセスが365日・24時間可能になります。

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同社を設立したSteven氏が目指すのは、単にアプリ内体験の質の向上ではなく、全体として最高のケアを提供できる効率的なオペレーションシステムの構築です。そのために今後5年間で50か所の動物病院との連携を目指しているとのこと。あくまでサービスはその手段。

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デジタルを絶対視しない。好きな考え方です:-)

3. Fidocure:犬のがん向け遺伝子個別化治療提供

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企業名:One Health Company
URL:https://www.fidocure.com/
設立年・所在地:2016年・パロアルト/アメリカ
直近ラウンド:Seed Round(2019年1月)
調達金額:$5m(Andreessen Horowitz, MaC Venture Capitalなど)

3匹に1匹の犬はガンにかかるといわれています。さらに、犬の寿命は短いため病気の進行が早く、あっという間に治療が困難になってしまうことも多いそうです。Fidocureは、遺伝子解析技術を利用して犬のがんに対する個別治療を提供しています。腫瘍の遺伝子構造を解析し、その情報から正確にがん細胞を攻撃する標的治療を提供してくれます。

治療は主に薬の経口投与で実施可能で、獣医の設備負担や犬自身の身体への負担を考えてもよいチャネルっぽい。ただし、遺伝子解析には腫瘍の生検が必要で、飼い主が直接申し込むというよりは獣医を介して間接的に利用する形式です。

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Global Market Insightsによると、ペット向けのがん治療薬の市場は年間10.8%のペースでで成長しており、2018年の1億7,800万ドルから2024年までに3億ドルに増加すると予測されています。この成長市場でFidoCureがどうなっていくのか注目!

4. Pet doctor:中国・ペット向け医療プラットフォーム

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企業名:Aichongyisheng
URL:https://www.5ichong.com/
設立年・所在地:2015年・上海/中国
直近ラウンド:Funding Round(2019年8月)
調達金額:CN¥130m(Yuyuan Investment.)

Pet doctorは、ペット用の総合的な医療プラットフォームで、

・ペットに関するオンライン相談
・ペット用の医療器具の販売
・動物病院のデータ管理
・獣医のトレーニング

など幅広いサービスを提供しています。

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現在、200万人以上の人が登録しており、北京、上海、広州など200以上の都市で1万以上の動物病院、2万以上の獣医が利用しています。規模がすごいぞ。設立は2015年、北京で行われた「2016イノベーションスプリングサミット」で優秀企業賞を受賞。同年に香港で開催された「アジアスマートフォンアプリケーションコンテスト」、2017年に江蘇省で行われた「iチュアンカップ」で優秀プロジェクト賞を受賞するなど、ピッチイベントではめざましい成果を上げています。

5. Boreal Pet Products:犬のための食品ガイドブック

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企業名:Boreal Pet Products Inc.
URL:https://borealpetfood.com/
設立年・所在地:2019年・バンクーバー/カナダ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Boreal Pet Productsは、犬のためのデジタル食品ガイドブックです。ホームページから無料ガイドブックをダウンロードすることができます。

ガイドブックには以下の内容が含まれています。

- 犬に悪い人間の食べ物
- 犬に優しい人間の食べ物
- 犬にとって有毒な植物
- 犬が有毒なものを食べたらどうするか

どれも犬を飼う上で重要な情報ですね。デジタル版なので、いつでもどこでも見ることができます。普段の生活だけでなく外出先などで活躍しそう。

自社ブランドのペットフードをつくっていて、これが本業っぽいですね。

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ガイドブックは飼い主に対して食物に関する知識を与え、ペットに将来起こりうる問題を予防することを期待しています。動物が困ったときにどのように対処するかもとても重要なことですが、問題が起きる前に予防することが一番重要ですよね。ペットにも未病を!

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こんな感じで、第53回でした。
過去分もたっぷり厚くなってきました。マガジンのほうもぜひ見てみてください:-)


応援ありがとうございます!