見出し画像

神戸からのデジタルヘルスレポート #51 (赤ちゃん)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は第51回、テーマは『赤ちゃん』です!元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます:-)

==

1. Raybaby:レーダー技術を用いたベビーモニター

画像1

企業名:RiOT Solutions, Inc.
URL:https://www.raybaby.us/
設立年・所在地:2016年・フォールズチャーチ/アメリカ
直近ラウンド:Seed Round(2018年3月)
調達金額:$1.4m(HAX, Anthill Ventures)

Raybabyは、レーダー技術を用いた非接触性のベビーモニターです。赤ちゃんの動きや呼吸を検知するセンサーや暗視カメラだけでなく、赤ちゃんの声を検知するマイクが搭載されています。スピーカーも搭載されているため、アプリ・ハードウェア経由で話しかけたり、音楽をかけてあげたりすることができます。
まずは、どんな製品なのか動画をどうぞ!

赤ちゃんの様子は専用のアプリケーションを通して親に伝えられます。寝ていれば呼吸数や何時間寝ているか、起きていればどのくらい動き回っているかという詳細な情報まで教えてくれます。

画像2

これらの情報はアプリケーション内に蓄積されるため、思い出や成長の記録として保存しておくこともできます。この1台さえあれば育児の負担が大幅に減りそう。

画像3

同製品は受賞歴も豊富で、デザイン性と技術が高く評価されています。
ただし専用アプリへのユーザーレビューは、最高評価と最低評価がほぼ同数と意見が分かれている様子。販売サイトでも現状購入不可。なにがあったんや。

画像4

Pechatの発展版、みたいなものですかね、よさげ!

2. oninvasix:超低体重児の脳酸素状況を非侵襲測定

画像5

企業名:Noninvasix, Inc.
URL:http://www.noninvasix.com/
設立年・所在地:2007年・ヒューストン/アメリカ
直近ラウンド:Venture Round(2020年4月)
調達金額:$3.8m(Texas A&M New Ventures Competition)

2011年、日本における出生数全体に占める低出生体重児の割合は10%弱でした。世界平均も7%弱で、未熟児・超低出生体重児の成長管理やモニタリングは重要なイシューです。一つ、モニタリングにおいて重要な視点は、脳に酸素が十分に含まれた血液がいっているかということ。しかし、非侵襲的で簡便な脳内循環を測定する方法は今までありませんでした。

Noninvasixは、光音響技術を使用して非侵襲的に脳内の酸素状況をモニタリングできる機器で、主に未熟児や低出生体重児に使用されます。リアルタイムのモニタリングは早期介入を可能にするので、将来の脳機能障害のリスクを減らすことができます。

この機器を使用することで低酸素症のよる脳性麻痺を防ぎ、脳性麻痺になってしまったとしたら必要になっていただろう医療費240万ドル~620万ドルを節約できるとされています。大きなインパクトだ。ソリューションや提供価値をハードに書ききっていて、強く真面目なチームである感が伝わってきますね。。

画像6

2020年4月には新たに、$3.8mの資金調達に成功しています。これからどこに向かっていくのか。楽しみ。

3. Presque:母乳育児を支援するスマートブラジャー

画像7

企業名:Presque Inc.
URL:https://www.mypresque.com/
設立年・所在地:2019年・サンフランシスコ/アメリカ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

赤ちゃん用のミルクも様々開発・提供されてきていますが、それでも母乳による育児を望む母親は世界中にいます。一方で、母乳育児に関連するプロセス(授乳や搾乳の問題)の問題から本来よりも早く母乳育児をやめてしまう母親も多くいるようです。

そんな問題を解決するために開発されたのが、Presqueという母乳の状態を検知・管理してくれるブラジャーです。これを胸に装着することで母乳の量や出具合を自動で検知してくれます。母親はPresqueから母乳に関するフィードバックを得ることで、授乳を母乳でするか、ミルクでするかという選択をすることができます。これにより、母乳による授乳サイクルが確立されるため、母親の負担が大幅に削減されます。

画像9

この製品は創業者が、母乳不足のために途中で母乳育児を断念した母親の話を聞いたことがきっかけとなり開発されました。継続的な母乳育児を可能にしたいという思いがこの製品を生み出したんですね。

この5月末に開催されたHITLAB@New Yorkのフェムテック系ピッチイベントで、Presqueは第3位になっています。今後にさらに注目!

画像8

4. iMumz:妊娠女性のウェルネスアプリ

企業名:Pruoo Health Tech Private Limited
URL:https://imumz.com/
設立年・所在地:2019年・ベンガルール/インド
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

iMumzは、妊娠女性が身体的・精神的に健康に過ごせるように様々なプログラムを提供してくれるアプリです。このアプリケーションは母親だけでなく、胎児の成長も促進するようなプログラムも組み込まれています。母親も退治も健康に。

プログラムは、ヨガや瞑想などの母親向きのものから、胎児教育に使われるような音楽系のものなど多岐にわたっています。プログラムの選定には科学的エビデンスの強さを踏まえて決定しているとのこと。

画像10

その他にもExpert DocTalksという、医師からのカウンセリングを受けることができるサービスもあります。妊娠中に生まれうる様々な不安を緩和する意味でもよさそう。

画像11

Web上には、

Make your pregnancy more joyful and give birth to a healthier, happier and smarter child.

とあります。「子どもの精神的および行動的発達は子宮内で始まる」というヒンドゥー教の伝統的な考え方を大切にしながら妊娠女性に対する支援を行うコンセプトは、インドのスタートアップならではのものなのかなと。素敵。

5. Stroller For Me:ベビーカーの比較サイト

画像12

企業名:Stroller For Me
URL:https://strollerforme.com/
設立年・所在地:2019年・N/A
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Stroller For Meは、各自のニーズやライフスタイルに合わせたベビーカーを見つけるためのベビーカー比較サイトです。20もの項目で絞り込むことができるので、自分の欲しいベビーカーをすぐに見つけることができます。

フィルター機能で絞り込むと以下のように該当するベビーカーの一覧になります。そして気に入ったベビーカーのBuyのボタンを押すと、amazonのサイトに移行します。アフィリエイトでマネタイズしているのかな...

==
こんな感じで、第51回でした。
過去分もたっぷり厚くなってきました。マガジンのほうもぜひ見てみてください:-)

応援ありがとうございます!