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神戸からのデジタルヘルスレポート #102(遠隔診療/湿疹管理アプリ)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

2022年は、昨年2021年に創業したデジタルヘルススタートアップを取り上げていきます。毎週木曜日朝配信を予定しています!次回#103が最終回となる予定です…!!

今回は遠隔診療と湿疹管理アプリをテーマにご紹介していきます。

1. 24/7 Doctor Online:ガーナのオンライン診療アプリ

企業名:24/7 Doctor Online
URL:https://www.247doctor.online/
設立年・所在地:2020年・アクラ(ガーナ)
直近ラウンド:Seed(2021年3月)
調達金額:$100K

24/7 Doctor Onlineはその名の通り24時間年中無休のオンライン医療相談プラットフォームです。

予約を取り、時間になるとリモートで認定医と繋がります。インフルエンザなどの比較的緊急性の高い疾患からアレルギー、片頭痛など幅広い症状に対応しており、必要に応じて薬の処方も完全オンラインで受けられます。その他ドライブスルー方式のコロナPCR検査もできます。

アプリがありますがネットでも予約可能です。再診はすこし安くなる仕組み。

WebサイトよりもFacebookの方が情報が多いかもしれません。紹介動画などもこちらで見られます↓

➡️Don't Wait. See an Experienced Doctor Online Today ➡️Convenient, Affordable Healthcare is here ➡️No Guesswork! ➡️Try 70% off 🔥 ➡️Stay at home - see a Doctor Online in minutes.24/7

Posted by 24/7 Doctor Online on Thursday, May 28, 2020

様々な新興デジタルヘルスケアサービスがひしめくアフリカ・ガーナでの動向はこれからも注目です。

2. CHIFAE:モロッコの遠隔医療アプリ

企業名:CHIFAE
URL:https://www.chifaeapp.com/
設立年・所在地:2021年・フェズ(モロッコ)
直近ラウンド:Pre-Seed(2020年9月)
調達金額:MAD250K

こちらのCHIFAE、アフリカはモロッコからオンライン診療のプラットフォームを開発している企業です。

会社のメンバーは5人、アプリが近日公開と今まさに走り出したばかりな感じのサービスですが、オンライン医療相談の予約から医療記録の管理、料金の支払まで包括的な機能が搭載されるようです。

創業者のMohammed Kacimi Alaoui氏はモロッコの現役医学生。下の動画のサムネイルの彼です。

3. Practice Crown:遠隔医療支援ソフトウェア

企業名:Practice Crown
URL:https://practicecrown.com/
設立年・所在地:2020年・カリフォルニア
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Practice Crownは遠隔診療まわりの機能やツールをまるっと詰め込んだ医療者支援ソフトウェアです。

ワンストップのサービスを展開していて、具体的な機能としてはざっと以下の通り。
・オンライン受付:患者さんが事前にIDや保険情報、クレジットカード情報を登録することで受付での手続きを簡略化
・遠隔診療システム:患者側のアプリダウンロード不要でビデオ接続が可能(HIPAA準拠)
・テキストメッセージ:患者とのコミュニケーションを一括管理
・マーケティングツール:季節の挨拶やプロモーションのメール作成・送信機能
・レビュー管理:患者さんにアンケートを自動送信しフィードバックを収集、批判的なレビューがあればアラートが出るので即対応が可能
・予約管理
・オンライン予約フォーム
・Webサイト作成
・デジタル広告・SNS広告
・SEO対策

患者さんの情報を自動管理・事務関連をトータルサポート、といったかんじです。WebにはEHR統合の記載もあり。加えてコロナワクチンの予防接種登録システムにも取り組んでいるようです。

4. ApplMD:オールインワン遠隔医療プラットフォーム

企業名:ApplMD
URL:https://www.applmd.com/
設立年・所在地:2020年・アイダホ(アメリカ)
直近ラウンド:vPrivate Equity(2021年3月)
調達金額:N/A

TelehealthPro という遠隔医療プラットフォームを提供しているのがこちらのApplMDです。

患者さんはモバイルアプリから専門や症状に合った病院を探すことができ、ビデオ通話によるバーチャル診療、EHR(電子健康記録)やオンライン処方箋、保険適用のチェック・請求処理、ラボ検査、オンライン支払いなどがシステムに組み込まれています。まさにオールインワン。

こちらのサービス、現在期間限定で医療機関向けに無料で提供されています。始動したばかりなゆえ、まずはユーザーを獲得したいところ。

アニメーション調のプロモーション動画はこちらに。

5. Eczemadoc:湿疹管理アプリ

企業名:Eczemadoc
URL:https://www.eczemadoc.co.uk/
設立年・所在地:2020年・ロンドン
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Eczemadocは、アトピー性皮膚炎・湿疹を管理・治療するためのデジタルヘルスアプリを提供しています。

利用方法はシンプルで、カメラで自分の肌を撮影し、「湿疹はどこにあるか?」「どのくらい症状が深刻か?」「睡眠時間はどのくらいか?」といった質問に答えるだけ。湿疹にはストレスや寝不足が関連していると考られており、精神状態と睡眠状態もチェックするように設計されています。

アプリは湿疹の原因やケア方法に関する豆知識を配信していたりもします。研究によると、患者にきちんと知識を提供するだけで、皮膚炎・湿疹の再発を45%減少、生活の質を78%向上させることができるそうです。

皮膚炎・湿疹患者が「ひっかきたい、かゆい」と思って引っ掻く行為の70%は習慣、つまり引っ掻くという依存行為だそう。Eczemadocはこの「ひっかきグセ」に着目して、ひっかきグセから脱却するための”ItchX”という30日間の習慣逆転プログラムを構築しています。なんとこのプログラムで患者の90%が慢性湿疹を根絶できたとのこと…!  意識へのアプローチ、効果絶大のようです。

アトピー性皮膚炎の患者は世界中に5億5,000万人以上いると言われる一方で、皮膚科は半年待ちなんていうケースも多いそうです。受診できたとしても炎症の原因が特定できず、対処療法で終わるケースもしばしば。

創業メンバーチームの医師Haroon Ahmad、Noreen Akram、NiallJawadの3名も、自身が皮膚炎に悩まされてきた当事者。医学部で臨床現場に接する中でも、皮膚炎についての明確な原因特定及び研究が進んでいないこと、同様に悩む患者が多いにも関わらず、炎症を抑えるクリームの処方等の対処療法に留まる現状を目の当たりにしたそう。

創業メンバーはEczemadocを「湿疹ケア用のFitBit」と呼んでいるそうで、今後はアプリで収集したデータを活用して、遠隔での皮膚診療を行い、予防的治療を提供することを目指しているようです。「2030年までに世界の1億人の湿疹患者に影響を与えること」というビジョンが現実になる日は近そう!

ピッチ動画でも詳しく紹介しています。約10分程のボリュームですのでぜひどうぞ。

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いかがでしたでしょうか?マガジン内の他のデジタルヘルス記事も、ぜひお手すきで見てみてください。

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