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神戸からのデジタルヘルスレポート #49 (ペット)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は第49回・ペット関連!元気にデジタルヘルススタートアップを紹介していきます:-)

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1. Gallant Pet:犬の幹細胞バンク

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企業名:Gallant Pet Inc.
URL:https://gallant.com/
設立年・所在地:2018年・ビスタ/アメリカ
直近ラウンド:Series A(2019年8月)
調達金額:$11m(Daniel Curran, Unpopular Ventures など)

一発目からハードなスタートアップを。

犬の平均寿命は8~12歳(犬種による)で、7歳ごろから老齢期といわれています。老齢期には怪我や加齢性疾患を抱えやすく、8歳以上の犬の80%が関節疾患を抱えているといわれています。

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Gallant Petは、ペットの幹細胞を長期間にわたり保存する細胞バンクです。幹細胞は去勢の際に切除される生殖組織から採取しておき、それを再生医療に活用すると。

これまで治療対象としてきたペットの数は1千匹以上。変形性関節症などの加齢性疾患だけでなく、ドライアイやアレルギー性皮膚疾患などの慢性疾患、靭帯や腱の断裂などの怪我にも有効なようです。

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ワンショットの支払いで$890、年払いだと$95/year。全然払えそうな価格感。

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幹細胞は廃棄されるはずだった生殖細胞から採取するので、飼い主としても利用するハードルが低いサービスだと思います。こういったサービスのおかげで、幹細胞医学は急激な進歩を遂げそう。ペットの世界にもQOLを。

2. Botaneo:ペット用CBD製品の販売サイト

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企業名:Botaneo Ltd
URL:https://www.botaneo.co/
設立年・所在地:2019年・ロンドン/イギリス
直近ラウンド:Seed(2019年1月)
調達金額:N/A

CBDとは、カンナビジオールといって大麻に含まれる自然成分です。効果としては心身がリラックスし、不安や心配を取り除き、ストレス、不眠・睡眠障害、慢性痛の解消、うつ防止などがあるとされている一方で、依存性や副作用もないとされています。ちょっとずつ日本でも注目度が上がってきてますよね。

Botaneoはペット用のCBD製品を販売するサイトです。

扱っている製品はCBDが含まれたスプレーと犬/猫用ペットフードの2種類。本サイトにペットの犬種、年齢、サイズ、体重から適切なCBD投与量を計算してくれる機能があります。投与量は各製品のページにも記載はされていますが、ペットも1匹1匹違うので飼い主も不安なはず。このような細部まで配慮されているサービスは素敵ですね。

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CBD=大麻=違法薬物のイメージが強いですけど、痛みを和らげる麻薬の例もある通り、適切に扱えば素晴らしい可能性を秘めてる植物だなと感じました。今後も大麻業界に注目です。

3. Wiggles Box:ペット健康維持グッズのオーダーメイド配送

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企業名:Wiggles India
URL:https://wiggles.in/home
設立年・所在地:2019年・プネー/インド
直近ラウンド:Angel Round(2019年11月)
調達金額:$1m(Nachiket Deshpande, Sachin Phadke)

次はインドのペットヘルススタートアップ。

Wiggles Boxには、ペットを健康的な状態に保つための様々な予防ケアグッズが入っています。獣医がユーザー個々のニーズを踏まえて、各Boxに入れ込むべきものをオーダーメイド・カスタマイズしてくれます。

製品は、ダニやのみを取り除くブラシやダニの繁殖を防ぐシャンプー、栄養を補給するためのサプリメント・ドリンクなど様々。これらの製品は同サイトで購入も可能です。

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その他にもペットの健康を維持するための、獣医による訪問サービスも行っています。製品の販売だけでなく、幅広い手法でペットの健康維持に尽力しています。

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サイトがかわいい。

4. PawFax:厳格な健康基準を用いた子犬登録システム

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企業名:PawFax Inc,
URL:https://getpawfax.com/
設立年・所在地:2019年・プロボ/アメリカ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

現在、アメリカで販売されている子犬は全てAKC(The American Kennel Club)という組織に登録されています。しかし、ペットショップで販売されているAKCに登録された子犬の多くは、病気であったり、遺伝的欠陥を持っていることがわかっています。

PawFaxは、ブリーダーが育てている子犬の健康状態を証明するために、厳格な健康基準を用いた子犬登録システムを開発しました。これにより、PawFaxに登録された健康上問題がなくしっかりとチェックされた子犬たちが市場に出回ることになります。

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子犬の健康チェックは獣医により50以上検査が行われます。また、獣医による健康レポートや証明書が発行されるため透明性が非常に高く、バイヤーが健康上リスクの高い子犬を購入することを防ぎます。

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顧客からの信頼度は100%と、PawFaxがいかにバイヤーやブリーダーから信頼されているかがわかります。ペットに限らず商売の世界では、評判や長年の付き合いなど主観的な判断による購入が多いですよね。だからこそ、問題となりつつも「付き合いというしがらみ」が改善を妨げていたのかなと思います。PawFaxはそんな業界に風穴をあけた革新的な企業といえるのではないでしょうか。今までうやむやにされてきた問題に対して毅然と向き合う姿勢が素敵なスタートアップ。

5. Cuddly Tails:飼い主とペットシッターのマッチングアプリ

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企業名:Cuddly Tails
URL:https://www.cuddlytails.com/
設立年・所在地:2019年・ニューヨーク/アメリカ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Cuddly Tailsは、犬の飼い主とご近所のペットシッターをマッチングするアプリケーションです。散歩や宿泊、1日預かりなど様々なことをお願いすることができます。マッチングの仕方は、よくあるマッチングアプリと同様のものです。場所検索などで近隣の登録済みのシッターを探し、予約。利用後は支払いとシッターのレビューを行うという手順です。

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まだ、アプリ自体はリリースされていないので見ることができませんでした。シッターの登録もおそらく細かい基準があるんだとは思いますが、現時点では18歳以上という基準しかわかりません。そこがちゃんとしていないと怖くて預けられないですもんね。

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旅行でペットを連れていけない時、ありますよね。ニューヨークでは需要ありそう。リリースが楽しみ。

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こんな感じで、第49回でした。
過去分もたっぷり厚くなってきました。マガジンのほうもぜひ見てみてください:-)

応援ありがとうございます!